『国際インテリジェンス最新事情』

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April 2014

◆村上憲郎『村上式シンプル英語勉強法』を読み解く




◆村上憲郎『村上式シンプル英語勉強法』を読み解く



※要旨


★村上式シンプル英語勉強法の特徴とポイント


一、必要なことしかやらない。

一、スクール、勉強机、高額教材はいらない。

一、英語は「お勉強」ではない。
あくまで、「自転車に乗る方法」なのだから、英語を頭で考えない。
英語を身体に覚えさせる。
日本語しか知らない身体に、英語を使える筋肉を追加していく。
これが村上式シンプル英語勉強法の基本ポリシー。


1.英語を読む。
日本語と同じように英語を読めるようにする。
そのために、300万語読む。
小説30冊、ノンフィクション15冊相当。
読むときは、息継ぎしない。


2.単語を覚える。
ビジネスで通用する1万語を知っているようにする。
単語力をはかり、現在のレベルに合った教材を使ってスタート。
丸暗記ではなく、毎日眺めるのがポイント。


3.英語を聴く。
ネイティブが話す普通のスピードの英語が聴けるようにする。
そのために、トータル1000時間、筋トレ感覚で聴く。
1日1時間で3年、英語や日本語のテキストをいっさい見ずに、ひたすら耳を鍛える。
なるべく難易度の高いものを聴いて訓練、週末にやさしい教材を聞き直すのがポイント。


4.英語を書く。
目標は、ビジネスでとりあえず通用すればいい。
そのために英借文とブラインドタッチを身につけること。
英語では作文ではなく、タイプすることが「書くこと」。


5.英語を話す。
目標は、パーティーとかで2時間、自分のことをひたすら話せるようにする。
そのために、「あいさつ」「依頼」「質問」「意思表現」「相手の意向を聞く」の5パターンの基本表現を覚えること。
自分および自分の関心事で100の英文を英借文し、丸暗記。
相手に通じる英語を発音するための、簡単なボイストレーニングも行う。



★本題


・英語は、2台目の自転車である。
英語なんてせいぜい2台目の自転車乗りこなし術。
それ以上でも、以下でもない。
英語の勉強は自転車に乗る練習と同じ。
鍛えるのは、英語を使いこなすための筋力であり、知力ではない。
英語は語学ではなく、「語力」。
グローバル社会を走り回るための手段であり、道具。


・英語が出来なきゃ、毎日の情報に遅れる。
世界では今何が起こっているのか、その一次情報をリアルタイムで手に入れるには、ある程度の英語力が絶対に必要になる。


・もう遅いなってことは、決してない。
あなたが見ているのは、世界。
あなたも広い世界の中の一人。


・英語を読むとは、英語を、英語のまま、「内容を英語で読む」ということ。
まずそれに気づくことが英語上達への第一歩。


・どの程度の分量を読めばいいか。
私なりに導き出した答えは、単語で300万語。
これだけ読めば、誰もが、「英語を読める」ようになる。
ちなみに300万語というのは、小説にして30冊分。
ノンフィクションなら約15冊分に相当する。

最初は、100万部を目指しましょう。
小説にして10冊。
ノンフィクションにして約5冊。


・読み方は、後戻り&息継ぎ禁止。
ひたすら前へ前へと読む。
なぜ読むときに息継ぎをしてはいけないのでしょうか。
理由はシンプル。
英語を聴くときと同じ条件で「読む」から。


・最初は会話の多い探偵モノを読む。
英語を読むときは、ひたすら読むだけに集中する。
意味を考えない。


・映画、DVDはOK.
翻訳本は読んではいけない。
映画やDVDを見てから、原書を読めばいい。
ただし、日本語訳は読んではいけない。


・ノンフィクションが英語で、ある程度読めるようになれば、楽しみも倍増、
アメリカの今月のベストセラー本などすぐ読める。


・究極のところ、英文は、S+V しかない。


・1分間に500ワード読むのが最終目標。
300万語、小説10冊とノンフィクション10冊。
このくらいの英語を読み終えたころには、「頭の中の音読の音」が聞こえなくなってきている。


・「単語を覚える」は、読む力を上げるためにも同時に行って欲しい。
目標は1万語。
とにかく1万語覚える。


・単語は丸暗記しない。
毎日、「会って」頭に入れる。
村上式の単語の覚え方の極意は「ひたすら眺める」。
毎日1万語全部見る。
少しずつではなく、一気呵成に徹底的にやる。
これ、非常に大事。


・リスニングは、耳の筋トレ。
使うのは、知力ではなく筋トレ。


・1日1時間×3年。
生の英語を1000時間聴く。

リスニング教材は、常に難しい10課先を聴く。

1課が聴けないのにさらにレベルの高い10課など聞き取れるわけがない。
でもそれでも聴く。
ひたすら耳に流し込む。
そうやって10課を、毎日1時間ずつ聴いて、その週末に1課がどれだけ聞こえるかチェックする。
そうすると結構聴ける。


・負荷の大きいハイレベル、ハイスピードな英語を聴くことで耳の筋力が鍛えられ、1課の英語がゆっくり聞こえるようになる。


・ザザっと聴いて「はい、聴けた」でよい。
100%を目指さない。
テキスト類はいっさい見ない。


・究極の教材は、ディベートの音声。


・日本人に英作文は無理。
あきらめて「英借文」を。
英借文とは、日本語の手紙文と同じ。
時候のあいさつと同じ。


・英借文用のテンプレートをストックせよ。


・作文より、借文より、まずタイピング。


・アメリカの小学校でも、内容よりもフォーマット。
アメリカでは、いかにきっちりと形にのっとって書いてあるかが重要。
彼らは小学校の段階からそう教わっている。


・ビジネス文書でも論文でも、どんな立派なことが書かれていようが、
読みにくかったらダメ。
もちろんそれだけが文章能力だけではないが、とりあえずフォーマット重視の社会。


・英語を話すということ。
聴くのは相手のレベル、話すのはこっちのレベル。


・日常英会話は5パターンしかない。
あいさつ、依頼する、質問する、意思を伝える、相手の意向を聞く。
この5項目以外の必要に遭遇することはほとんどない。


・自分に関する100の話題を丸暗記する。
オススメしたいのが、自分自身に関する100の文章を、もちろん英語で、
前もって作って暗記しておくこと。
仕事、家族、友人、趣味、スポーツ、出身地、好きな食べ物。
まず自分についての100パターンの英文を作っておく。


・どんな話でも、自分の用意した100の話題に持っていく。
そうすれば外国人と対峙して2時間はもつ。
2時間もつようになれば、英会話はなんとかなる。
それが、村上式シンプル勉強法の、「話す」分野における当面のゴール。
なんでもそうですが、最終的に「話したヤツが勝つ」。


