『国際インテリジェンス最新事情』

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October 2015

◆真田幸光『アジア戦争も探る英国王室とハプスブルク家』を読み解く




◆真田幸光『アジア戦争も探る英国王室とハプスブルク家』を読み解く



※要旨


・アメリカは世界の水と食糧と原材料とエネルギーを押さえた。


・英国王室とハプスブルク家が、
大航海時代からの既得権益層の頂点に立っていると私は考える。
彼らの下に、その執事たるロスチャイルドやロックフェラーなどの
財閥や企業コンツェルンなどがおり、
それらが欧米諸国、特にアメリカと英国を通じて、
世界を支配していると考える。


・欧米諸国が世界を支配し始めるのは、大航海時代からです。
大航海時代を皮切りに、三角貿易や植民地経営、
そして帝国支配を通じて、
全世界から膨大な富をヨーロッパに集中させる。
その大航海時代の2大王家が、
英国王室と神聖ローマ帝国の王であるハプスブルク家だったわけです。


・2大王家のあと、表舞台で政治や経済を仕切ってきたのは、
ロスチャイルドやロックフェラー、
そしてもろもろの財閥とその手下の政治家たちだ。


・ロスチャイルドはハプスブルク家の資金と英国王室に近づくことで富を得る。
そして、その富で逆に欧州各国を動かしていく。
ロックフェラーは石油で財を成す一族だが、
エネルギー利権を巡って王家と結びつく。


・かれら執事は、欧米各国でロビー活動をし、
膨大な富と利権で政権を揺さぶり、
政策を実現してきた。
そして、自らが利益を上げうる世界のシステムを構築してきた。


・そして表舞台から姿を消した王家は、株や土地や債権、
資源や鉱山の利権、知的所有権など握り、
それらの権利を持つことで上がってくる上納金で悠々と暮らしている。
政治や経済の現場からは身を引き、
それは現場のものに任せている。
そのため、ひとつひとつの欧米諸国の政策や動きに
彼らはタッチしない。


・しかし、彼らが得るべき上納金がこなくなった時、
あるいは上納金が上がるシステムが壊れそうなとき、
彼らは全力で、そのシステムを守り、
あるいは新しいシステムを構築しようとする。
あらゆる手段を使い、それを実現させる。


・基軸通貨を握ることが世界を支配すること。


・戦争は壊して作ることができる。
スクラップ・アンド・ビルドだ。
スクラップすれば、そこに需要が生まれる。
実需=実体経済が発生する。




※コメント
いろいろとディープな情報満載で興味深い。
新聞には載らない裏情報があり、
視野が広がり、嬉しい。


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◆浅川智仁『勇気の言葉:幸福を引き寄せる100の叡智』を読み解く




◆浅川智仁『勇気の言葉:幸福を引き寄せる100の叡智』を読み解く



※要旨


・読書と映画が心を保ってくれた。


・夢見ることができるならば、
それはきっと叶えられる。
(ウォルト・ディズニー)


・面倒なことを地道にやり続けること。
それを何年も続けると、
それがそのまま参入障壁となる。
(後藤玄利)


・無知な者にとって老年は冬であるが、
学んだ者にとって老年は春である。
(タルムード)


・年を重ねることは知識が豊富になることであり、
一目置かれ、尊敬に値することだった。


・すべての学問は、人間交際のためにある。
(福澤諭吉)


・多くの人間がベストを尽くす。
極限まで努力する。
しかし、本当の努力は、
その極限からどこまで行けるかということなんだ。
(アイルトン・セナ)


・我々にとって最大の栄光は、
一度も失敗しなかったことではなく、
倒れるたびに必ず起き上がったことである。
(オリバー・ゴールドスミス)


・泥臭い作業や日課を積み重ねる中でチャンスは育まれていた。


・毎日をその日の収穫高で判断せず、
まいた種で判断しなさい。
(ロバート・ゴールドスミス)


・自分より身分の低い人に接する接し方に、
人の偉大さは現れる。
(トーマス・カーラル)


・状況がタフ(困難)になると、
タフ(強い)な者が道を切り開く。
(ケネディ家の家訓)


・神は細部に宿る。
(アビ・ヴァールブルク)


・2週間だけ人の話に耳を傾ければ、
2年間かけてみんなの気を引き、
ようやく得た友達よりも、
たくさんの人と友達になれる。
(デール・カーネギー)


・試練は年齢と共に高まる。
(ゲーテ)


・ある仕事ができるかと聞かれたら、
「もちろんできます」
と返事することだ。
それから懸命にそのやり方を見つけよ。
(セオドア・ルーズベルト)


・「利」より「義」を重んじ商いをせよ。
それを「士魂商才」という。
(福澤諭吉)


・私は大いに運を信じている。
そして懸命に働けば働くほど、
運が増すことを知っている。
(トマス・ジェファーソン)


・「酒の飲み方に人間性が出る」
と言われますが、とても真理をついていると私は思う。
20代初め、私はあるご縁から銀座の某クラブで
2ヶ月ほどアルバイトをした。


・そこでもっとも学べたことは、
いわゆる「カッコイイお酒の飲み方」
をじかに見ることができたこと。


・ひと言で表現するとそれは、
「場の空気を読み、場の空気を創る」飲み方でした。
テーブルを囲んでいる全員が楽しんでいるか。
会話にしっかりと参加できているか。
そういう気配り、心配りが、さり気なくされていた。


・お店側のスタッフである私に対しての心遣いも完璧で、
心憎いばかりでした。
興味深いことに、仕事ができ、
信頼を勝ち得ている人ほど、
そうした傾向が見えてきた。


・フィードバックが凡人を一流にする。
(ピーター・ドラッカー)



・人間の脳は「楽しもう」とした瞬間にドーパミンと
呼ばれる快感ホルモンが分泌され、
一気に脳が活性化し、潜在能力が発揮されやすい状態になる。


・劣等感がすべての英雄をつくる。
(リー・アイアコッカ)


・若さというものは人生における一定のステージではない。
あくまで精神だ。
(ロバート・ケネディ)


・私は何かに取り組む際に、
「根拠のない自信」をとても大切にしている。
なぜなら根拠のない自信とは、
全神経細胞による「ゴーサイン」だと私は捉えている。


・ロジックだけでは政治はできません。
生身の人間の感情が政治を動かすのです。
(マーガレット・サッチャー)


・腹が減ったら歌え。
傷ついたら笑え。
(タルムード)


・やせ我慢でも何でも構わない。
どんな状況でも、とにかく「笑う」こと。


・プロの作家とは、書くことをやめなかったアマチュアのこと。
(リチャード・バック)


・99の失敗の中に1つの成功がある。
(柳井正)


・今から20年後、
あなたはやったことよりも、
やらなかったことに失望する。
(マーク・トウェイン)


