●韓国情報機関トップの国家情報院長に金成浩を内定


韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権は、情報機関トップの国家情報院長に金成浩(キム・ソンホ)を内定した。
2008年2月28日、大統領府が発表した。
金氏は慶尚南道生まれ。
ソウル地検部長、司法研修院副院長など歴任。
盧武鉉政権で法相を務めていたが、大統領に反発して辞任していた。


国家情報院は韓国の情報機関。
国家安全保障に係わる情報・保安及び犯罪捜査などに関する事務を担当するために大統領直属で設置された機関。
韓国中央情報部 (KCIA) が改称した「国家安全企画部」が金大中政権下の1999年に改編された。
国情院と略称される。

院長の下に第1次長(海外分野)・第2次長(国内分野)・第3次長(北朝鮮分野)で構成される。




●情報の世界は「人で始まり、人で終わる」

佐藤優・コウヨンチョル『国家情報戦略』(講談社+α新書)の紹介。



難しいインテリジェンスのことを分かりやすく対談形式で書かれたものだ。
インテリジェンスの基本知識が得られる本である。
国家情報院長に金成浩氏が内定された繋がりで元韓国情報将校のコウ・ヨンチョル氏と佐藤優氏の対談本を紹介したい。


『国家情報戦略』のポイント

・情報の世界は「人で始まり、人で終わる」

・韓国・国家情報院の強みは、ヒューミント

・日露戦争時、工作活動で活躍した明石元二郎は、ロシア語、ドイツ語、フランス語を使いこなした

・暗記力、記憶力がスパイには欠かせない能力

・ビジネス情報が国家情報につながる

・ベトナム戦争の開戦を3ヶ月前に予測した瀬島龍三の言葉

「私がベトナム戦争発生をいち早く予測できたのは、特別な情報源からではない。
その情報の出所は、大部分、国内外の新聞記事だ。
一つの目的を持って新聞記事を読むと、高い水準の情報判断が生まれる」

・ルース・ベネディクト『菊と刀』は今でも対日インテリジェンスの古典

・北朝鮮にはモスクワやパリへの留学組らの欧米で洗練された国際感覚を持ち合わせたエリートが存在する

・日本の商社はCIAを上回る情報力を持っている

※コメント

人間からの情報収集を疎かにしてはならないと感じた。
相手と高度な情報交換できるには、自分も情報を持っていないといけない。
元・自衛隊幹部の志方俊之は、アメリカとの情報交換において、こう述べている。
「こちらが1つの情報をあげるとアメリカは10個の情報をくれた。
しかし、昔は1個の情報もあげられなくて苦労した」と。
情報は、ギブアンドテイクが基本だと思う。




※編集後記

昨日、友人の新聞記者と新橋でベルギービールを飲んだ。
そこで話してくれたことだが、記者というのは会社にいたら怒られるそうだ。
常に取材先に行き、話を聞くことが何より重要であると。
ネタを貰えなくても、通うことが大切なのだ。
そして、夜はいろんな人と酒を飲む。
これがスクープを取る秘訣だそうだ。


「国際インテリジェンス機密ファイル」のメルマガ登録はこちら↓
http://www.mag2.com/m/0000258752.html