・話すことで「マイストーリー」を磨く。
相手から質問されたりする中で、自分の100パターンの内容はドンドン洗練され、
さらには膨らんで、バリエーションがついていく。


・自分の周囲の関心事も、英語で言えるようにしておく。


・外国人に受けがいいのは、ジョーク。
自分のことを100の文章にするのとは別に、覚えておけば得をする外国人に受けがいいネタがある。
それはジョーク。


・エンタメ英語、ゴマスリ英語を恥ずかしがらない。


・私は、現行の中学入試準備で課せられている「言葉の知識」、
つまり、漢字の二字熟語、四字熟語、ことわざ、慣用句、故事成語、
いろはカルタなどの詰め込みや丸暗記が、小学校全員に課せられるべきだと思う。
それにとどまわず、百人一首の丸暗記、漢文の素読も課したいくらい。
人間の思考の土台となる言葉の習得は、小学校の時期がもっとも効率がいい。


※コメント
英語が自転車への乗り方というのは、うまい表現である。
それを知ると、英語への壁がくずれ、やる気が出てくる。
彼は30歳から本格的に英語の勉強を始めたようだ。
遅すぎることは、何もない。


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◆千田琢哉『「デキるふり」からはじめなさい』を読み解く



◆千田琢哉『「デキるふり」からはじめなさい』を読み解く


※要旨


・「嘘つきは泥棒のはじまり」
物心ついてから家庭でも学校でも、そう教わったはずだ。
だが、一度も嘘をついたことがない人間などこの世に一人もいない。
それどころか、夢を実現させてきた豪傑はみんな大嘘つきだった。


・正確には夢を実現した豪傑たちは「嘘つき」ではなく、「ホラ吹き」だった。
ホラ吹きには真実が1%入っているが、嘘には真実が入っていない。
1%の差とは、本人たちが真実だと思い込んでいたか否かの差だ。


・自分の師匠を見つける。
師匠は直伝でなくてもいいのだ。
あなたが勝手に師匠と決めて、その師匠から学び続ければいい。
すでに故人となった人でも、本を出しているのなら、その本をすべて読破しておくことだ。


・面接やプレゼンでは演じきる。
面接やプレゼンが一瞬で上手くなる唯一の方法を知っているだろうか。
それは「演じる」という方法だ。
面接上手、プレゼン上手の真似をしよう。
「もう少し上手くなったら・・・」
などと逃げていては、人生のほうが先に終わってしまう。


・ベストの環境と道具を用意する。
デキるふりをするために今すぐできることは環境と道具を変えることだ。


・デキる人は決断に時間をかけない。
決めるスピードは成功のスピードだ。
まわりに異様に決めるのが速い人はいないだろうか。


・人生は決断の連続だ。
決断した数が、その人の寿命だと言ってもいいくらいだ。
決断すると、年収が上がる。
決断すると、出世する。
決断すると、同性からも異性からも、モテるようになる。


・デキる人はいやいや文書作成をしない。
文書作成のときは、作家になりきる。
掃除のときは、プロの清掃員になりきる。
電話が鳴ったら、プロの秘書になりきる。


・デキる人は無理にリーダーっぽくしようとしない。
本当にできる人はリーダーになりたがる人を支えるものだ。


・話を一度盛り上げたら意図的にその場を切り上げることだ。
「もっと聞きたい」
と思わせながら去る。
それがデキる人の後ろ姿だ。


・あなたの周りの、お金を継続的に集めている人たちを思い浮かべてもらいたい。
去り際に名残惜しさを残さないだろうか。
せっかく話が盛り上がってきたところなのに、
「では、そろそろ」と言って帰ってしまう。
その後ろ姿が、とても爽やかなのだ。
ちょうど結婚式のスピーチで、ドッと会場を沸かせておきながら、
「お幸せに」と囁いて去っていくのと同じだ。


・デキる人は批判に対してグジグジ悩まない。
大統領や世界的な成功者たちは、連日批判の嵐だ。
批判どころか、命さえ狙われている可能性だってある。


・批判対策は、とてもシンプルだ。
いっさい関わらないだけでいい。
批判が届いても、いちいち返事をしないことだ。
面と向かって批判されても、「その通りですね」とスルーすればいい。


・お金持ちはお店を無言で出ない。
外食したとき、買い物をしたとき、無言でお店を立ち去ってはいないだろうか。
お金持ちは店員よりも先にお礼を言う。


・お金持ちが支払いの際、お店の人に何を言っているのか聞かないことがあるだろうか。
「ありがとう」「ご馳走さま」と言っているのだ。
しかも、店員さんよりも先にお礼を言っている。


・時給1万円や10万円のデキる人は、
成功して余裕があるからお礼を言っているのではない。
名もなく貧しい頃から、徹底してお礼を言う習慣の集大成として、お金持ちになったのだ。


・かなり厳し目に見ても、私は「ありがとう」を口にするほうだと思う。
だが、「こんな場面でもお礼を言うか?」と感じる人にたまに遭遇する。
もちろん、その人は大成功者だ。


・お金持ちは満員電車に乗らない。
私はサラリーマン時代、通勤電車は500円上乗せして特別シートに座っていた。
新幹線や飛行機で出張する際も同じだ。
たとえ会社の経費で落ちなくても、堂々と自腹でグリーンシートやプレミアムシートに座っていた。
人口密度が低い空間は、お金はかかるがチャンスは多い。
ほぼ毎回のように、有名人と出逢うから意識も変わるだろう。


・お金持ちになったら、いいものを食べるのではない。
いいものを食べるから、お金持ちになるのだ。


・「普段何をどこで食べるかで、人生は決まる」
今でもお付き合いさせてもらっている大富豪の1人だが、
この社長のアドバイスはこれまでに外れたことがない。


・お金持ちは頭のいいふりをしない。
事実だ。
多くの人に好かれて大金持ちになる人は、
ちょっと抜けていて、かつ頭がいい。
そして実は「バカなふり」をしているのだ。


・お金持ちは、バカのふりをしているのだ。
密室で仕事をしている時には脳みそフル回転の凄まじい戦略家が、
一歩外に出た途端、表情が一変しておバカモードに切り替わる例をこれまでたくさん見てきて、
人間不信に陥りそうになたくらいだ。


・目的や夢がないと歩き方もチンタラする。
「とりあえず」のものでいいから、目的と夢を持つことだ。
そしてスタスタと歩く人をマネしよう。


・頭がいい人は熟考しながら答えない。
質問を聞き終えたら即答することだ。
それもゆっくり即答することだ。
ゆっくりと即答するためにどうすればいいか。
あらゆる質問に対処できるようきちんと普段から考えておくことだ。


