◆ニール・ゲイブラー『創造の狂気:ウォルト・ディズニー』を読み解く


※要旨


・およそ「クリエイター」と呼ばれる人々は、自我が圧倒的に強く、
管理されることを極端に嫌うため、組織としてまとめることが難しい。
モメゴトは必ず起こるし、優秀なヤツは辞めていく。


・ウォルト・ディズニーが、クリエイターの組織化という難事業を長きにわたって、
成し遂げ得たことは、よく知られている。
ディズニー・プロダクションズでは、多くのトップ・クリエイターが、
自分の名前を出すことなく、ウォルトの名前の下で作品を発表することに甘んじていた。


・ウォルト・ディズニーのクリエイターとしての最大の業績を指摘しておきたいと思う。
それは「音楽と映像の融合」である。


・人々の記憶に残り続け、繰り返し鑑賞される映画は、音楽の優れた映画である。
『タラのテーマ』のない『風と共に去りぬ』や、『As time goes by』のない『カサブランカ』は、
ただの凡作に過ぎない。
映像芸術において、音楽と映像は間違いなく互角の領域である。
日本でそれに気づいている映像製作者はまだまだ少ないため、
製作過程でも、音楽付けはかなり軽視されている。


・本書を読み終えたなら、映画『メリー・ポピンズ』を再見されることをお勧めする。
この映画は、ウォルトが晩年、仕事の終わる金曜日に、シャーマン兄弟をたびたびオフィスに呼び寄せ、
兄弟に歌うように頼み、その歌を聴きながら窓辺で涙を流していたという『2ペンスを鳩に』の主旋律で始まる。
あの曲で泣くことは、ウォルトの人生とその作品を心から愛した者だけに許された特権である。


・建築評論家のピーター・ブレークは、
「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(フロリダ)を実地で学ばなければ、
建築科の学生を卒業させてはならない」とまで言い切る。


・「ウォルトは人付き合いが苦手だった」と、スタッフのキンボールは話している。
「彼はワーカホリックで、仕事が生活のすべてだ」


・ウォルトはスタッフに対して、テレビ番組制作において、クオリティにこだわるように指示した。
ディズニーの旧作漫画や映画を再放送しすぎると、
視聴者はこの番組を古い素材の寄せ集めと判断し、失望するだろう。
ディズニーのブランドに値するものでなければならない。


・ウォルトは、ディズニーランド建設に向けて、
「ディズニーランドをユニークでほかと異なるものにするためには、
ディテールにこだわらなければならない。細部を失えば、全てを失うことになる」と述べている。


・金に無頓着なウォルトが壮大なコングロマリットを構築できたのは、
兄ロイの経営的な協力があっただけではなく、トーキー映画、カラー映画、テレビ、
親子で楽しめるテーマパークなどと、ディズニーの将来を見据えた鋭い経営的直感に負うところが大きい。


※コメント
数多くの部下と衝突をかかえながら、ディズニーブランドを気づき上げたウォルト。
クリエイターとして、彼から学ぶことはたくさんある。
彼の壮大な発想力は、どこから来るのだろうか。
興味は尽きない。


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