元・外交官で北朝鮮の担当班長であった原田武夫氏の著書『超一流の交渉術』は情報マンに非常に参考になる一冊である。

元外交官が最前線で見たものをまとめた本である。
外交官もビジネスマンも様々な交渉ごとがあり、その準備として情報収集、分析の重要性を説いてある。


●『超一流の交渉術』のポイント



・利害・駆け引きが絡み合う外交現場は、最高のビジネステキストである

・世界の一流外交官は、優秀なビジネスマンでもある

・外交であれビジネスであれ、交渉は心理戦でもある

・交渉が上手な国は、国家として「一流」だという判断基準がある

・交渉によっていかなる利益を獲得するかの目標設定が重要

・日清戦争の頃から明治の元勲たちは「情報戦」の重要性を理解していた

・総理大臣・伊藤博文の下で「情報戦」指揮官として活躍したのが内閣書記官長・伊東巳代治である

・交渉の前には、目標達成のために必要な情報を徹底して収集・分析し、それを頭の中に叩き込まなければならない

・交渉が成立するには、会って話し合わなければ分からないことがある

・「私のことは知っているが、彼のことは知らない。彼も彼自身のことは知っているが、私のことは知らない」
→簡単に言うと、このような状況を「情報に非対称性がある」という

・交渉相手に関する第一次情報を極力たくさん集めることが重要

・交渉で伝聞情報は不可欠

・情報は「聞く耳を持つ人」のところに集まる

・情報は集めるだけでなく、分析こそが命である

・事前に利益関係者(ステークホルダー)を徹底して洗い出し、何を欲しがっているか探求する

・外交はロジスティクスに始まり、ロジスティクスに終わる

・一流の交渉者は、いつでも最後は自らロジを総点検する癖がついている

・交渉に関する組織的な記憶を蓄積し、次の世代に伝えていくシステムが重要


※コメント
仕事をしていると忙しさのあまり、報告書や業務日誌を書けないことが多い。
しかし、その文書が他の人の役に立ったり、何も知らない新人のためになったりすることがある。
自分では当たり前のことでも他の人にとっては、「宝の山」の情報であったり、ノウハウであったりする


改めて、組織的な文書の重要性を感じた。




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