・頭のいい人は基礎を疎かにしない。
頭のいい人ほど初歩にこだわる。
資格試験であっても本質は3級や4級に詰まっている。
デキる人ほど初歩の大切さを知っている。


・頭脳を鍛えると、どんなことがわかってくるのだろうか。
自分は何も分かっていないことに気づかされるのだ。


・モテる人はタブーを恐れない。
恋愛対象として見られるかどうかの「ものさし」は、
男は「知恵」、女は「容姿」だ。


・モテる人はボーっとしていない。
人は思いがけないときに「ありがとう」と言われると好きなる。
御礼に限らず、サプライズの言葉には、ときめきをおぼえるものだ。
時間にしてほんの数秒のチャンスをモテる人はものにする。


・モテる人は、何気ない一言を習慣にしていることが多い。
仕事でお茶を出された際に、「ありがとうございます」と言う。
訪問先から帰る際に、「お茶、おいしかったです」と言う。
わずか1秒のこの気遣いの習慣が、人生を大きく変えていくことになる。


・自分がしたことに対して、わざわざ「ありがとう」と言う人は、
少ない場面で「ありがとう」を言われると、その人のことを一生忘れない。


・モテる人は告白のときウジウジしない。
口説きの言葉をグダグダ考えても無駄だ。
「好きだ」
「付き合おう」
「結婚しよう」
モテる人がスッと言い放つ。
この言葉を華麗にパクろう。


・モテる人の告白は1回で終わらない。
1度目は「挨拶」なのだ。
2回ふられ続けるリスクと、結ばれるかもしれないチャンス。
どちらを選択するのかは、あなたが選べばいい。


・モテる人は普段着でデートに臨まない。
ブランド物を身につけるなんて逆にカッコ悪いと思う人も多いかもしれない。
しかし、ブランドは勘違い力をアップさせてくれるのだ。
不思議と自信がみなぎってくるものだ。
ブランドの力を借りてでも自信をつけよう。
いつか本物に変わるその日まで。


・モテる人は仕事の手を抜かない。
「働いてばかりでモテない」
この発言は嘘だ。
仕事をするとモテる。
忙しいほどモテるのだ。
まわりのモテる人を見てほしい。
忙しく飛び回っている人が多くないだろうか。


・デキる人は「人生最後の言葉」を死に際に考えない。
一度きりの人生ならば理想の人生を歩いてみたいと思うだろう。
その理想の人生に近づくために、まず「ふり」からはじめることだ。
「ふり」さえできないのに、それが実現するはずはない。
あなたの人生のラストシーンを決めよう。


・すると今どうあるべきか、これからどうあるべきかが見えてくる。
理想の姿で死ぬために、まず理想の「ふり」からはじめよう。
オープニングがラストシーンから始まる映画は面白い。


・あなたは、自分の墓碑銘を決めているだろうか。
日本人は墓碑銘を刻む習慣はないが、偉人は死に際に言葉を残す。

「是非に及ばず」は、織田信長の最後の言葉。

「我、人に媚びず、富貴を望まず」は、黒田官兵衛の言葉。

「おもしろき こともなき世に おもしろく」は、高杉晋作の言葉。


※コメント
この本はすべての文章を引用したいくらい、良質な言葉で溢れている。
千田氏の本は、いろんな部分で共通点はあるが、
毎回違う表現方法なので、楽しめる。




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◆坂根正弘『限りないダントツ経営への挑戦、強みを磨き弱みを改革 』を読み解く



◆坂根正弘『限りないダントツ経営への挑戦、強みを磨き弱みを改革 』を読み解く


坂根氏は元・小松製作所CEO。現在、相談役。


※要旨


・コマツは、弱点を改革する一方、強みに磨きをかける改革も断行した。
その一つが「ダントツ商品」の開発である。
固定費は削減しても研究開発費だけは削減せず、
競合他社が数年かかっても追随できないような、
環境、安全、IT,経済性などで特長を持つ圧倒的に強い製品を開発し、
差別化をはかる戦略である。


・経営者の通信簿は決算書だといわれる。


・コマツは、土を掘ったり、整地したりする油圧ショベルやブルドーザー、
土砂などを運搬するダンプトラックなどの建設・鉱山機械のほか、
フォークリストなどの産業車両、大型プレスなどの産業機械などを
生産・販売する会社である。


・土木・建設の歴史は、人類の歴史とともに古い。
世の中が平和で経済が発展していれば土木・建設工事の数は多くなり、
それに用いる建設機械の需要も伸びていく。


・残念なことに日本の建設機械メーカーには共通した弱点がある。
それは欧米企業と比べて収益性がかなり低いことである。
米国にはキャタピラー社という売上、収益ともに一頭地を抜く巨大企業が存在する。


・経営の構造改革の柱の一つは、「コマツの強みを磨く」である。
コマツの強みを改めて見直した結果、最大の強みはやはり伝来の技術力にあり、
その土壌に開発と生産の連携の緻密さがあるという結論を得た。


・日産のカルロス・ゴーンさんに聞いてみた。
「日産の復活は、現場の課長クラス、ミドル層が優秀だったからこそできたのではないですか?」

彼はこう答えた。
「確かにその通りですが、日本の企業の場合はトップダウンが足りないと思います」
日本の企業では、トップリーダーが「全体最適を考え、方向性を示す、
という自分の仕事をしていないということだ。


・コマツの真髄は品質経営。


・私の仕事に対する考え方を大いに啓発してくれたものに、
2度にわたるアメリカ駐在経験がある。
第一回目は、1981年から4年間にわたってサンフランシスコの「小松アメリカ」
にサービス部長として赴任した。
ちょうど40歳になった年である。


・米国流トップダウンの強みと弱み。
私は財務的な成果よりも、おりにふれて米国流マネジメントを学べたことが、
個人的には最大の財産だと思っている。


・米国流のマネジメントの特徴は何といってもトップダウンにある。
アメリカ企業のトップには、絶えず方向性を明確に示すシナリオが求められる。
それが示されるからこそ、アメリカの企業はスピーディなビジネス展開ができるのである。
私もKDC社長として絶えず決断を求められる日々が続いた。
全責任を負うトップの重圧感は、経験してみないとわからない。


・アメリカ企業は、トップダウンで明確なシナリオを提示し、
引っ張っていけばかなりのスピードでものごとを推進できる。
しかし、トップダウンをもってしてもできないことがある。
それはいわゆるQCD(品質・コスト・納期)の改善である。


・QCDは、ボトムアップが働かないと改善できないのである。
それがアメリカの弱点だったのかと、このとき改めて痛感した。


・私は学生時代にあまり勉強しなかったせいで、会社に入ると周囲の人たちがみんな勉強家に見えた。
遅れを取り戻すためには、何か問題にぶつかるたびに猛勉強するしかないと思った。
すると不思議なもので、実際に問題に直面したときにする勉強は、早く身につくのである。


