賢者は歴史に学ぶ、と言われる。
これはスパイにも言えることだ。
スパイは影の仕事とはいえ、ときには要人のパーティーに潜入して、教養ある会話をしなければならないからだ。
スパイ最高峰映画『007』で有名な英国情報部。
ここにリクルートされる人材はオックスフォード大学やケンブリッジ大学などの上流階級の多い名門大学出身者が多い。
現に映画の中のMI6(実際はSIS)責任者もオックスフォード出身だ。
彼らは大学で何を学んでいるのだろうか。
そう『歴史』を徹底的に勉強している。
もともとイギリス人の歴史好きは有名である。
各大学に歴史学部という形でひとつの学部があるくらいだ。
戦いは兵士だけではできない。
情報とロジスティクスを軽視して勝った将軍は聞いたことがない。
彼らは、大学時代、歴史を学ぶことにより、情報戦略の大切さをいやおうなく身につけて、情報部に胸を張って入るのだ。