・人間の魂に一度火がつけば、
不可能は消えてなくなる。
(ジャン・フォンテーヌ)



※コメント
多くの言葉にヒットするものがあった。
これは人それぞれ違うだろう。
自分だけの名言集をつくってみたらいかがでしょうか。


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・一人起業家のために作ったオリジナルメソッド、
「ライフデザインプログラム」とは何か。

◆高橋洋一『日本郵政という大罪』を読み解く




◆高橋洋一『日本郵政という大罪』を読み解く




※要旨


・筆者は役人時代に郵政民営化の詳細設計図を書いた。
その郵政民営化のキモは、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社の
完全民営化によって民有・民営を行うことだった。


・ところが民主党は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式の一定割合を
実質的に政府が保有し続ける方向に転換した。
つまり完全民営化を改悪したのだ。
これは「官業への逆戻り」である。


・「日本郵政グループ3社の株は、やはり買いか?」
この質問に対し、かつて小泉政権下で「郵政民営化」の制度設計に携わり、
日本郵政グループの内実をよく知る筆者は、
即座に「ノー!」と答える。
なぜなら日本郵政グループ3社は、
投資対象としての魅力がゼロに等しいからだ。


・実はゆうちょ銀行は、「普通の銀行」ではないのである。
ゆうちょ銀行以外の「普通の銀行」は
どうやって利益の大半を稼ぎ出しているかというと、
企業や個人に対する貸し出し、すなわち融資業務である。
預金者から調達した資金を、
借りたいと考えている企業や家計に高い金利で貸し出すことにより、
支払利息と受取利息の差、つまり「利ざや」で収益を生み出している。


・では、ゆうちょ銀行のビジネスモデルは一体どうなっているのか。
それはある意味極めて明快で、
個人などから集めてきた資金の大半を国債で運用するという
単純な構造になっている。
だが、このビジネスモデルでは、
そもそも大きな収益を期待することはできない。


・では、政府が日本郵政の株式をすべて売却し、
日本郵政が完全な民間企業になったとしたらどうだろうか。
政府保証という一種の呪縛から解放されたゆうちょ銀行は、
金融市場という名の大海原に胸を張って漕ぎ出すことができるようになる。


・もし融資業務に参入できるようになったとしても、
ゆうちょ銀行の前に待ち構えているのは、凄まじき荒波だ。
なぜなら、ゆうちょ銀行が参入したがっている融資業務には、
信用審査や債権管理で極めて高度なスキルと知見が必要になるからだ。


・信用審査及び債権管理のスキルとノウハウは、
そう簡単には確立できない。
長期にわたる実績の積み重ねによって構築される、
情報と信頼の集積が必要になるからだ。
それを担える人材の育成と組織体制の確立には、
少なくとも10〜20年はかかると思ったほうがいい。


・郵政民営化の実現に筆者が一役買ったことは事実だが、
その最大の立役者といえば、やはり竹中平蔵氏である。
もちろん小泉首相を除外すればの話だ。


・なぜ竹中氏は筆者に白羽の矢を立てたのか。
もちろん、かねてからの友人ということもあっただろうが、
何より筆者が郵政3事業に精通していたからに他ならない。
それまで郵政事業について徹底的に調べ、
「ミルク補給」はもとより、おおよその問題点は把握していた。


・竹中氏から、
「多くの学者や専門家にヒアリングしたが、
かつて財投改革を担当した高橋君ほど
郵政3事業について詳しい人間はいなかった。
郵便事業や簡易保険などの一分野に精通している人はいるが、
郵政全体をバランスよく知っている人はいない。
高橋君が適任だから、頼むよ。
世界に通用する民営化案をつくってくれ」
と言われ、筆者は引き受けることにしたのである。


・暗中模索から始まった設計図づくりであった。


・郵政のシステム問題への対策で、
竹中氏から再び白羽の矢を立てられたのは筆者である。
筆者は普段はプログラミングなどとは疎遠の一介の官僚にしては、
かなりシステムに詳しいほうだった。
なぜなら以前、財務省の「ALM(資産・負債総合管理)システム」
をほぼ一人で組み上げた経験があったからである。


・もともと筆者は数学科の出身で、
コンピュータ言語やプログラムにはほかの人より慣れ親しんできたし、
実際に、コンピュータ言語を駆使してプログラムを組んだ経験が幾度もあった。


・結局のところ、システムはプログラムの塊である。
そしてプログラムとは、
この本を構成している一つひとつの文章のようなものだ。
言葉さえ知っていれば、とりあえず本を読むことはできるし、
細かいところまでは理解できなくても、
エッセンスは理解することができる。


・筆者はたいていのコンピュータ言語を知っていたし、
コンピュータシステムである以上は、
郵政のシステムも基本的な構成は同じだろうと考え直し、
まずは概要の把握から始めることにし、
郵政公社へ乗り込んでいった。


・待ち構えていたのは、数十人におよぶシステムエンジニアたちである。
彼らはもちろん、外部のシステムベンダーのエンジニアだ。
幸いにして、筆者はプログラム言語を読むことができた。
当然のことながら、システムなどについて議論をするとき、
プログラム言語がわかっているかどうかは決定的な差となってくる。


・プロジェクトマネジメントで超筋肉質のシステムに。
筆者らが構築しようとしていた郵政のシステムは、
当面は必要がないと思われるパーツを徹底的にそぎ落とした、
「暫定システム」である。
それで大丈夫なのか、と思われるかもしれないが、
そもそも論でいえば、世の中に存在するすべてのコンピュータシステムは、
どれも暫定的なシステムだ。
完璧なシステムなど、世界のどこを見渡しても一つとして存在しない。


・システムというシンプルな置き土産。
官公庁が採用している大規模システムは、
どうしても「過剰スペック」になりがちである。
筆者が手がける前まで、郵政のシステムも同様だった。
なぜそうなるかといえば、
システムを発注して実際に使用する側の官僚が、素人だからである。


・郵政民営化を実現した原動力が何かといえば、
やはり筆頭に挙げられるのは、小泉純一郎首相の「情熱」である。
今あらためて振り返ってみても、
小泉首相は本当に凄い人だった。
筆者が特に驚かされたのは、小泉首相の政治感覚である。
「直感力」と言い換えてもいいかもしれない。


・小泉首相は、竹中氏経由で筆者の「郵政民営化必然論」を聞き、
「これは使える!」とピンと来たのだと思う。
おそらく、自身の政治感覚と筆者の理論がピタリと符合したのだろう。
その証拠に、筆者の説明に異論を唱えたことは一度もなかった。