※コメント
経営についてもさまざまな手法がある。
理論と現実の実務が一致したとき、もの凄い力を発揮する。
まさに知行合一であろう。



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◆千田琢哉『「あたりまえ」からはじめなさい』を読み解く


◆千田琢哉『「あたりまえ」からはじめなさい』を読み解く


※要旨


・成功する人は「多くの人が見落としがちなあたりまえのこと」を、
誰よりもきちんとやっているだけなのだ。
きっと君はバカにするだろう。
「あいさつをしましょう」
「ありがとうを言いましょう」
「時間を守りましょう」。

ところが不思議なことに、大人になるとほとんどの人はそれができていないのだ。


・英語の勉強の前に、きちんとあいさつをしよう。
ロジカルシンキングを学ぶ前に、口約束を守ろう。
世界平和を熱く語る前に、いま隣にいる人を笑わせよう。


・断言してもいい。
あたりまえのことを、あたりまえにできるようになるだけで君は突出できるのだ。


・あいさつをする。
あいさつは人としての基本だ。
挨拶のできないものは、どんなに才能があっても必ず干される。
誰にも応援されず、実力を広めてもらえないからだ。
あいさつは100%自分から先にすることだ。


・相手と目が合った瞬間にあいさつを交わすのでは遅いくらいだ。


・締め切りを守る。
頼まれた仕事は、遅くとも期限の24時間前に提出しよう。
成功者は人生がすべて前倒しで進んでいるからつねに時間がありゆとりがある。
前倒し人生で豊かになろう。


・5分前集合をする。
遅刻する人は、たいてい組織の底辺層の貧しい人だ。
仕事の遅れ、作業の遅れは、遅刻が象徴しているからだ。
集合時間の5分前には到着しよう。
集合場所に到着する順番は、出世する順番と同じだ。


・ギリギリ到着を目標にすると必ず遅刻する。
なぜなら人生には想定外のことがつきものだからだ。
「電車が人身事故で遅れます」
「タクシーが渋滞で遅れています」
「仕事で急用で入ったので遅れます」


・予定時間の5分前に切り上げる。
モテない人に限って終電ギリギリまで過剰サービスしてしまう。
しがみつく側からしがみつかれる側に回りたかったら、
予定時間よりも前にさっと切り上げてくることだ。


・長々とメールしない。
長いメールは読まれない。
もしくは、後回しにされる。
やがてメールだけではなく、仕事、人生すべてを後回しにされる。


・電話にはすぐに出る。
オフィスの電話は1コール以内に出ることだ。
3コール目で出るのと1コール目で出るのとでは労力はほとんど変わらないのに、
評価は断然1コールのほうがいい。
早く出すぎて大きなご縁になったことはあっても、クレームになった記憶はない。


・もしあなたが今いる職場で電話当番なら、どんなに遅くても1コール以内に出ることだ。
1コール目が鳴り終わるまでに電話に出ると、
「お、この会社やるな」という印象を相手に与えることができる。


・つべこべ言わずにまずやる。
やらなかったことに「ごめんなさい」と謝る人生は惨めで退屈極まりない。
そのかわり、やっちゃったことに「ごめんなさい」と謝る人生は毎日がエキサイティングだ。


・出張清算は呆れるほど正直にする。
「出張清算のやり方」と「人となり」は似ている。
清算でウソをつく人は仕事でもウソをついている。
だから清算を正直にする。
それだけでライバルは半分になる。

本当に
・決まった方針にはちゃんと従う。
中途半端なプライドを持った人は決まった方針に抵抗して組織のお荷物になる。
本物のプライドを持った人は好き放題意見を言うが、
決まった方針には忠実に従う。
だから次は応援してもらえるようになる。


・約束を守る。
「近々、飯でも行きましょう」
こんな小さな約束でも守れない大人はゴマンといる。
「あの人は信頼できる」
というのは口約束を守る人のことだ。
口約束にこそ命をかけよう。


・日本人は紙約束や印鑑が大好きな国民だ。
ところが人生で大切なのは紙約束よりも口約束だ。


・口にしたことは些細な約束ほど必ず死守する。
口数が少なく口にした約束を守れば、あなたは誰からも信頼されるようになる。
「近メシ」などの小さな口約束こそ、今から命懸けで守ろう。


・目の前に人がいるときは携帯に出ない。
時間は命の断片だ。
相手の時間を奪うことは相手の生命を軽視しているということ。
目の前の人を大切にすることは成功するための最低条件だ。


・先輩や上司を立てる。
先輩や上司に対して生意気な態度を取る人は実力が中途半端な証拠だ。
先輩や上司を遥かに超越した圧倒的実力をつければ、自ずと「立てる」ことができるようになる。
立てられない人は未熟であり、実は媚びる人だということに気づこう。


・後輩や部下を叱る。
叱るのは相手のため。
嫌われるかもしれないリスクを背負って叱ることのできる人が、
盤石な人望を築いていく。


・ごめんなさいという。
すべての人間関係は言えない「ごめんなさい」で壊れていく。
人が離れれば、お金も離れていく。
自分に非があると気づいたら、即「ごめんなさい」することだ。


・すぐに返事をする。
出たくない結婚式には即日「不参加」に○をつけて返信しよう。
参加しようかどうかを長々と迷っていると催促の電話がかかってくる。
その電話で断るのがいちばん最悪だ。
不参加の返事ほど早く済ませよう。


・不参加の場合相手が一番助かるのは、即日「不参加」に○をつけて返信してくれる人だ。
空きスペースにひと言「結婚、おめでとう!」と書いておけば十分だ。


・一人の時間をつくる。
人から学んだことは一人の時間のあいだに吸収される。
つねに群がっていてはうだつの上がらない人生で終わる。
1日1回は孤独の時間を確保しよう。


・終始群がっていては自分を磨く時間がないから、いつまで経っても成長しない。
これを避ける方法は1つしかない。
無理をしてでも孤独の時間を1日1回確保することだ。
一番オススメなのは、読書である。
読書は究極の自分とのコミュニケーションだ。
カバンの中に読みかけの本を1冊しのばせておくだけでいい。


・寝る前にたとえ1ページでいいから読む癖をつけよう。
本は漫画だっていいし、写真集でも何でもいい。
大切なのは誰とも話さず、孤独に自分とコミュニケーションをとるということなのだ。


