先日、有楽町の三省堂で、休職外務事務官・佐藤優氏の新刊を見つけた。
最近、本屋さんに行かなかったので、佐藤氏の本を見つけたときは嬉しかった。
彼の本は、本当にたくさん出る。
様々な雑誌に寄稿しているので、その連載が終わると出版に移る。
彼は1ヶ月に書き下ろしや対談を含めて、原稿用紙1000枚を生産することが可能だという。
凄まじい筆力である。
欧米のインテリジェンスオフィサーは、学者や作家、ジャーナリストになってもよい知性を持っていると聞く。
佐藤氏がまさにその一例であろう。


その佐藤優氏の新刊は『野蛮人のテーブルマナー〜「諜報的生活」の技術〜』講談社である。
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=215224X&x=B


以前に出した『野蛮人のテーブルマナー』の第2弾である。





●『野蛮人のテーブルマナー〜「諜報的生活」の技術〜』の注目すべきポイント



・戦前・戦中の日本は「オシント」(文書諜報)の分野で最先進国であった

・新聞にはその国の考えが現れている

・インテリジェンスの世界では「やられたらやり返せ」という原則が適用される

・動物は安心できる相手とならば一緒に餌を食べる

・意見交換するときも、極力、会食の機会を増やすことが大事

・余計な秘密は知らないほうがいい

・何でも知っていることがプロではない

・余計な秘密を知ってしまい、関係者になると、面倒に巻き込まれることがある

・調査も分析も国益を保全し増進する工作のために用いなければ意味がない

・情報収集の要諦は、相手にこちらの意図が知られないように、相手が隠している情報を入手すること

・ここが勝負というとき、最後は気合が重要になる

・「終わり」の時に重要なのは、トップの対応

・始めるときに、「終わり」について決めておく

・勤務中に呼び鈴が10回以上鳴っても電話を取らない会社、担当者が名前を名乗らないところは危ない状態にある

・エフライム・ハレヴィ氏(モサド元長官)とフセイン・ヨルダン国王は、個人的に強い信頼関係を持っていた

・1994年にイスラエルとヨルダンが平和条約を結んだことは、この二人の影響が大きい

・ハレヴィ氏は、両国が戦争状態にある時期から、密かにヨルダンの秘密情報部と接触していた
→そして、人脈を作り、いつしかフセイン国王から最も信頼される友人になっていた

・フセイン国王とハレヴィ氏の関係は、インテリジェンスの世界で伝説になっている





※分析メモ

「電話をなかなか取らない会社は危ない」というのは本質を突いている。
「電話」は重要であるにもかかわらず、疎かにされることがある。
よく教育が行き届いている組織は、電話を取るのも早いし、対応が非常に良い。
新人の頃は、電話を早く取ることを厳しくしつけられた。どこから電話がかかり、担当者に繋ぐことによって、どういう所と取引しているのが分かる。そして、社内の人々がどのような仕事をしているのかをすぐに理解できる。できる新人は、電話に出るのが早い。そして、電話の重要性を理解しているトップは、間違いなく仕事ができる人物だと思う。



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