・ここが政治の面白いところで、
小泉首相は小泉首相で、筆者とはまったく別の政治的意図で
郵政民営化論を主張していた。
そこへタイミング良く、筆者のような人間が登場したわけだ。
小泉首相の郵政民営化にかける情熱には凄まじいものがあり、
執務室でさまざまな報告を行っていた際、
郵政民営化に話題が及ぶと、とたんに目の色が変わったことをよく覚えている。


・縁というのは本当に不思議なもので、
類い稀なるリーダーシップと決断力、
行動力を兼ね備えた小泉首相という人物の持論がたまたま郵政民営化で、
その担当大臣に任命された竹中氏は、
抜群の吸収力と国民へのプレゼンテーション能力を持った人物だった。
その竹中氏の友人である筆者が、
偶然にも郵政民営化の理論的裏付けとなる論文をまとめていた。


・事実を丹念に追えば自ずと「真実」が見えてくる。


・筆者が思うマスコミの最大の問題点は、
自分で一次情報やデータをあたって調べられないことだ。
なぜ調べられないかといえば、単に調べる能力がないからである。
たとえば、政府の予算書は数千ページの分量に及ぶ。
それに目を通すのがイヤだから、
代わりに記者たちは財務省のレクチャーを受け、
官僚が「マスコミ用」にまとめた資料を丸呑みして、
記事を作成したり報道番組を制作したりするのだ。


・官僚は「頭がいい」から仕事ができない。
役人時代にある仕事を担当していたとき、
当然のことながら役人を部下につけてもらったことがある。
この役人というのが、信じがたいほど仕事ができない人物だった。
筆者が指示した仕事を何一つまともにこなせないので、
最終的に「連絡係」に徹してもらった。
この役人だけでなく、筆者にいわせれば、
基本的に、役人はおしなべて仕事ができないのだ。


・なぜ役人は仕事ができないのか。
それは「頭がいい」からである。
なぜ「頭がいい」と仕事ができないのか。
それは「御託を並べるのが得意」だからである。


・何をするにしても、役人はまず御託から入る。
口ばかり動かして、手を動かそうとしない。
しかも、トライする前から「できない」と口にしがちだ。
できる理由を見つけることはやらないが、
できない理由を見つけるのは得意中の得意なのである。


・急を要する仕事であっても、
御託ばかり並べて手をつけようとしない。
彼らと仕事をしているとき、筆者は、
「四の五の言っている間に、さっさと始めてくれればいいのにな」
とウンザリすることが多々あった。




※コメント
政治の裏舞台がいろいろ見れて面白い。
また高橋氏の文章は、シンプルである。
さすが数学科出身といえる。


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◆土佐茂生『安倍政権の裏の顔:攻防・集団的自衛権ドキュメント』を読み解く




◆土佐茂生『安倍政権の裏の顔:攻防・集団的自衛権ドキュメント』を読み解く



※要旨


・2001年初夏。
元駐タイ大使の岡崎久彦は、
安全保障研究の第一人者である佐瀬昌盛の自宅に電話した。
佐瀬は『集団的自衛権』(PHP新書)を出版したばかりだった。



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岡崎は電話で佐瀬にこう伝える。
「この本は最高の教科書だ。これで政治家を教育しよう」

その後、2人は作戦を練るために会った。
佐瀬は尋ねた。
「どうやって政治家を教育するんだ」

岡崎は、
「各個撃破だ。一人一人教育していこう」

「誰からやるんだ?」
佐瀬の問いに岡崎は、まだ衆院当選3回に過ぎなかった若手議員の名を即答した。

「安倍晋三だ。あれはぶれない」



・「悪代官」と「越後屋」。
2014年3月、公明党との交渉役を務める自民党副総裁の高村正彦は、
前副総裁の大島理森の部屋にいた。
「注意深い楽観主義者」と自称する高村は、
公明党代表の山口那津男も副代表の北側一雄も説得できると踏んでいた。
2人とも自分と同じ弁護士で、安全保障政策にも理解がある。


・しかし、「情」も使って公明党の警戒心を解かなければとも感じていた。
高村が狙いを定めたのが、
公明党国会対策委員長の漆原良夫だった。
信望が厚い漆原が納得すれば、
他の議員も分かってくれるはず、という読みだった。


・漆原と、自民党で最も絆が深いのが大島理森だ。
2人は第一次安倍、福田、麻生の3つの政権で、
国対委員長だった。
当時は衆参で与野党逆転の「ねじれ国会」。
国会運営の方策を練る2人の間を縮めた。


・そして、親密さと容姿から、大島を「悪代官」、
新潟出身の漆原を「越後屋」と、
それぞれが呼び合う仲に。
「おねしも悪よのう」
国会運営の方策を思いつくと、
大島が漆原に冗談を飛ばすこともあった。


・高村は大島に懇願した。
「あなたには人に寄り添う能力がある。
集団的自衛権の問題で何かあったら、漆原との仲を頼みたい」

大島は、
「分かりました。公明党の考え方を率直に聞いておきますよ」
と引き受けた。


・動き出した寝業師。
「集団的自衛権の難しい話は分からないが、
もし自公の交渉が暗礁に乗り上げたら、メシでもセットしますから」

大島は、公明党の北側に電話して、
北側に加え、漆原、井上義久との会合をセットした。
高村も「私も行くよ」
と言ったが、大島は、
「まあ、最初は私が率直に公明党の意見を聴いてきますよ」
と制した。


・大島も、井上と同様に少人数での協議の必要性を感じていた。
首相の安倍晋三は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定について、
2014年6月に会期末を迎える通常国会中の憲法解釈の変更を
期限と考えていた。


・大島は、国会の法案審議など運営を切り盛りする国会対策委員長を
計4年も務めてきた経験から、
「この問題は中身ではなく、スケジュールや人選など進め方が大事だ。
大人数で議論してもまとまらない」
と読んでいたのだ。
大島は頭の中に日程を描きながら、
高村と北側の仲を取り持つ重要な会合を2014年3月25日にセットした。


・人情派が模索する「落としどころ」。
砂川判決をめぐり、自民党副総裁の高村正彦と、
公明党副代表の北側一雄がマスコミを通じて牽制し合っていた時だった。
「越後屋」こと、公明党国会対策委員長の漆原良夫は、
議論の行く末を案じていた。


・この状況を打開しなければ。
漆原の足が向かったのは、
盟友で「悪代官」と呼ぶ自民党の前副総裁・大島理森のもとだった。


・漆原は、自身と大島、そして、
自民党前総務会長代行の二階俊博の3人を「絶滅危惧種」と呼んでいた。
エリート議員にありがちな、
政策の論理的な是非ばかりに議論が集中してしまうのではなく、
「人情」を通じて互いの落としどころを探っていく。
相手の立場を考え、時に主張を曲げることもいとわない。
そんな古いタイプの政治家がずいぶんと減ってしまった。
ただ、この集団的自衛権をめぐる交渉では、
「絶滅危惧種」の出番はまだ残っているとも思っていた。