・1日1回は最愛の人と会話する。
酒を飲んでもいくら眠ってもストレスは解消されない。
一瞬で疲れがぶっ飛ぶ方法。
それは、最愛の人と会話を交わすことだ。


・お金を払ってくださる方に感謝する。
存続するお店の「ありがとうございました」には迫力がある。
お客様には命懸けで感謝する。
それが生き残る人の条件だ。


・振込期日に遅れる人とは距離を置く。
振込期日に遅れる人はすべての仕事に遅れる人だ。
つまり時代に置いていかれる人なのだ。
そういう人とは距離を置くに限る。


・期日前に振り込む人に深く感謝する。
期日より前に振り込まれるお金には感動が発生する。
同じ価格でも価値が違うのだ。


・迷ったら高いほうを買う。
高いほうは高いほうにもかかわらず迷われているくらい魅力がある。


・支払いの際にはお金を放り投げない。
お金を粗末に扱う者は必ずしっぺ返しを食らう。
支払いの際にお金を放り投げていると、必ず知人がそれを幾度となく目にすることになる。
あるいはあなたを応援してくれたかもしれない運命の人が目撃する。


・お金持ちを尊敬する。
貧乏になりたければお金持ちの悪口を言うことだ。
するとまわりからお金持ちは去っていき代わりに貧乏が寄ってくる。
お金持ちになりたいのであればまずお金持ちを尊敬することだ。


・アナログの体験を積む。
デジタル化が進化すればするほどに、アナログ体験の価値は高まる。
ネットの時間を半分にして現実の体験を積むことだ。
そこに本当の価値がある。


・世の中の「あたりまえ」を「ありがたい」にひっくり返す。
それだけで感謝と知性が養われる。


・視野を広くする。
落ち込んだら俯瞰する。
これが効果てきめんだ。
展望台に登ろう。


・すぐ動く。
「今日から動こう」
そんなことを言っていては一生動けない。
「今日から」では遅いのだ。
本気で人生をかえたかったら「今、この瞬間から」動く。
読書をしていていい言葉に出会ったらその瞬間に行動に移すことだ。


※コメント

切れば血が出てくるような、含蓄のある言葉にあふれている本です。
一文一文かみしめながら読んでいます。
いまこの瞬間にこの本に出会えてよかったです、
というのが正直な感想です。


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◆清谷信一『防衛破綻、「ガラパゴス化」する自衛隊装備』を読み解く


◆清谷信一『防衛破綻、「ガラパゴス化」する自衛隊装備』を読み解く


※要旨


・自衛隊は貧乏である。
我が国の防衛予算は年間約4兆7000億円。
AWACS(早期警戒管制機)やイージス艦など、最新兵器を多数揃えている自衛隊が、
貧乏なわけはないだろう、という反論もあろう。


・確かに自衛隊は最先端の装備、兵器を多数保有している。
それは間違いない。
だが、その反面、途上国ですら当たり前に持っている装備がない。
今の自衛隊は、セーターやジャージなど業務に必要不可欠な被服すら、
隊員に身銭を切らせて買わせているありさまだ。


・自衛隊の場合、「見栄えのいい兵器」を買うために、セーターなど被服はおろか、
無線機や無線中継器、装甲兵員輸送車、装甲野戦救急車、暗視装置といった「脇役」装備の調達、
整備がなおざりになっている。


・自衛隊が貧乏なのは金がないからではない。
金の使い方が下手なのだ。
軍隊の常識から見れば極めて異常な装備調達を行っている。


・各国の兵器メーカーは生き残りをかけて、極めて厳しい競争を行っている。
だが我が国の防衛産業はそのような世界の兵器マーケットから隔絶している。


・自衛隊の装備、すなわち兵器は、まさに「ガラパゴス化」している。


・本来国防は国家の独立と存続の根幹を支える重要なものだ。
ゆえに他の国では国防に造詣の深い議員が多く、
国防大臣には外交、財務と並んで有力政治家が指名されるのが常である。


・防衛省の装備はわれわれの払った税金で調達されている。
その意味では国民は部外者ではない。
防衛費を最小限に抑えるためには納税者も勉強する必要がある。


・われわれジャーナリストは、世界の軍事専門誌に加え、内外の同業者や専門家、
メーカーの人間との意見交換などから得た情報を加味し、相場観を養う。
そうやって算出した自衛隊の装備調達コストは、
おおむね諸外国の3倍から5倍程度と思って間違いない。


・交戦すれば自衛隊の戦死率は極めて高い。
陸自には、途上国の軍隊ですら保有している装甲付きの野戦救急車が存在しない。
負傷者が出たら、敵弾が飛び交う中、非装甲の野戦救急車で助けにいかなければならないのだ。


・陸自には、医療部隊用の専用ヘリもない。
汎用ヘリに医療装備を積み込むことになっているが、
戦時に際しては弾薬や物資の輸送のほうが優先されるので、
どうしても負傷者の後送は後回しになる。
これは過去の戦争からも明らかである。


・戦場での手当ては、最初の数分が決め手という場合が多い。
さらにいうなれば、大災害が起こった場合も、これらの装備があり、
診断や治療ができる衛生兵がいれば、多くの国民が助かるだろう。


・空中給油機は現在4機あるが、これでは空自の戦闘機隊の規模ではまったく足りない。
少なくとも現在の3、4倍が必要だ。


・商社は単にメーカーとクライアントとをつないでコミッションを取るブローカーではない。
例えば自衛隊は、装備を輸入する場合、日本語の資料を要求するので、
パンフレットはもちろん、詳細な技術資料、マニュアルに至るまで日本語にする必要がある。
この手の翻訳には専門知識が必要で、しかも守秘義務も絡むので料金は一般に高い。
A4用紙数十ページの翻訳でも50〜100万円くらいは優にかかる。


・筆者は、旧・山田洋行が作成したロッキード・マーチン社の
戦術弾道ミサイルATACMSのセールス用資料を入手したことがある。
これは200ページを超えるボリュームで、製品の性能だけでなく、
米軍での運用方法や我が国での運用構想に関する提案まで述べられていた。
おそらく作成には数百万のコストがかかっていただろう。


・商社が抱えるコストとリスク。
商社はある商材に関して代理店契約を結ぶ前に、競合商品をリサーチしたり、
その会社の工場や実際にその商材を使用するデモンストレーションを見に行ったりもする。
その出張コストもバカにならない。


・海外の見本市などにも頻繁に顔を出して、既存のメーカーと関係を維持したり、
新商品や新しい会社をリサーチしたりすることも必要である。


・トラブルシュートも商社の仕事である。
品違いもなく、納期の遅れもないのは日本企業ぐらいで、
外国ではこの手のトラブルは当たり前である。
日本のように従業員が徹夜してまで納期に間に合わせるというようなことはしない。


・トラブルの解決のためには相手のトップ、あるいはそれに近い人物と知り合いになっておく必要がある。
トップと直に話をし、トップダウンで命令してもらうとスムーズに解決することは多いからだ。
できるだけランクの高い人物とコネをつくっておく必要があるが、
これまた直接的、間接的なコストがかかる。


