◆森本敏『オスプレイの謎。その真実』を読み解く


森本氏は、第11代・防衛大臣。


※要旨


・2012年6月3日、藤村官房長官と野田総理より連絡があり、防衛大臣就任の要請を急に受けた。
まさに青天の霹靂だった。


・大臣になって業務上のブリーフィングを概ね受けた後、オスプレイ問題だけでなく、
日米同盟全体について当面する重要案件につき防衛大臣レベルの電話会談をしたほうが良いと考えた。
6月13日にパネッタ国防長官との電話会談を行った。


・パネッタ国防長官は老練の政治家であり、穏やかな口ぶりの中にも米国政府の方針と信念が貫かれていた。
侮りがたいが話し合える相手であるという強い印象を与える人物であった。


・野田総理は一度決心すると、それを変更するということをしない稀有な決断者であり、大変信頼が持てた。
野田総理のリーダーシップと決断によってオスプレイ問題はうまく処理できた。


・東アジアの安定にオスプレイは不可欠。
アジア太平洋は大半が海洋によって構成されている領域であり、
オスプレイの導入によって海兵隊や空軍・海軍の作戦能力は格段に向上する。


・アメリカ海軍の戦略概念は、グローバルな戦域における沿岸部の作戦目標や戦略中枢に対し、
海上からの作戦行動を可能にする態勢・能力・運用を維持確保し、その戦略目的を達成することである。


・海兵隊は創設以来、緒戦において最前線に投入され、強襲着上陸および戦略投射などによって、
決戦に備える役割を果たす戦力である。


・オスプレイと普天間の皮肉な一致。
米国がオスプレイを沖縄・普天間基地に配備されているCH−46Eと換装するという計画は、
海兵隊のグローバルなオスプレイ配備計画の一環として進めようとしてきたものだ。
オスプレイを配備する基地が普天間基地問題と辺野古沖代替施設・建設問題で、
17年間も混乱を繰り返してきた普天間基地そのものであったことは皮肉な一致であった。


・何よりも、沖縄が辺野古代替施設を受け入れてくれる必要がある。
そのためには、手続きとして沖縄県知事、名護市長、および関連議会が辺野古代替施設に対し、
容認の立場をとってくれることが求められる。
政府の努力はとくに、沖縄県知事から辺野古代替施設のための埋め立て工事申請に対し、
了承・許可する旨の回答を得られるようにするための政治的・経済的環境づくりを行うことに集中した。


※コメント
元・防衛大臣の本として、いろいろなことが解説されて面白い。
どうしても内部の人じゃなければ分からない物事の見方がある。
そういったものを分析していきたい。


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