・2014年3月下旬。
大島と漆原は、衆院議員会館9階の漆原の部屋で話し合った。
空中戦の現状を憂える気持ちを漆原は吐露した。
大島は、
「うるちゃんの考えは分かった。
いま言ったことを紙にまとめてくれんかのう」
と提案した。

「私の考え」
漆原は自身がまとめたA4判一枚の紙に、
こうタイトルをつけて、大島に手渡した。
この紙を受け取った大島は、
高村に渡した後、官邸にも届けた。
以降、砂川判決をめぐる議論は徐々に沈静化していき、
具体的事例をめぐる議論に移っていった。


・前代未聞の厳秘ファイル。
集団的自衛権の行使を認める閣議決定で、
議論の推進役を果したのは、国家安全保障局だ。
安倍が創設した「国家安全保障会議(日本版NSC)」の事務局である。
閣議決定を裏で主導した「5人組」のメンバーで、
政府側の理論武装を担った兼原信克、高見沢将林の両副官房長官補は、
国家安全保障局次長を兼務する。
ただ、その動きは秘密主義で、情報漏れに細心の注意を払っていた。


・集団的自衛権の行使容認という、
戦後の安全保障政策の大転換は、
国家安全保障局による徹底した秘密主義のもと、
政治家と官僚の「5人組」によって水面下で決められた。




※コメント
本書は、集団的自衛権行使反対の立場であるが、
どのようにこの政治決断がなされたか、
詳細に取材しており面白い。
やはり大きな課題を解決するには、
プロセスやスケジュールが大事になってくる。


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◆大下英治『内閣官房長官秘録』を読み解く




◆大下英治『内閣官房長官秘録』を読み解く


※要旨


・菅義偉は、大学卒業後、
大物議員である小此木彦三郎の秘書を11年間やった。


・秘書時代の菅は、どんなに難しい陳情でも諦めることなく一生懸命にやった。
何足も靴を履き潰して歩き回った。


・菅は秘書を辞めたその日から、
ひとりで横浜市西区の家々を一軒一軒まわり始めた。
一日200軒、横浜市議の選挙までに3万軒をまわり、
6足の靴をダメにした。


・衆議院議員になった菅は、梶山静六の総裁選、
加藤の乱の2つの政局を体験し、政治家として鍛えられたという。
多くの自民党の政治家が、
口だけで実際に決断せずに、
派閥の言うことに唯々諾々と従うさまを見ていた。


・小泉内閣で総務副大臣になった菅は、
竹中平蔵総務大臣の要望を受けて、
複雑な総務省内部の把握や国会対策などに尽力した。
竹中は、菅を非常に頼りにした。


・菅官房長官の利点は、
「余計なことを言わない」ところにある。
なにより発言に無駄がない。
官房長官の元には霞ヶ関の各役所からさまざまな情報が集まる。
菅はすべてを知っていながら、ここ一番で抑える術を知っている。
呑み込んでいながら、全部吐き出すわけではない。
菅の緩急のつけ方には絶妙な感覚が見て取れる。


・官房長官の一日。
菅義偉官房長官の朝は早い。
朝5時過ぎに起きて、1時間かけて新聞各紙に目を通し、
6時半からのNHKニュースを見る。
重要項目のテロップを見て、世の中の流れ、
問題を再認識し、毎日の午前と午後の記者会見に備える。


・朝7時過ぎには、政治家、役所、経済界、マスコミ、
金融などの専門家と朝食をともにして、
生の声を聞くことから1日がスタートする。
また議員会館で20〜30分間、
地元の対応や日程を整理してから官邸に入る。


・夕方、官邸での仕事が終われば、
夜の会合に最低2ヶ所、日によっては3ヶ所、顔を出す。
菅は酒を飲まないが、酒の席はまったく苦にならない。


・番記者から見た菅は、
「記者を大事にする政治家」といわれる。
赤坂の議員宿舎での夜回りの間は政治家も記者もたったままだ。
ある番記者はいう。
「菅さんの発言には正直言って、中身が伴わないこともある。
録音したテープを起こしてみたら、
内容が濃くないこともある。
ただ、嫌な顔はせずに毎日話してくれる。
メモを作って上司に上げたとき、
『あ、こいつは仕事してきたな』
と思わせるくらいのことはしゃべってくれる」


・番記者は、こうも話している。
「菅さんは真昼間、珈琲とお茶で腹を割って話せる。
これは政治家としての武器だ。
永田町には酒を酌み交わしながら信頼関係をつくる文化がある。
菅さんにはこれが当てはまらない。
朝食だろうが、昼食だろうが、酒席だろうが、関係ない。
菅さんにとっては朝がもうすでに夜なんだろう」


・菅には際立った特徴がある。
「人の話をたくさん聞く」ことだ。
財官学各界の専門家の話に耳を傾ける。
朝食や昼食、酒席といった場でじっくりとだ。
名前のある権威ある有識者ばかりではない。
番記者の友人でもある若手ビジネスパーソンと会うことも厭わない。


・彼はこれだけ多くの専門的な知見に触れながら、
素人感覚を持ち続けている。
永田町では古くから「自称政策通」こそが得意分野をきっかけにつまずいてきた。
菅は恐らくこのことに気付いている。
ある分野にどれだけ詳しくなっても、
決して「俺は知っている」という顔はしない。


・愚直なまでにその道の専門家、当事者の話を聞く。
空気感を見る。
世論調査の数字もバカにせず、詳細に検討する。
その上で判断、決断に至る。
菅はこうした作業を意図的に積み重ねている。
「政治勘」を鈍らせないための努力を常に怠らない。


・「霞ヶ関の全省庁には、本音で話せる官僚がそれぞれいる」
菅はときどきそう口にしている。
それらの役人とは頻繁に接触を繰り返しているようだ。
番記者が知っているのは「鉄道通」としての横顔だ。


・「総理と官房長官は一日一回は会わないとうまくいかない」
菅はそう公言している。


・菅官房長官は、経済財政諮問会議や産業競争力会議のなかでは、
それほど発言はしないという。
だか、その代わり、
うまい仕上げができるように必ずどこかで動いていることが多い。
官僚とも多くの太いパイプを持ちながら、
しっかり手綱を握っている。



※コメント
政治の最高実力者の一人が官房長官だ。
その人の仕事力により、その役職はパワーアップできる。
まさに政治は人事である。


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◆はづき虹映『運命の波にのる魔法のクセ』を読み解く



◆はづき虹映『運命の波にのる魔法のクセ』を読み解く


※要旨


・ある教育関係の専門家の方は、こうおっしゃっていた。

「一日に一度でも家族全員がそろって食卓につき、
笑顔で話をしながら食事を食べることが、
子供にとって最高の教育で、それさえ出来ていれば、
あとは何の心配もいりません」