・契約に際しては分厚い契約書が必要となる。
その作成を国際弁護士に頼めば、これまた莫大な料金を払う必要が出てくる。
筆者の個人的な体験だが、A42枚程度の簡単な契約書に問題ないか、
国際弁護士にチェックしてもらうだけで30万円ほどかかったこともある。


・つまり商社の活動にはかなりのコストがかかり、リスクを負っている。
それを前提に、コミッションが高いか安いか論じる必要がある。
商社を通さないのであれば、
防衛省がその人的・経済的なコストとリスクを負担する覚悟が必要である。


・商社は多くの情報を持っているが、当然ながら自分たちの損になる情報は提供しない。
防衛省は情報収集能力が低く、情報の入手を商社に大きく頼っているので、その真偽を確かめられない。
それなのに、自分たちが身銭を切って、人員を使って情報収集しようとはしない。
例えば軍事見本市やコンファレンスなどで、技本や調達関係者を含め、
防衛省・自衛隊からの代表団を見かけることは少ない。


・このような見本市などは各国のメーカーや軍人、技術者が集まる情報交換の場でもある。
そこに来ないのでは、他国の動向や技術のトレンド、価格の相場などのナマの情報に触れられない。
彼らにとっての情報収集とは、海外の専門誌などを購読する程度である。


・一般のビジネスでもよく商社不要論が浮上するが、商社はなくならない。
特に大手の商社は世界中に情報網を張り巡らせており、金融機能も持っている。
今後武器禁輸が進めば、商社は海外企業とのジョイントベンチャーや共同開発などで力を発揮する可能性が高い。


・筆者が防衛省や自衛隊、国内防衛産業に対して厳しいのは我が国の防衛産業の基盤を維持したいからだ。
国防は国家存続の根幹である。


※コメント
清谷氏は、「防衛省から最も嫌われるジャーナリスト」と呼ばれている。
それほど彼の指摘は厳しい。
しかし彼の情報はいろいろな視点で分析されており面白い。
我々国民ももっと防衛関係に関心を持つことが求められる。



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◆春原剛『日本版NSCとは何か』を読み解く


◆春原剛『日本版NSCとは何か』を読み解く


※要旨


・NSC(国家安全保障会議)の中核となる「四大臣会合」は原則として二週間に1回開催し、
国家にとっての基本的な安保戦略について討議し、
重要な政策認識を擦り合わせる場として位置づけられている。


・原則として、「前例踏襲主義」が幅を利かす中央官庁が、
政策決定の要所を握る日本の国家運営システムには、
「手堅い」とか「継続性がある」といった前向きの評価もある。
一方で、従来の慣習や前例、あるいは前任者のメンツなどに囚われすぎる傾向があり、
時代の変化に即した迅速な政策転換や大胆な意思決定には向かないという弱みも抱えている。


・「待ったなし」の感を強める安全保障案件が世界で山積みする中、
日本が今後も「世界の一流国」として一定の発言力を維持するためには、
国家としての明確な意思決定、戦略観と発信能力、
さらには行動力と国際社会に示していく必要がある。


・それには有能であるものの縦割り意識が強い官僚機構に加え、
「オールジャパン」の感覚で国家戦略を策定・遂行する「エリート頭脳集団=NSC」のような、
機関の創設が望ましい、というわけだ。


・逆に言えば、NSCのような横断的、かつ長期的に物事を考える組織がなければ、
日本が今後、厳しさを増す国際環境下で勝ち残ることは一層難しくなる。


・なぜ安倍首相はNSC創設にこだわったのか。
NSCを創設するということは、戦後日本がこれまで真剣に自らの問題として、
捉えてこようとしてこなかった「国家安全保障」という課題に、
真っ向から取り組むということを意味する。


・戦後、「不戦の誓い」とともに平和主義を国是の中核に据えた日本はその代償として、
安全保障や国防、インテリジェンス(諜報)といった言葉や概念から、
意図的にその身を遠ざけてきたという経緯がある。
結果、世界に冠たる経済大国となりながら、一方で国防や安全保障といった問題を、
米国との同盟関係に丸投げする格好となった。


・5年後、10年後、あるいは来年にも、
世界では思いもしなかったような事態、事件が発生するかもしれない。
そうした不測の事態に備えるためには、単に情報収集力だけでなく、
分析力、そして迅速な意思決定力を兼ね備えた組織が必要だ。


・ブッシュ&小泉政権のとき、アーミテージ、シーファー大使両氏は、
いずれ終わりを迎えるときが来るであろう「ブッシュー小泉」後を見越して次のような認識を強め、
安倍氏らに伝えた。
「誰がどこのポジションに就いても微動だにせず、
十二分に機能する同盟体制を構築するためには、日米同盟の機関化が必要だ」


・元来、島国で内向きになりがちな特性を持つ日本という国家にとって、
オール・ジャパンの視点でそれぞれの地域に詳しく、
かつ多数の知己を持つ質の高い専門家を育成することは、国家戦略上の急務である。


・米国のNSCとは、どのような組織なのか。
NSCの中心人物が「セキュリティー・アドバイザー(SA)」だ。
日本では、「国家安全保障問題担当・大統領補佐官」と訳される。


・SAには米政府内の意見を調整する能力や、
いかなる国難にも動じない胆力と豊富な経験・見識が求められる。
政治家ではなく主に外交官や米軍制服組のOB,学識経験者からSAが選ばれるのは、
こうした理由によるもの。
それにもましてSAが歴史的に「成功者」と評価されるための必要不可欠な条件は、
大統領からの絶対的な信任だ。


・SAは政権の安保・外交政策に関する戦略策定はもちろんのこと、
そのベースとなる情報収集の指示・精査、巨大な官僚機構である国防総省(ペンタゴン)、
CIA、そして国務省など異なる政府機関同士の意見・利害調整機能となる。
時には大統領の密使として、外交の裏取引に自ら出向くことすらある。


・SAには、専門家としての見識や大統領との近さだけでなく、
高いコミュニケーション能力、そして一癖もふた癖もある人材を束ねる指導力までもが求められる。


・パパ・ブッシュ政権でSAとなるブレント・スコウクロフト氏という人物がいる。
米政府関係者、OBの声を丹念に拾ってみると、
誰もが「歴代SAの中でナンバーワン」と口にするのが、このスコウクロフト氏だ。


・ある元政府高官は、次のように解説している。
「何か問題が発生したら、各省庁の専門家を集め徹底して議論し、対策をまとめ、
それを大統領に伝え周知徹底する。
それがスコウクロフトのやり方だった」


・スコウクロフト氏は稀代の戦略家であっただけでなく、
必要に応じて自分を殺すこともできる、非常に有能なマネージャーだった。
そうした一歩下がった姿勢をスコウクロフト氏が取り続けた裏には、
大統領との関係について絶対的な自信を持っていたからという事情もある。


