阿尾博政・著『自衛隊秘密諜報機関〜青銅の戦士と呼ばれて〜』は、日本における戦後の秘密工作が描かれている貴重な資料だ。
2009年6月の発行書籍だ。
情報収集とは何かを教えてくれる画期的な一冊だ。
著者、阿尾博政氏は、陸上自衛隊幹部候補生学校を卒業後、レンジャー部隊、第一空挺団を経て、陸上自衛隊調査学校を出ている。
その後、国内外の工作活動に従事した。



■『自衛隊秘密諜報機関』の注目すべきポイント

・諜報機関で、自衛隊上層部に報告書を提出するのは、一つの諜報活動が完了するごとだった

・国家の秘密は書にあり

・その国の正規の出版物を良く整理し、比較研究すれば、国の動きは読み取れる

・どんな物事でも、短期間に要領よくとりまとめられる方法がある

・仕事でも勉強でも、まず1秒でも早く自分の心の中を調整すること

・何事にも急所があり、素早くそれを見つけ、その一点に集中すること

・秘密諜報部員の最大の武器は「いつも何かをしてあげたい」という心
→この心があるから、人は信じ、情報収集もうまくいく

・ある国が、新しい戦闘機をどこに配置したかという証拠を掴むことは、国防上、非常に重要な情報資料

・情報収集というのは、本当に地道な努力を積み重ねていく世界なのだ

以上


■阿尾博政・略歴 (あおひろまさ)

1930年、富山県に生まれる。
子供の頃から、氷見で、古武道を学ぶ。
大学在学中、「合同証券」大相場師・佐藤和三郎のもとで、「株屋」について修行。
場立、信用取引、調査、会計など証券会社の重要部門を3ヶ月交代で学ぶ。
元・共同通信記者の調査部長より、政治と経済の絡み、マスコミの利用の仕方や対応を教えられ、後の諜報員としての大きな財産になる。
中央大学卒業後、東南アジア親善協会の運動に携わる。
1955年、久留米の陸上自衛隊幹部候補生学校に入学。
富士学校レンジャー研究課程を修了後、習志野の第一空挺団に勤務。
その間、陸上自衛隊調査学校「対心理情報課程」に参加する。
1963年、陸上自衛隊幕僚監部第2部(諜報部門)に異動。
日米合同の諜報機関、通称「ムサシ機関」に勤務。
後に日本の自衛隊独自諜報機関「阿尾機関」として独立。
国内外のさまざまな工作活動に従事する。
1972年、日本と台湾の国交断絶を機に台湾に派遣され、日台の空路再開問題の解決などに尽力。
1982年、台湾国民党大陸工作会のメンバーとして中国での情報工作を開始する。1991年、非公式に、防衛庁を定年退職。
2000年、NPO法人「日台経済人の会」の理事長に就任、現在に至る。


※分析メモ
戦後に阿尾氏のような情報活動をしたという記録や書籍は少ない。
いまも、秘密裏に活動している人々がいるのだろう。
小生も彼らのように一生懸命、勉強して、一流の情報マンになりたい。
さあ、それではNHK大河ドラマ『天地人』を見るとしよう。

2009.06.13


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