『国際インテリジェンス最新事情』

国内外でのインテリジェンスに関する最新情報、分析をお届けします。 スパイ、謀略、国際政治、ビジネス情報戦、情報史、など盛り沢山の内容となっております。

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November 2014

◆本間長世『共和国アメリカの誕生、ワシントンと建国の理念』を読み解く



◆本間長世『共和国アメリカの誕生、ワシントンと建国の理念』を読み解く


※要旨


・ジョージ・ワシントンを抜きにして、アメリカ共和国の建国を語ることはできない。


・本書は、北アメリカにおける13のイギリス植民地が団結して本国から独立して、
成文憲法を制定して連邦共和国として出発するまでの物語を、
この時期を通して活躍した主要な人物達の思想と行動に照明をあてながら、
述べたものである。


・登場人物には、近代日本の初期からよく知られたワシントン、
ベンジャミン・フランクリンはいうまでもなく、トマス・ジェファソン、
アレクサンダー・ハミルトン、ジェームズ・マディソンなどの政治家や、
マサチューセッツに移住したピューリタンたちの指導者ジョン・ウィンスロップがいる。


・革命期に多くの優れた人材を輩出させたヴァジニア、マサチューセッツ、
ニューヨークについては、これも日本人にはよく知られてきたジョン・スミスとポカホンタスの物語、
セーラムの魔女裁判、創られた神話であるリップ・ヴァン・ウィンクルの物語を振り返ってみた。


・今日のアメリカにおいては、ほとんど毎月のように建国期の指導者の何れか、
あるいはその組み合わせを扱った書物が出版され、
数百ページという分厚い伝記がベストセラーのリストにのり続けているという現象が見られる。


・自己のおかれた状況の下で最善の解決をはかり、
人々の支持を取り付けるというリーダーシップの見事な例を学ぶことは、
今日切実に求められていることだといえる。


・今日から見ると、ワシントンはつねにアメリカの統合のための求心力を
発揮し続けたように思われるが、それぞれに異なる13の植民地を結合し、
気風も考えも、利害も多様な人びとを一つの国民にまとめて連邦共和国を形成し、
ヨーロッパ諸帝国間の争いに振り回されず、生まれたばかりの国の安全と発展の
基礎を築くのは容易なことではなかった。


・大統領に就任してからは、腹心と頼むマディソンとハミルトンが鋭く対立し、
ワシントンの足元で、彼が望ましくないと嫌っていた党派の対立が、
政党政治の誕生を導いて行った。


・しかし、それだけに、アメリカ建国の物語は波瀾に富み、政治史として、
また政治思想史として興味深く、その中でワシントンの存在が際立つのである。



・ワシントンは、ヴァジニアの奥地を測量し、目を西方に向け、
大農園の経営を通じて指導者としての資質を磨いた。
フランクリンは、フィラデルフィア、ロンドン、パリで活躍した都会人であり、
ワシントンと同じく大学教育は受けてなかったが、独学で当時の最高のレベルの教養人となり、
自然科学者としても高い尊敬を受けるに至った。
ジョン・アダムスを歯ぎしりさせるほどのヨーロッパ的洗練さを身につけ、
著作においては皮肉とユーモアを巧みに用いて、
アメリカ文学史から落とすことのできない存在であり続けている。


・ワシントンが亡くなってすぐに、墓の傍でワシントンの名誉を讃える儀式を行った団体は、
フリーメイソンだった。
18世紀のアメリカではフリーメイソンの活動が活発で、支部の数も増え、
社会の上層の人びとで会員になる者が多かった。
会員だったベンジャミン・フランクリンは、フリーメイソンの大いなる秘密は、
何も秘密を持っていないことだという警句を吐いていた。


・ワシントンがアメリカ国民に残した遺産は、成文憲法を持つ連邦共和国であり、
その理念は「自由」「平等」そして「ナショナル・ユニオン」だった。


・これまで見てきたように、ワシントンのリーダーシップのみで革命を達成されたわけではない。
「建国の父たち」の範囲をどう考えるにせよ、ハミルトン、ジェファソン、マディソン、
ジョン・アダムズを始めとして、その後のアメリカ史にも見られないほどに傑出した人材が、
一斉に輩出して、時に互いに対立しながらも、大事業を成就させたのである。


※コメント
アメリカの歴史は浅いといわれ、あまりアメリカ史に目を向けてこなかったが、
ドラマチックでおもしろい。
もちろん建国という大事業においてはキレイごとだけではなく、ドロドロしたところもあっただろう。
そういう面もふくめて勉強になる。
なお諜報業界では、ワシントンは、スパイ使いの上手さに定評があり、その尊敬を集めている。


