●本物のインテリジェンスの英雄はシャーロック・ホームズであって、ジェームス・ボンドではない



元防衛庁情報本部長・太田文雄氏が書いた『情報と国家戦略』は情報マンの格好のテキストである。


『情報と国家戦略』の要旨


・秘密保全は信頼関係の基本

・情報は融合させるから全体像がつかめる

・断片情報、別のセンサーからの情報、公開情報を融合させてビック・ピクチャーを描くこと

・情報マンは歴史を学べ

・「おや?」と思う注意力、「なぜか」と思う探求心は情報マンの資質

・トム・クランシーの小説は軍事常識を身につける最良のテキスト

・情報を志すものは英語が必須

・情報は人脈から得られる

・貴重な情報は、信頼関係にある人から入ってくる
(よく知っている人、仲の良い人、同窓生)

・国防総省・統合参謀本部へは本来、情報要求という書面でリクエストを出さなければいけない
しかし、米国防大学の同級生がたくさんいたため電話1本で貴重な情報が入手できた

・色々な人と仲良くしておくことが大事
パーティーなどの社交の機会も貴重

・元アメリカ国防情報局長官・ウイルソン退役陸軍中将の言葉
「インテリジェンスの90%は公開情報から得られる。
残りの10%の秘密活動の方がより劇的であるが、本物のインテリジェンスの英雄はシャーロック・ホームズであって、ジェームス・ボンドではない」


※コメント

太田氏は、アメリカの軍部との付き合いが長く、その経験から出る話は実践的で面白い。
彼が言うように、自分でいくら調べても分からないことが、電話一本で聞いて明確に分かることがある。
損得の無い人間関係を大事にしたい。