・確かにそうかもしれません。
その食卓で子供たちは、家族という温かい安心のエネルギーを
食べているのでしょう。


・何を食べるのかよりも、誰と食べるのかのほうが、
エネルギー的にみれば、より重要です。


・同席する相手と打ち解けたり、仲良くしたいのなら、
やはり美味しい「スイーツ」なのです。


・私が考える「瞑想」とは、
「本当の自分、内なる自分と向き合い、つながるために、
静かな一人の時間を持つこと」
に他ならない。


・無意識にボーっとするのではなく、
意識的に一人でボーっとするのです。
そのとき、雑念が出てくれば、その雑念を無理に消そうとしたりせず、
ただボーっと眺めます。
また、フッと浮かんだアイデアや思い出したことがあれば、
メモを残しておき、誰かの顔や名前が出てきたら、
出来るだけすぐその人とコンタクトを取ってみてください。
それがあなたの直感力を磨くための、
最適のエクササイズにもなると思います。


・成功者の習慣として、必ず出てくるのが、
この寄付するという習慣です。


・「喜びと共に分かち合う」
「大好きな人やお店、企業を応援する」
「感謝と共に気持ちよく差し出す」
この3つが私の考える、「お金が喜ぶ使い方」であり、
新しい寄付の作法です。


・私たちは自分で親を選んで生まれてきます。
「あなたの子供として、生まれたい」
と希望して来たのは、まぎれもなく子供の側です。
「覚えがない」だけで、子どもが親を選び、
子供になることを決めているのです。


・「お母さん、お父さん、ありがとうございます」
を一人でつぶやくだけでもOKです。
それを習慣にするだけでも、
確実にあなたの人生は変化することになるでしょう。
「両親に感謝する」という行為は、
それほどパワフルな、まさに「魔法の習慣」なのです。


・人生を創造する道具は3つ。
「想い、言葉、行動」。


・「あなたの習慣が、あなたの人生を創っている」
という言葉は真実です。


・本書のポイントは、習慣の中身自体にあるのではなく、
その順番や構成、編集方法などにある。


・私は21世紀に必要な能力は、
「独創性」や「オリジナリティ」ではなく、
「編集力」や「コーディネート力」だと思っている。
知恵や情報、スキルやテクノロジーはもう十分だ。
これからの時代は「組み合わせ」である。
そのセンスがこれからの時代に最も求められるスキルである。


・新しい習慣を定着させるには、
「ひとつ」に絞るのではなく、
「下手な鉄砲、数打てば当たる」方式を採用してください。
習慣にはやはり、向き・不向きがあるので、
最初から全部を完璧に身につけようとするのではなく、
いろいろ試してみた上で、続けられそうなものを使ってみてください。


・「履き物をそろえる」ための目的、モチベーションは、
「自分をほめるため」。
「こんなことをする私って、なんて、いいヤツなんだろう」
と自画自賛、自己陶酔するために、
「はきものをそろえる」のです。


・さらに、より自分をホメやすくするため、
「人知れずやること」と、
「自分のもの以外の履き物をそろえること」
にトライしてみましょう。


・魔法の習慣は、「メモする」こと。
成功者は、ほとんどがメモ魔である。


・メモはメモすること自体に意味がある。
メモをした時点で、その情報のインプットも、
アウトプットも完了している。


・文字を書くという行為は、
現実的な形を作るための基礎、設計図になる。


・「手をあたためるだけで、人は他人に優しくなれる」。
病気や傷ついている人を看病することを「手当て」という。
手当ては、ヒーリングにつながる。


・他人に温かく接したいと思うのなら、
まず自分を温かくすること。


・「トイレ掃除をする」のは、「金運アップのためにやる」。
確かにトイレがキレイなお店は間違いなく、
繁盛しているお店です。
トイレの状態を見れば、
そのお店の経営状態がわかるというのは、
コンサルタントの間のセオリーである。
そうじを徹底することで、
お店の経営状況は確実に上向く。


・「神社にいく」のは、
あなたが「本当のあなた」と対面する場に他ならない。


・神社でのお賽銭は、「ポチ袋」を用意して、
「御礼」「御玉串」「神恩感謝」など書き、
自分のフルネームを書き添える。
それをポチ袋に入れて、
お賽銭箱にそっとすべらすようにする。


・「ヒラメキ」とは、「なんとなくの感じ」。
ポイントは、「ヒラメキを裁かないこと」。


・「元にもどす」。
私はホテルに泊まり、部屋を出るとき、
できるだけ「元にもどす」ということを心がけている。
あるホテル関係者の方から聞いた話によると、
安いホテルほど、宿泊者がチェックアウトした後の部屋が散らかっているそうです。
逆に高級なホテルになればなるほど、
キレイに片付いているそうです。


・「タダだから、全部もらっちゃえ」とか、
「お金を払っているんだから、汚しても当然」
というメンタリティでいる限り、
残念ながら、本当に豊かになることも、
成功することもできません。
本当に幸せで成功している人ほど、
見えないところできちんとしているものです。
それは「すべてがエネルギーで成り立っている」
と知っているからです。


・「本を読む真の目的」とは、
何かの情報を得るためではなく、
自分の中に在る「答え」を引き出すためである。


・あなたのお財布の状態が、
あなたの経済状態の象徴である。


・断食を経験してみると、
わかること、気づくことがたくさんある。
「空腹こそ、最高の調味料」
食材や調理者に対する感謝の気持ちも自然に湧いてくる。
「もったいない」という言葉の意味も実感することができる。


・まず最初は「あいさつをする」こと。


・人生はすべて、人と人が出会うことから始まる。
運命とは、人との出会いによって、
「運ばれていく私の命」という意味。
「運命」を決めるのは、人との出会いであり、
その人との出会いの最初の扉が、
「あいさつ」に他ならない。


・ハワイのヒーリングメソッドは、
たった4つの言葉を唱え続けるだけで、
あらゆる問題が自然に解決されていくという画期的な技法。
「ホ・オポノポノ」と呼ばれるハワイに古くから伝わるこの技法は、
「ごめんなさい」
「ありがとう」
「許してください」
「愛しています」
という言葉を繰り返し唱えるだけという
極めてシンプルなもの。


・誰かのために、謝るのではない。
自分のために、謝るのである。
自分を癒し、自分のネガティブな部分を受け入れるための
「魔法の言葉」が、「ごめんなさい」であり、
「許してください」なのだと、思います。