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◆岡崎久彦『情報戦略のすべて』を読み解く




◆岡崎久彦『情報戦略のすべて』を読み解く


※要旨


・私は戦略論を論じてきたが、煎じ詰めればそれは情報論である。

何か問題があって解決しようと思ったとき、問題点が全て見えて、
整理されていれば、それを解決する方策は、おのずから道筋が見えてくる。
それが私の戦略論だ。



・情報の処理は、まず収集、ついで整理分析、最後に伝達で終わる。

真っ先に申し上げたいことは、情報事務の基本は、
公開情報の分析能力にあるということ。




・情勢判断において、専門家の意見を尊重すべし。
専門家というのは、特定の地域なら地域について、土地勘もあり、
入手可能なあらゆる事実と過去の経緯を知っている人たちである。


・土地勘のある専門家というのは貴重なもの。
一つの国について入手できるあらゆる刊行物を読み、
過去数年の出来事の日誌が頭に入っていると、おのずから、
情勢の流れの中に目に見えない筋が見えてくるもの。


このことは専門家だけでなく、情報事務の管理者にとっても同じで、
部下の作った要領だけに頼ることなく、なるべく多くの原典を読んで、
その紙背に徹することが大切。



・文化革命を予言し、ソ連のチェコ侵入を予言したヴィクター・ゾルザは、
決して秘密の情報は読まず、共産圏の公開資料を1日9時間読んでいました。
ですから旅行すると失われた時間を取り戻すのが大変だと言って、
ほとんど旅行もせず、今までに本を1冊も書いていない。


・国際情勢は「一寸先は闇」ということを何時も忘れないこと。



・歴史的ビジョンを持て。
国際政治の原則には千古不易のものがあるという
しっかりとした歴史観を持っていることが必要だ。
「人間が人間であり、国家が国家である以上」孫子やマキャベリの言った真理は、
現在でも適用される。


・各情報機構のセクショナリズムに捉われない、
真に国家的な観点から取り上げられ、分析された情報こそが、
政策判断に必要な情報である。

要は情報の多様化を認める寛大さ、柔軟さと、
情報機関の間におけるフェア・プレイの精神を確立すること。




※コメント
大局観や歴史観は、情報マンにとって欠かせない。
現在におけるビジネスや社内外の関係において、歴史の教訓は応用できる。
ビジネスにおける根回し、調整、後方支援は、
偉人たちのうまいやり方を真似できる。


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◆岡部伸『「諜報の神様」と呼ばれた男、小野寺信の流儀』を読み解く



◆岡部伸『「諜報の神様」と呼ばれた男、小野寺信の流儀』を読み解く


※要旨


・小野寺信(おのでら・まこと)は、
大戦を通してスウェーデンの首都ストックホルム駐在、陸軍武官である。
彼はソ連通であり、各国の駐在武官を歴任。
ソ連に侵略されたポーランドやバルト三国の情報士官たちとの情報交換により、
精度の高い情報を入手した。
特に「ドイツ降伏後の3ヶ月以内のソ連による対日参戦という、ヤルタ密約」
などの最高レベルの情報を得ている。


・インテリジェンスの世界では互いの情報を交換することが基本だ。
現代においても2013年にアルジェリアで発生したイスラム過激派による、
人質事件などのように他国の情報機関との情報交換は重要で、
世界各国の情報機関は常に情報のキャッチボールを行っている。


・諜報の神様、ヒューミントの達人。
「枢軸国側諜報網の機関長」と連合国側から恐れられた、
「インテリジェンス・ジェネラル」小野寺信は、なぜ欧州の地で価値ある情報を入手できたのだろうか。


・それは小野寺が人種や国籍、年齢、宗教などを越えて、
あらゆる人たちと誠実な人間関係を結んでいたことと無縁ではない。
とりわけソ連の侵略で祖国を奪われたポーランドやバルト三国の情報士官たちと、
信念と友情で結んだ「情けのつながり」はまことに強固だった。


・小野寺の「情(なさけ)」に報いるように、心を許した小国の情報士官たちから、
貴重な機密情報が届けられた。
とりわけ祖国を占領され、ロンドンに亡命したポーランドは、
全欧州に広がる諜報ネットワークを駆使して、
組織をあげて日本の小野寺に機密情報を提供した。


・小野寺の足跡を辿っていくと、本来、諜報とは国家のために尽くす愛国心から行うもので、
人と人とのつながりの産物であることがわかる。


・ヒューミントだけではない。
小野寺は、すでに公刊されている新聞や雑誌などの公開情報をもとに行間を読み解き、
秘密情報を探り当てるオシント(オープン・ソース・インテリジェンス)も活用していた。


・小野寺は商社マンたちを嘱託として、ストックホルム陸軍武官室に配属させ、
連合軍の戦力情報を分析した。
小野寺の下で公刊資料より技術情報の収集を行った三井物産の和久田弘一が、
アメリカが原爆生産を実施しているらしいヒントをつかんだことが特筆される。
小野寺は、ドイツから得た情報と重ね合わせて、アメリカが原爆を開発・製造していたことを、
ほぼ掴んでいたようだ。


・第二次大戦中にストックホルムで小野寺が行ったインテリジェンスの極意を本書で探ることは、
かつて国際基準でも高い水準にあった陸軍のインテリジェンスのDNAを呼び覚ますことにもつながる。
本書が、小野寺のような語学力、学識、人間力を併せ持った世界で通用する、
インテリジェンス・オフィサーを養成して、日本版CIAを創設する上で、
示唆となることを願ってやまない。