・日々のNSCの運用についても、スコウクロフト氏は、
正副大統領や国務・国防長官らが顔を揃える正式な国家安全保障会議ではなく、
ナンバー2である副長官クラスやその下の次官クラスによる省庁横断会議を積極的に開催し、
政権としての一体感強化に努めた。


・「スコウクロフト・モデル」に基づいて、
強いNSCとそれを主導するリーダーの条件を改めて箇条書きにしてみると、
次の4点に集約できる。

1.トップ(大統領)との距離の近さ。

2.豊富な経験。

3.黒子に徹する胆力。

4.巧みな事務調整能力。


・マイケル・グリーン氏は米国版NSCの以下の3つの基本的役割を示している。

1.国家戦略を作る。

2.大統領を専門的知識によって補助し、諮問的役割を果たす。

3.扱いが難しい国防総省、CIA、国務省間の関係を調整する。


・ジェフリー・ベーダー氏の言葉を借りれば、
日本版NSCに求められる最も重要な機能とは、
「予想もしなかった出来事が発生した際の行動について、
効率的な対処法を内閣総理大臣に提供する」ということになる。


・21世紀の今日、NSCという組織に課せられている使命とは、
権力を補佐しながらその暴走を抑制しつつ、日々、起こり得る事象に現実的、
および長期的な視点を持って臨機応変に対処することにほかならない。


・スコウクロフト氏とはインタビューや、夕食会などで何度か言葉を交わしているが、
その中でももっとも衝撃的だったのは、とあるセミナーで、
「日米同盟は『自然な同盟』ではなく、『人工的な同盟』なのだ」
と断言したときだった。


・これを聞いた瞬間、一番感じたことは、
「真に追求すべきなのは米国の『国益』だけ」
という戦略家・スコウクロフトの冷徹な外交リアリズムだった。


※コメント
いままでモヤモヤしていた「国家安全保障会議」の意義を理解できた気がする。
できたばかりなので、今後もその動きには注視したい。
しかし、このNSCという機能は、民間の会社や個人の運用にも応用できると思った。


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◆火坂雅志『軍師の門、竹中半兵衛と黒田官兵衛:上巻』を読み解く



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※要旨


・竹中半兵衛は、その生涯のうちに、わずか2度しか人を斬ったことがない。
無益な殺戮を嫌い、力よりも知恵によるいくさを心がけた半兵衛だったが、
必要あらば、躊躇なく人を斬る。
この一見、物静かな若者の身のうちにも、
乱世を生きる苛烈な漢の血が脈々と流れている。


・黒田官兵衛は、職隆の嫡男として姫路城で生まれた。
母は、明石正風という歌詠みの孫である。
京育ちの母の影響を受け、官兵衛は武家の子にもかかわらず、
幼少の頃から古今集などの和歌に親しみ、源氏物語、伊勢物語を読みふけって育った。


・客将として招かれ、小谷城へ来てから、わずか一ヶ月にして、
半兵衛は浅井長政の人物を見切っていた。
乱世から抜きん出ていくには、熱意だけでは如何ともしがたい。
したたかな知恵と、大胆な変革を恐れぬ心、
そして時代の気運をつかんだ者だけが、まっしぐらに覇道をかけのぼってゆく。


・行動は果断にして、迅速なるがよし。
頭であれこそ考えて決断をためらっている者より、機を逃さず、動いた者の勝ちだ。


・古来、
「美濃を制する者は天下を制する」
といわれる。
肥沃な国土と地勢にめぐまれ、不破ノ関をこえれば、
そこは琵琶湖のひろがる近江の国。
京の都は目と鼻の先である。


・織田家のなかでめざましい出世を遂げてきた羽柴秀吉には、3つの信条があった。
「大飯」
「早食らい」
「憂いこと無用」
である。


・農民の出で、若い頃から苦労を重ねてきた秀吉は、
「人は飯によって動くものだ」
ということを、経験によって知るようになった。


・羽柴秀長は、出世いちじるしい兄の裏方として、
つねに矢銭(軍資金)の調達に走り回っているため、織田家中のなかには、
「あやつは、いつも銭勘定ばかりしている算盤侍じゃ」
と陰口をたたく者もある。
しかし、この男の地味で着実な仕事がなければ、秀吉の派手な活動が成り立たぬことを、
半兵衛は見抜いていた。


・半兵衛の目は澄んでいた。
人の命など、遅かれ早かれ、必ず尽きる。
その生をいかに華やかに、晴れやかに飾って散るか、
「人生とは、たかがそれだけのものではないか」
と、半兵衛は腹をくくっている。


・いくさには、戦略も戦術も必要である。
そのために軍師は知恵をしぼる。
しかし、いざとなれば、最後にものをいうのは、
「度胸」
しかない。
半兵衛は緻密な策謀家であるが、反面、
いかなる剛勇の士よりも腹のすわった一流の勝負師でもあった。


・半兵衛が考える軍師の条件とは、たんに軍学の知識を持ち、それを応用するというだけではない。
もっと大局的に、総合的に、領国全体の経営を考え、
それによって国力を増強し、民の暮らしの安定をはかる、
「民政家」
の手腕にたけていることが重要であった。
かの諸葛孔明もそうであった。


・卓越した民政家であったからこそ、孔明は他の戦術家たちと一線を画し、
その名を歴史に刻んだといえる。


・官兵衛には、源氏物語や伊勢物語を読んで育った心根の優しさ、
あるいは、父祖から受け継いだ商人的な合理精神のなせるわざを備えていた。


・尼子氏は、出雲の大名である。
乱世の風雲に乗じて着々と実力をたくわえ、尼子経久の代に、
京極氏を逐って出雲一国を掌握。
下克上によって、戦国大名にのし上った。
以来、経久は積極的に周辺諸国へ兵を送って、領土を拡大。
山陰、山陽あわせて11カ国に号令を発する大大名にまで急成長した。


・尼子氏の発展をささえたのは、
「出雲の鉄」
「石見銀山の銀」
そして、対朝鮮半島貿易によってもたらされた莫大な利益である。
しかし名将とうたわれた経久が没し、その孫晴久が家督を相続すると、
見るかげもなく衰退していく。


・緊急事態に浮き足立つ官兵衛を竹中半兵衛が叱咤した。
「このような危機にこそ、人の真価が問われる。
どっしりと腹をすえ、冷静に状況を見定めることだ」


・竹中半兵衛が世を去ったのは、6月13日のことである。
享年36。
秀吉の軍師として、官兵衛とともに、
「張良、陳平」
とたたえられた名軍師の早すぎる死であった。