・「手書きハガキ」には、あなたの波動が染み込みます。
ハガキを書くときのポイントは、
相手のことを「ほめる」「感謝する」「敬う」の3点である。


・成功者と呼ばれる人は、筆まめです。
わたしの人脈構築術は、手書きハガキだけである。
なにはともあれ、とにかく書いてみることが大切です。


・コミュニケーションとは、話すと聴くこと。


・スイーツを分かち合う。
昔から、「甘いもの」「お菓子」「スイーツ」には、
「天使が舞い降りる」といわれている。
「甘いもの」を食べて、リラックスすることはとても大切な習慣です。



※コメント
シンプルだが、強力なメソッドである。
繰り返し読んで、何度も復習したい。
一生大切にしたい習慣である。


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◆伊奈久喜『外交プロに学ぶ修羅場の交渉術』を読み解く




◆伊奈久喜『外交プロに学ぶ修羅場の交渉術』を読み解く


※要旨


・優れた外交官は、武器となる言葉、表現を数多く持っている。
ストレートに自分の考えを表現したり、
相手を攻撃したりするだけでは交渉は進まない。
時には真綿で首を絞めるような表現を使うこともある。


・適切な言葉を使い、危機にあっても動じない。
そんな外交官のようなビジネスパーソンがたくさんいたら、
その組織は強力なはずです。


・どんな優秀な人でも、すべての分野に精通し、
すべての情報を把握しているわけではない。
それでも、国の重要なニュースに対して、
とりあえず反応しなければならない時に、
危機管理上の「決まり文句」があります。
その決まり文句とは、
「まだ発表文の全文を見ていないので、全文を見てからお答えしたい」
である。


・交渉者の「揺れ」は細部に宿る。
外交分野に限らず、そして政治家に限らず、
重要な判断をしなければならない人の心は微妙に揺れる。
そして、意識的にせよ、無意識にせよ、
その揺れが発言や行動の中に表現されることがある。


・たった「一文字」が命とり。
しかし、会談や話し合いなどの交渉の場では、
「言葉」が武器に代わります。
ビジネスマンにとっての真剣勝負の場もまた、
交渉や会議やプレゼンテーションなどでしょう。
この真剣勝負における最大の武器もまた、
言葉であることは言うまでもありません。
合意形成のための会議や交渉などは、
結局、議論する人の全人格・全教養が問われているのです。


・外交官は「もの書き」のプロ。
つまり、外交とは、文書を作るための交渉であり、
そういう仕事をするのが外交官である。


・外交官や民間外交員は、いずれも「交際」「交渉」を生業とする。
そして、その結果を契約書という文書にまとめる。
交渉するには言葉が必要ですし、
文書にまとめるにも言葉がいる。
たくさんの語彙を持って交渉し、文書にまとめる。
つまり、交渉の本質は言葉や文を操ることにある。


・文書をまとめる作業に優れているのは、
超大国アメリカではなく、英国の外交官だと言われている。
半ば冗談だが、
「英国人は米国人よりも英語がうまい」かららしい。
別の言い方をすれば、
英国外交には伝統、蓄積の強さがあるということ。
その中に外交交渉の場における言葉遣いの上手さがある。


・世界は密約にあふれている。


・接触時間の長さと「以心伝心」。
密約に限らず、外交でもビジネスでも重要なのは人間同士の信頼を築けるかどうか。
これは私が生業としている記者の取材活動でも同じ。
うまくいけば「夜討ち朝駆け」で仲良くなれる。


・深く貴重な情報を自然に教えてくれるような、
以心伝心の関係を作るには、裏ワザはない。
地道に長い接触時間を持つというのが重要なのだ。


・記者たちが「夜討ち朝駆け」をするのも、
その場で何か具体的なニュースを取るというよりは、
ともかく接触時間を長くするため。


・外交官同士が食事の場で話し合うことが多いのも、
まとまった時間がとれ、
ワインも飲めば本音に近い話ができるから。


・優れた外交官には、たとえ話が上手な人が多い。


・対話チャンネルは常に開けておく。


・交渉にあたっては、たくさんのカードを用意しておくこと。
そして何でも交渉の材料にすること。


・「前さばき」の上手さと政治家の手腕。
「その場をしのぐ」という手腕が、
政治や交渉の場では重要な場合が多い。
霞ヶ関では、こうしたその場をしのぐ知恵に長けた人を
「前さばきがうまい」などと言う。


・かつて「参院のドン」と言われた政治家が自民党にいた。
この人は決して政策の勉強をしなかったそうだ。
なまじ勉強して自分に判断力が備わってしまうと、
利害の調整がうまくできないと考えたからだ。
ここまで割り切れば立派なものだ。


・またある大物政治家は、公言こそしないが周辺に、
「政策は権力をとるための手段」
と漏らしているそうだ。



※コメント
やはり修羅場に学ぶべきところは多い。
しかも難問を抱える外交では、交渉について学べる。
外交交渉について、いろいろ研究したい。


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◆宮家邦彦『日本の敵:よみがえる民族主義に備えよ』を読み解く




◆宮家邦彦『日本の敵:よみがえる民族主義に備えよ』を読み解く



※要旨


・アメリカ国防総省に、ネットアセスメント室(ONA)という部局がある。
つい最近までその室長は、2015年で94歳になる、
米国随一の戦略思考家アンドリュー・マーシャルだった。
マーシャルは1973年以来足かけ43年間、
米国の脅威となり得る外国との戦略的対立・競争の長期的趨勢につき、
軍事に限らず、総合的な視点から正確な分析・評価を
歴代の国防長官に提供してきた。


・ネットアセスメント(総合戦略評価)を世に知らしめたのは、
冷戦時代のソ連の経済力に関する評価だ。
当時CIAは一貫してソ連の経済力を過大評価していた。
逆に、マーシャルは早くから統計学、経済学などを駆使して、
ソ連経済の脆弱性を主張し続けた。
彼の分析の正確さは1991年のソ連崩壊により証明された。


・冷戦終了後、マーシャルの関心は中国に移っていく。
彼は人民解放軍の軍事的評価だけでなく、
「孫子の兵法」から中国経済、
社会や人口の動向にまで調査対象を広げた。


・現代中国という巨大な政治・軍事・経済・歴史・社会的存在の
長期的趨勢の評価など軍事分析だけでは到底不十分だ。
今日の中国には歴史、地政、経済、更には人口、統計などの
専門知識を駆使しその趨勢を戦略的、総合的に評価する、
マーシャル流の総合戦略評価が不可欠だと筆者は確信している。


・本書で筆者が一貫して模索しているのは、
日本がいかにして来るべき困難な時代を生き残るのか、
ということだ。
それにはまず、己の「敵」が何であるかを知らなくてはならない。
「生き残りにおいて最も大切なのは、
常に「勝ち組に残る」「勝ち馬に乗る」ことだ。
状況判断を誤ることは、国家の「死」に直結する。
日本はサバイバルに向けた戦略を正しく組み立て、
それを実行しなければならない。