・小野寺は1897年に岩手県に生まれる。
13歳で仙台幼年学校に入学、ドイツ語を学ぶ。
1920年、シベリア出兵にともない、少尉・小隊長として1年間ニコライエフスクに駐在した。
比較的時間に余裕があったため、現地ロシア人からロシア語を学んだ。


・ロシア語の教師は、旅団司令部のタイピストの姉妹だった。
1年間の勉強で新聞が読め、文章が書けるようになった。
何よりも耳から口へのオーラルのロシア語だったため、上達が早かった。
このときのロシア語習得が、彼を情報畑へと導くきっかけだったと小野田は述懐している。


・1925年、陸軍大学校にドイツ語で受験し合格すると、
ロシア語を学んだことを隠し、ロシア語を第一語学として学ぶ班に応募した。
ここでロシア人教官から3年間、学び、ロシア語クラスで頭角を現し、
陸軍随一の対ロシア・インテリジェンス・オフィサーに飛躍する契機となる。


・1933年、36歳のとき、ロシア語のブラッシュアップのため、ハルビン駐在を命ぜられる。
革命後、ハルビンに亡命した白系ロシア人の一般家庭にホームステイし、
ロシア語はもちろん、ロシア人の生活様式、文化が皮膚感覚で分かるようになった。


・ドイツ語とロシア語を習得した訓練経験は、欧州での現地言語をマスターする上で役立った。
スウェーデン駐在時も、およそ半年でスウェーデン語の新聞記事の大部分が理解できた。
特殊言語の現地紙が理解できることはインテリジェンスの世界では大きい。


・中立国の首都だったストックホルムで小野寺は、
スウェーデンの新聞はじめ中立国ゆえ入手できた連合国の米英の新聞、雑誌を毎日丹念にチェック。
独ソ戦で意外にもドイツが苦戦している状況などをオシントでいち早く入手している。


・陸大を首席で卒業した小野寺は、1930年、千葉の歩兵学校へ研究部主事兼教官として転任。
学問好きな上司の指示で、ソ連軍の戦術・戦略・戦法・編制を研究し、
毎月その報告を雑誌でまとめた。
またドイツ語の専門書を読むことも上司から下命された。
それによって、「陸軍第一の赤軍通」となった。


・小野寺の最大の情報提供者で生涯の友となるのが、
ポーランド人・情報士官リビコフスキーだ。
小野寺がリビコフスキーに魅力を感じたことの一つに、彼の高いインテリジェンス能力があった。
小野寺は、あるとき彼に、
「対ソ戦に備えて北満で機械化大兵団を運用する戦術レポートを書いてほしい」
と依頼。
2週間で見事な戦術構想を書き上げた。
あまりにも素晴らしいので小野寺は、東京の参謀本部に参考資料として送った。


・資料の入手先を尋ねたところ、
「ストックホルムで入手し得る、あらゆる市販の新聞、雑誌から集めた」
という。
公開情報を活用して独自の戦術構想を練り上げたリビコフスキーの諜報能力に、
小野寺は「これは大物だ」と舌を巻いた。


・見返りを求めず友人として金銭支援して時間をかけて良好な人間関係を築いたことが、
思わぬ成果を生んだ。
バルトの小国エストニアの情報士官たちと築いた信頼関係は強固だった。
友情と協調によって得た情報は、小野寺の最大の武器となった。
彼はこういっている。
「エストニアのリガ時代に結ばれた絆は、ストックホルムでどんなに役立ったかわからない。
奇縁といおうか幸運といおうか。
この人たちが確実な情報を提供してくれたからこそ、
中央に反抗しても、意見具申することができた」


・知られざる日本とポーランド秘密諜報協力。
宿敵ソ連を東西から挟む両国は、互いの情報がきわめて有益だった。
とはいえ、両国の関係が打算や利害だけで成り立っていたわけではなかった。
インテリジェンスの根底にあるのは、「信頼」である。
心が通じない相手には、重要な情報を渡さない。
心の底から信頼してこそ、初めて本当の情報交換ができる。
日本とポーランドには、日露戦争以来、友情があった。
両国は互いに尊敬し合っていた。
これらの歴史的背景や杉原千畝の
ユダヤ系ポーランド人やユダヤ難民へのビザ発給により、
ポーランドは連合国側に属していたにもかかわらず、
裏で、日本の情報士官へ、日本に役立つ情報を提供しつづけた。


・繰り返しになるが、
小野寺が欧州でインテリジェンスの王道である人間的信頼関係を構築して、
協力者から秘密情報をとるヒューミントで成功したのは、
小国の情報士官たちと誠実な「情」のつながりを築いたからだったのだ。


※コメント
どんなことでも、最後は人間関係がモノをいう、ということを強く学んだ。
たとえどんな立場にいようとも、礼節と思いやりを忘れないようにしたいと思う。
ちなみにこの本は、情報量が豊富で、何回も読み返したいと思います。


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