※コメント
どんな大きなプロジェクトを進めるには、
度量のあるトップと軍師が欠かせない。
これは技術の進歩が早まろうが、かわらない真理だ。


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◆長友佑都『体幹トレーニング20』を読み解く



◆長友佑都『体幹トレーニング20』を読み解く


※要旨


・「サッカー選手・長友佑都は『体幹』『走力』『メンタル』でできている」
僕はそう思っている。
世界を相手にしても当たり負けない「体幹」。
誰よりも長くスプリントを繰り返すことができる「走力」。
果てしなき頂点を想像し、努力できる「メンタル」。
これが、僕のストロングポイントだ。


・体幹トレーニングは、一般的なウエイトトレーニングなどで鍛えられるアウターマッスルではなく、
インナーマッスルを鍛えることができる。
体の中身部分をトレーニングすることで、芯が強くなり、質の高い筋肉を手に入れることができる。


・この「質の高い芯」を手に入れるということは、体のベースを作ることに他ならない。


・メンタルは体を支配し、体はメンタルを支配する。


・僕はメンタルを確実に具体化するために、
このトレーニングを通じてどういう目標を実現したいか、実際に「書く」。
実現した後の自分を想像すること。
断言できる。
「想像できることというのは実現できること」なのだ。


・多くの一流アスリートのトレーニングを見てきて感じるのは、
彼らのトレーニングは「質が高い」ということ。
彼らは脳で理解しながらトレーニングしているのだ。


・トレーニングを行う際の重要なポイントのひとつに、
鍛えている部分をいかに意識できるか、ということがある。


・一流選手たちは、例えば小学生でもやるようなストレッチにおいても、
どこがほぐされているか、ということに気を配り、体だけでなく脳でも汗をかこうとしている。


・僕自身もトレーニングをする際は、どこが鍛えられているか、体と会話をするように脳を使っている。
そして何事においても、脳を使うこと、すなわちしっかりとしたメンタルを保つことで、
結果が大きく変わることを経験している。


・やり続けて気づいた「背骨」と「骨盤」の重要性。


・僕は大学時代に腰椎分離症とヘルニアを患っていたこともあり、
自分の体のどこが悪いのか、どうすれば治せるのか、ということをずいぶん調べた。


・そうして自然と体のメカニズムについても造詣が深まり、どういう部位を鍛えれば、
どういう効果があるのか、ということが分かるようになった。
これは、僕が体幹トレーニングをして飛躍的に身体能力が向上したことと無関係ではない。


・体幹トレーニングの場合、その準備は「ストレッチ」。
ストレッチはケガなどを防ぐ「障害予防」だけでなく、
体の可動域を増やし、また体幹を鍛える要素も持っている。


・土台となる走力を育てる。


・人間にそうそう限界は訪れない。
限界とは常に自分自身が作っているもの。


※コメント
長友のシンプルな言葉のなかにある本質が心に響く。
スポーツは、やはり身体能力だけではなく、脳の使い方が重要であると強く感じた。
あらゆる分野に応用したい。


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◆野々村一雄『回想・満鉄調査部』を読み解く



◆野々村一雄『回想・満鉄調査部』を読み解く


※要旨


・僕は1939年に満鉄調査部の職員となり大連本社につとめた。
1942年の一斉検挙によって関東憲兵隊に逮捕され、
はからずも大調査部の崩壊を自分自身の心身で体験することになった。
僕の調査部在任期間は、ながく勘定して3年6ヶ月である。


・満鉄調査部についての刊行物は、現在ではかなり多数にのぼっている。
最初に僕が手にしたの山田豪一氏の『満鉄調査部』である。


・つぎに出た草柳大蔵氏の『実録・満鉄調査部』は、日本ではベストセラーになり、
中国でも翻訳が出ているほど、世にもてはやされた本である。
しかし、資料の選別、重点のおき方などに難があり、満鉄の紹介であっても、
「調査部」の分析ではないという気がした。


・そのほかにも、伊藤武雄氏の『満鉄に生きて』その他、
大小さまざまの満鉄調査部論、満鉄調査部史がある。


・本書は、満鉄調査部の客観的な歴史ではなく、僕の見た満鉄調査部像であり、
いわば満鉄調査部私史である。


・調査部に入ってびっくりした。
一人の若い調査員が机の上に洋書を広げて、それを見ながらせっせと原稿を書いていた。
英語の本をわきにおいて、辞書なしでドンドン読み進み、
そこから論文をさっさとひねり出していくのは、一種の離れ業としか思えない。

「これは、大変なところへやってきた。
こういうことが軽々とできないと、この満鉄調査部ではつとまらないぞ」という感じが僕の心を噛んだ。


・当時の僕は26歳、旧制大阪商科大学の予科と大学部を卒業したのが1935年、
そのあと大阪の私立商業で3年間教諭をつとめ、
ついで一年少々、台湾高雄州嘱託として南方調査と称する机上調査をやって、
フィリピンの砂糖業、タイの米穀生産、台湾工業の分析などの論文を『高雄商工時報』という、
いわば自前の雑誌にボソボソ書いていただけの経歴である。


・調査部を創立したのは、満鉄の初代総裁に任命された後藤新平である。
彼は自分が台湾の民政長官であった時期(1898−1906)に、
台湾の土地旧慣調査を実施し、それが台湾の植民地統治に大いに役立ったとされたことから、
満州においても、旧慣調査を含む一般経済調査の重要性を政府に力説した。


・調査部は満鉄本社の5つの部の一つとしてつくられた。
後藤新平は、植民地会社としての満鉄の本来の業務である鉄道・鉱山・鉄道付属地行政のほかに、
一般調査業務を、それらと同格においたのである。
すなわち、調査部は、鉄道や炭鉱と肩を並べ、
我が国未曾有の大会社の一構成要素としてつくられたのである。


・調査に対する後藤新平のこの熱意は、満鉄の歴史のなかでも、
調査部の歴史のなかでも、高く評価されている。


・後藤総裁は岡松部長と相談して、調査部の主要な任務を、
第一、一般経済調査、第二、旧慣調査、第三、図書館業務の3つとした。


・1923年、ハルピン事務所調査課が創設されたことは、
主としてソ連調査のためであるといえる。
これ以後、満鉄調査機関は、大量のソ連資料の入手につとめることとなる。
1909年から22年には、露文図書資料約9000冊、
1922年秋に、約2万冊、1923年に約1万冊を購入している。


・満鉄調査部の資料活動について。
1943年現在の、満鉄調査本部の資料室の所蔵図書約7万冊、
大連図書館の所蔵図書は、35万冊にのぼった。


※コメント
野々村氏は、満鉄調査部の主流派ではなかったようであるが、
彼の視点を通して、満鉄調査部の息遣い、概観を知ることができる。
調査部には右派と左派が混合しており、それがダイナミズムを生んでいたようだが、
やがてそれは満鉄調査部事件へと発展して混乱していく。
組織マネジメントというのは難しいものだ。


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