外務省元主任分析官・佐藤優氏の新刊がでた。

対談本で書名は『情報力〜情報戦を勝ち抜く知の技法〜』(イースト・プレス)である。

対談相手は毎日新聞編集委員で北朝鮮問題のスペシャリストである鈴木琢磨氏。

この本は、北朝鮮を題材にしながら、情報収集・分析のノウハウを知る格好のテキストである。

国際情報ハンター・佐藤優氏の切れ味のある話が面白い。



※『情報力〜情報戦を勝ち抜く知の技法〜』の要旨は以下の通り。

・様々な文献を読み解いて、相手側が隠そうとする真実をつかむ手法を「文書諜報」(オシント)という

・北朝鮮による永田町情報の収集能力は高い

・外務省で最も重要で機敏に触れる情報が集まるのは課長

・会社の人事異動に紛れて社外秘が外部に漏れることがある

・人が動けば情報も動く

・文書を細かく読み込んでいけば、重要なモノサシがきちんと見つかる
→これはインテリジェンスの基本中の基本

・佐藤優氏が現役外交官だったときの話
→複数の情報大国の政府機関幹部が欲しがっていたのは、書籍や雑誌など公開情報をベースにした北朝鮮に関する日本のデータ

・日本の週刊誌の情報は玉石混淆であるが、恐ろしいほどディープな報道もある

・ひとつの地域の分析専門家になるためには、最低10年かかる

・ロシア、イギリス、イスラエルの北朝鮮専門分析官は20年、30年もずっとウォッチし続けている

・イギリスの情報機関は、イギリス連邦の国々と分業して情報を取っている

・北朝鮮の小説は情報の宝庫

・モンゴルは機密情報の入手や裏取りのために重要な役割を果たすことができる

・モンゴルは北朝鮮に公館を置いており、北朝鮮もモンゴルを重視している

・朝青龍一族は公安組織の人たちで、大変なエリート一族
→情報のネットワークを持っている

・中東の某情報大国はモンゴルを非常に重視していて、北朝鮮に関する情報をモンゴルで取っている

・モンゴルの情報機関は、対中国情報の専門

・インテリジェンスとは、転がっている情報に「気づく力」

・外交官は歴史を学び、対象国について、知って、知って、知り抜かなければならない

・時代が新しくなればなるほど、一番オーソドックスな古典こそ読むべき

・世界最大の古書店街・神田神保町を歩くと情報を見つける感覚を鍛えられる

・本当に必要な人脈は5〜6人

・お金を払って得た情報は頭に残りやすい

・新聞は複数読んだほうがよい

・インテリジェンスのプロは新聞の影響力を侮らない




※編集後記

本のあとがきというものは意外に面白い。
著者の人間性、趣味、裏話などがざっくばらんに書かれているからだ。
佐藤優氏の著書『国家の謀略』のあとがきに、彼が活字の世界に入った経緯が記されていた。
ジャーナリストの歳川隆雄氏の招きがあったという。
歳川氏はニューズレター「インサイドライン」を発行しており、外務省にも購読者が多いようだ。
http://www.insideline.co.jp/order.html
私もお試し購読をしたが、そのディープな情報に大きな知的好奇心を揺さぶられた。
多くの本を読んでいると、このように点と線が結ばれる楽しさがある。




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