◆ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』を読み解く
※要旨
・2008年のこと、
太陽王ルイ14世の財務総監コルベールの評伝を書き終えたばかりだった私は、
興味深い事実に気づいた。
コルベールは、上着のポケットに入れて持ち運べるよう、
金色に印字された小型の帳簿を作っていたのである。
・この習慣は1661年に始まっており、ルイ14世は年に2回、
自分の収入、資質、資産が記入された新しい帳簿を受け取った。
あれほどの絶対的地位にいる君主が王国の会計に興味を示したのは、初めてのことである。
・太陽王が自分の王国の決算をつねに把握するために帳簿を持ち歩いたのだとしたら、
これこそが近代的な政治と会計責任の始まりだったように見えた。
会計責任とは、他人の財貨の管理・運用を委託された者が、
その結果を報告・説明し、委託者の承認を得る責任を意味する。
しかし次に私は、太陽王のこの習慣がすぐに終わってしまったことを知って、
ショックを受けた。
・よい会計は悪いことが起きたときに真実を教えてくれるが、
ルイ14世は都合の悪いことは見て見ぬ振りをしたくなかったらしい。
・ルイ14世はやがて会計を遠ざける。
野放図な財政は民衆の恨みを買い、
国民の怒りに火がつき革命がおこる。
・権力者は会計士によって権力を把握し、
会計士を疎んじて権力を失う。
・リーマンショックは、
会計事務所が監査責任を果たさないことによって起こった。
・現代の会計事務所は、
企業コンサルと会計監査を兼務するという根本的矛盾があった。
・中国は会計責任を果たさない超大国。
そこに次の滅びの不安がある。
・権力とは財布を握っていることである。
・マルクスもアダム・スミスも、
資本主義の心臓部は複式簿記にあるとみていた。
・アテネも、古代ローマ帝国も現金の出入りを記入する単式簿記しかなく、
不正がはびこっていた。
・変動する資産の現在価値を現せる複式簿記は中世のイタリアで発明され、
イタリアの商業都市が興隆する。
※コメント
あらためて帳簿の大切さを悟った。
国家も会社も家庭も、帳簿をきちんと理解すべきだ。
トップは会計担当者にすべて任せるのではなく、大事なところは確認しよう。
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