『秘匿捜査〜警視庁公安部スパイハンターの344日〜』には衝撃を受けた。
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0206215189

現在の日本で、粛々と諜報戦が行われている事実を知る一冊である。
著者の竹内明氏は、民放放送局の記者である。
この本における取材力の高さ、精緻な文筆には感服である。

この本は、警視庁公安部のスパイハンターにスポットを当てて、描かれている。
日本におけるインテリジェンス機関の実情がよく取材されている。
そこまで書いていいのか!というくらい奥深く執筆され、関係者へのインタビューも充実している。
この本を出版していただいた竹内明氏に感謝の意を表したい。
なおこの本をかなり情報量が多いので今後何回かに分けて取り上げたい。




●『秘匿捜査〜警視庁公安部スパイハンターの344日〜』の注目すべきポイント(パート1)


・スパイであろうとスパイハンターであろうと、実に魅力的で愛するべき人物が多いのは皮肉なものである

・警視庁公安部外事第一課第四係は、ロシアのスパイを追っている

・日本の情報機関のひとつに内閣情報調査室がある

・「財団法人・世界政経調査会」は「内外の政治、経済、社会事情等の調査研究、資料収集」が主たる事業で、対外的には民間団体で内閣府の外郭団体

→実質的には内閣情報調査室と一体組織


・「ホシ」とは、内閣情報調査室傘下の「内閣衛星情報センター」のことを指す

→防衛省のみならず、外務省、警察庁が要員を派遣して衛星画像分析官の育成に力を入れているので、その分析能力は極めて高いという


・衛星情報センターは、防衛省のミリタリーインテイジェンス中心の組織だ

・ヒューミント(人的諜報)の世界では、古典的なフェイス・トゥ・フェイスによる人間関係構築は鉄則である

・内閣情報調査室のトップの内閣情報官は、警備公安警察、とりわけ外事部門の実力者である

・「外79○○」・・・上2桁の「79」は「在日ロシア連邦大使館」所有の外交官車両を示している

→麻布警察署に配属される警察官は、嫌というほど頭に叩き込まれる数字だ


・在日ロシア連邦大使館は、通称「狸穴」と呼ばれる

・首都を守る警視庁は全国の警察本部の中で唯一、独立した「公安部」をもっている

・警視庁公安部は、現在8つの課と機動捜査隊で構成されている

・筆頭課の「公安総務課」は日本共産党やカルト宗教など幅広い調査を担当するかである

→警察庁キャリアが課長席に座り、法令解釈や部内の人員調整なども担当する

→第一担当に「IS班」というチームがある

→IS班は、政界や官界、任侠の世界からマスコミまで幅広く情報源を開拓して遊軍的に情報収集活動するのが任務


・公安第一課は中核派や革労協といった極左暴力集団を担当、オウム逃亡犯の追跡も担当

・公安第二課は革マルや労働団体、公安第三課は右翼団体を担当

・公安第四課は資料収集やデータを管理する公安部の頭脳となる

・「公安機動捜査隊」はテロ事件の初動捜査を担当する

・カウンターインテリジェンス(防諜、防テロ)を担当するのが外事部門である

・対ロシアのカウンターエスピオナージ(防諜)を担当するのが「外事第一課」

・対北朝鮮、対中国を担当するのが「外事第二課」

・カウンターテロリズム(防テロ)を担当するのが「外事第三課」

以上




※分析メモ
日本の公安警察組織がどういうものになっているのか、外部のものにはなかなか分からない。
しかし、彼らが日々、各国の諜報部員と戦っているのは確かだ。
何年か前に「踊る大捜査線」という警察ドラマ、映画が流行っていた。
このドラマを見て、警察官になったという人は少なくない。
ちなみにかつて、「こち亀」を見て、警察官に憧れた私は、稀であろうか。
2009.3.20



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