・最近の欧州・ロシア関係を示す最重要キーワードは、
ずばり「民族主義の復活」だ。


・ドイツは、大きな犠牲を払ってでも、
ユーロを守らなければならない。
その理由はユーロが本質的に政治的通貨であるからだ。
同様に、EUもその本質は経済的合理性に基づく共同体ではなく、
政治的連帯である。


・国防総省のヨーダ。
ネットアセスメント室は、日本では総合評価局などと訳されているが、
室長以下室員はせいぜい数十名だから局というほどの規模ではない。
同室の初代にして事実上の最後の室長が、アンドリュー・マーシャルだ。


・マーシャルはニクソン政権からオバマ政権まで党派を超えて、
歴代政権に仕え、一貫して敵対国との軍事的対立・競争の長期的趨勢につき、
正確な分析と評価を提供し続けてきた。
他方、彼は表舞台や手柄を嫌悪し、
めったに人前に姿を現さなかった。


・だからだろうか、日本のマスコミなどでマーシャルは、
「伝説の軍略家」「伝説の戦略家」「伝説の老軍師」
などと呼ばれている。
アメリカではSF映画『スター・ウォーズ』のヨーダになぞらえ、
「国防総省のヨーダ」と呼ぶ向きもあるそうだ。
実際、マーシャルの薫陶を受けた弟子は、
40数年間で90人ほどいるという。


・その弟子の中で、マーシャルと最も長くアジアを研究したのが、
わが友アンドリュー・クレピネビッチだ。


・ネットアセスメント(NA)とは何か。


1.マーシャルにとってNAとは、
米国とそのライバルが有する武器システム、軍隊、作戦の方針・実践、
訓練、兵站、兵器の設計・取得、資源分配、
戦略および兵力の効果の現状と将来の予測を注意深く比較することであった。


2.NAの究極の目的は、
発生する遥か前から諸問題と戦略的好機があることを指摘し、
上級指導者にそれら問題と好機を極小化・活用するための
決断を下す十分な時間を与えることだ。


3.NAの本質は早期に正しい予測をたて、
必要な準備を行う余裕を作ることだ。


4.NA式戦争とは、敵性国家に耐え難い人的・財政的コストを強いて、
最終的に勝利することだ。


5.NAには情報・軍事官僚の常識と戦いつつ、
過ちを素直に認める知的度量が必要である。


6.NAの第一歩は「正しい推論」ではなく、
その時点で得られる最高の頭脳に「正しい質問」を投げかけることだ。
枝葉末節ではなく、本質に関わる質問こそが正しい質問である。


7.NAに王道はない。
NAには最高の頭脳集団がその優れた直観を駆使して、
真実に迫るという気が遠くなるほどの知的エネルギーが必要だ。



・まず驚くことに、マーシャルがネットアセスメントと呼んだ、
分析手法は「学問」ではないらしい。
そこには標準的なモデルや数式どころか、
確立した方法論すら一切存在しない。
そもそもネットアセスメント学入門といった教科書など、
元からないらしいのだ。


・スイスの常備軍を構成する職業軍人は4,000人程度しかいない。
しかし徴兵制度により非常時に予備役を含め、
25万人の兵力が動員される。
これらの予備役兵士は、平時でも諜報活動から武器メンテナンスまで、
スイス防衛のすべての軍事活動に従事している。
このような国家に攻め入るためには相当の覚悟が必要だろう。
これこそスイスの真の国力なのだ。


・潜在的脅威国を十分抑止する軍事的「能力」がなくとも、
自国防衛の強烈な「意志」がある限り、その国は安泰である。


・中国の行動は予測不能であるとしばしば指摘される。
しかし、そもそも国家や組織とは必ずしも合理的判断を下すとは限らない、
というのが43年間、さまざまなパワーゲームを観察・分析し続けてきた、
マーシャルの結論であることを忘れてはならない。


・「戦略的曖昧さ」が合意に長寿を保証する。
外交上の了解や合意には一定の「曖昧さ」が付き物であり、
特に重要なものについては「戦略的曖昧さ」が必要となる。
こうした「戦略的曖昧さ」こそが合意や了解に生命を与え、
その長寿を保証する重要な要素だ。


・広大な領土、豊富な資源、3億を超える人口だけでは超大国は生まれない。
米国の強さの源は自由競争と恒常的な移民流入による新移民の「知的爆発」、
というのが筆者の見立てである。


・「キリスト教的理想主義」と「経済的物質主義」の対立こそ、
その後の独立戦争、南北戦争、更には公民権運動を通じて、
一貫して見られるこの国の人々の二重精神構造の本質であった。


・国家戦略を策定するには中長期的将来を見通す洞察力が必要だ。
そのような能力は一朝一夕では決して生まれない。


・対中国ネットアセスメントの目的は中国と戦うことではない。
その究極的目的は、武力ではなく知力によって、
中国側に耐え難いコストと負担を強いることにより、
中国の政策変更を導くことだ。


・中国に関する「正しい質問」とは、
1.中国政府・中国共産党の長期的目標は何か、
2.中国経済は人民解放軍の軍拡を支えることができるのか、
の2点に集約される。
いずれにせよ、
日本に残された時間は決して多くはない。


・ナポレオン軍はロシア遠征で成功すればするほど
武器、弾薬が尽き弱体化していった。
国家安全保障の基本は地政学と戦略論であり、
そうした政策立案の前提となるのが、
ネットアセスメントであることに、
クレピネビッチの本を読んでようやく気づいた。


・日本の最大の敵は自分自身。
「保守」を「進化」させれば、日本は必ず生き延びる。




※コメント
宮家さんの長年の外交経験から導き出される分析は良い。
経験と学習の融合は最強だ。
繰り返し読んで、研究したい。


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◆榊原英資『財務官僚の仕事力』を読み解く




◆榊原英資『財務官僚の仕事力』を読み解く



※要旨


・各省庁の予算編成権は、財務省の力の源泉となっている。
予算は最終的に閣議で決定され、
国会の承認を得なければならないが、
基本的には「財務省原案」がそのまま国家予算として成立する。
それは主計局の幹部が担当大臣や与野党の主要な政治家に十分な根回しをして、
原案の段階で実質的な承認を得ているからだ。


・厳しい予算折衝・査定に向けて、
主計局の主計官(課長級)や主査たちは、
担当省庁の業務内容について猛勉強せざるを得ない。
相対する担当者は、役職が上のキャリア官僚であり、
その道のプロフェッショナルだ。
そんな相手でありながら議論で言い負かされるわけにはいかない。


