スパイは当然、大臣秘書官に金を渡して、情報を獲得しなければならないときがある。
そんな時、登場するのが機密費。
表に出ない金だけに、私物化しようと思えば、できる。
そんなことしたら、自分の仕事に身が入らなくなり、身を滅ぼすのは当たり前。
ついついタバコを買うのに、機密費に手を出していたら、やがて私的にどんどん使ってしまうのが人間だ。
それを防ぐにはお小遣帳をつけるのが一番。
自分の中でも気持ちよく仕事に打ち込める。
日露戦争時、帝政ロシアに潜入して、レーニンに内乱を起こさせた明石元二郎。
彼は今で換算して100億円ぐらいの機密費を預けられて、それを工作資金に使い、ロシアの降伏を早めさせた。
これは一人で一個師団の働きをしたと評価された。
彼は帳簿にすべて用途を書いて、領収書をつけて、お釣りとともに提出したという。
彼のような高潔な人が今の日本にどれだけいようか。