・主計局や主税局ではノンキャリアに予算や税の専門家が多く、
彼らとうまく組まないとキャリアの仕事ははかどらない。


・筆者の同期で主税局長、事務次官になった薄井信明も主税局時代、
ベテランのノンキャリアを非常に大切にしていた。
主計局には「七夕会」というノンキャリアの集まりがあり、
折に触れて夕食会などを催していた。
キャリア官僚たちはその会に酒を贈るなどして、
相当気を使っていた。


・中央省庁において大臣はいわば象徴的存在。
実質的なリーダーは事務次官や局長など。
しかし、それを表に出しては具合が悪いので、
大臣がすべてを理解して仕切っているように、
対外的に見せる官僚独特のノウハウが必要になる。


・そこで「ワル」の出番となるわけだ。
もっとも、悪意を込めた「ワル」ではなく、
ある種の敬意を込めた「ワル」だ。
丁寧に大臣に報告しつつ、一方では新聞記者らに根回しする。
大臣を立て、さも大臣が仕事をしたように世間に報道してもらう。


・黒子に徹して根回し。
大蔵省スキャンダルを機に「ワル」という言葉が
あまり使われなくなったが。
しかし官僚が黒子に徹して大臣を立てるという仕事の原則は、
当然のこととして今でも守られている。


・官僚は必要に応じて、さまざまな情報を大臣や有力議員に流して根回しする。
この根回しが目的達成の重要な鍵を握る。
大臣だけでなく、政権与党の役員、
特に重要な意思決定に携わる党三役(幹事長、政務調査会長、総務会長)
に対する根回しも重要だ。


・様々な場数を踏んでいるエース級の財務官僚だからこそ、
首相秘書官や大臣秘書官というデリケートな役回りを
うまくこなすことができる。


・こうした財務官僚の秘書官たちが、
財務本省と密接に連絡をとり合うことが、
財務行政を切り盛りしていく大きな助けとなる。




※コメント
財務省の経験者が語る官僚の仕事力は面白い。
さまざまな分野において、応用がきく。
今後も彼らの事情について調査したい。


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◆小松正之『劣勢を逆転する交渉力』を読み解く



◆小松正之『劣勢を逆転する交渉力』を読み解く


小松氏の米欧豪の反捕鯨包囲網に挑み続けた13年の記録。
国際会議の現場で培ったノウハウを全公開。



※要旨


・私は20年も長きにわたり国際交渉のただ中にあって、
その前線で仕事をしてきた。
多くの上司に恵まれてきた。
1985年から、私はアメリカとの日米漁業交渉の担当になった。
水産庁長官や水産庁次長といった当時の百戦錬磨の諸先輩方の交渉ぶりを見たり、
同席したりして、
私は国際交渉のやり方を実地に身につけた。


・日々の仕事の中で、
私は国際交渉の基本から国内折衝のしかたまでを学んだ。
英語での交渉のやり方はもちろん、
国内でも官邸や他省庁、水産業界との折衝や対話を通じて、
どのように自分の考えを出し、省庁として、
国としての方針をまとめ上げるのか、
そのためのリーダーシップを誰がどのように発揮したのかを目の当たりにした。


・ローマでの仕事を終えて帰国した私は、
1991年から捕鯨交渉に携わることになった。
「クジラを殺すな」という国際世論に押されて、
日本の捕鯨の火が今まさに消えようとしていたころである。


・ここでも多くの諸先輩方の指導を得た。
どこの交渉に行くにも、自分はその上司の交渉ぶりを見て学び、
また直接レクチャーを受けた。
何ものにも代えがたい貴重な体験だった。


・私の時代には、OJTが機能していた。
私は外国政府関係者とメディアから「タフ・ネゴシエイター」といわれた。
それは戦後の混乱期から水産庁で受け継がれてきた交渉人の系譜が、
そうさせたのであった。
一緒に、「切った張った」の修羅場をくぐり抜けてきた先輩たちの姿を
この目に焼き付けてきたからである。


・私が携わってきたのは、農林水産関係という限られた分野であったが、
20年もの間、国際交渉の前線で仕事をしてきた。
その過程で、真の交渉力とは何か、
リーダーシップとは何かをいろいろな局面で考えさせられ、
実地に体験してきた。


・交渉の目的は合意ではない。


・捕鯨は文化であり、伝統である。


・交渉相手の批判は「宝の山」である。
批判されてこそ次の手が見えてくる。


・批判に応え、さらなる批判を封じ込める。
相手の批判に真面目に応えるだけで、
相手にダメージを与えられる。


・誰よりも早く発言して議論を引っ張る。


・議長になって会議を仕切る。
誰に話を聞くかで流れが変わる。


・日本人スタッフの地位向上をはかる。
分担金の大きさと比べて圧倒的に少ない日本人職員。


・国際交渉の表舞台が会議であるとすれば、
それを支えるのは事務局のスタッフである。
国連機関の職員は、みずから情報を収集分析するとともに、
会議の運営を側面からサポートしている。
そこに日本人が多くいれば、当然日本の影響力は高くなる。
各国もそれがわかっているから、
自国の人間を事務局に送り込もうと、
あの手この手を使ってくる。


・同じ話を何度もされるとプレッシャーになる。
私がどうやって日本人スタッフの地位向上をはかったかというと、
特別なことは何もしていない。
そのスタッフの上司のところへ行って、四方山話をする。
そして、日本人スタッフの評価を聞いて、
昇格の検討を要請する。


・特別なことはいらない、ただ続けるだけ。
こういうことは、続けることに意味がある。
大事なのは、その案件をつねに相手に意識させることだ。
そのために、定期的に会いに行くのである。


・私の交渉術というのは術と呼ぶほどのものではなく、
当たり前のことを当たり前にやること、
淡々とやり続けること。
それに尽きるのではないかと思う。


・交渉は会議の前からはじまっている。
会議資料の作り方と事前の根回し。
交渉の成否は事前準備にかかっている。


・資料づくりのコツは、
一つは簡潔にまとめること。
もう一つは相手の目線に合わせること、である。


・事前の対話を通じて味方を増やす。
会議に至るまでの準備期間でどれだけ濃密なコミュニケーションができたか、
それによってその国の投票行動が決まるといっても過言ではない。


・交渉力はどれだけ場数を踏んだかで決まる。


・こちらが出さなければ相手の情報が使われる。


・大事なのは、淡々と事実を提供するという姿勢を貫くことだ。
事実をありのままに提供すれば、
こちらの意図を曲解されることなく、
一般の国民に伝達してもらえる可能性が高い。
要するに、特別なことは何もしていないが、
原理原則にのっとって幅広くやるから、
仕事量が膨大になる。





※コメント
激しい漁業交渉での貴重なノウハウを公開していただき嬉しい。
これは交渉を仕事とするすべての人と、
日本人の多くに読んでもらいたい。
日本のサバイバルのために。


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◆『李登輝総統から直接学ぶ台湾ツアー』ご紹介。
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