◆家村和幸『なぜ戦争は起きるのか』を読み解く


※要旨


・世界の歴史は戦争史である。


・大和民族の民族性は、「和の精神」「衛生観念」「誠実さ、真面目さ」
「優しさ、平等さ」「勤勉さ、秩序性」などである。


・雨が多く、湿度も高い日本では、季節によりカビが発生しやすい。
一方で純粋な飲料水に恵まれた大和民族は、大陸の民族に比べて菌に対する抵抗力が低く、下痢や腹痛を起こしやすい。
こうしたことから自然のうちに衛生観念が発達し、食事前や用便後の手洗い、毎日の入浴、
屋内外の清掃や整理整頓といった清潔を重んじる習慣が身についている。


・日本が世界に誇るべき武士道精神の原点は、今から900年前に大江匡房卿により書かれた、
日本最古の兵法書『闘戦経』にある。
『闘戦経』は『孫子』と表裏をなす「純日本の兵法書」である。


・『孫子』は優れた戦いの理論書であり、古くから日本の武将の用兵思想や統帥に多大な影響を与えてきた。
しかし古代シナの兵法書だけでは、日本人本来の精神的な崇高さや美徳を損なうおそれがあった。
そこでこれを補うため、日本古来の精神的な価値観に根ざした『闘戦経』が生み出された。


・『闘戦経』によれば、武人は智と勇を兼ね備え、誠心に富み、軍隊は「真鋭」でなければならず、
「剛毅」の精神こそが日本人に戦う知恵と勇気を与える。


・大江家では代々、「抑止」と「対処」が常に表裏の関係にあるという原理原則からも、
『孫子』と『闘戦経』を表裏で学ぶことが重要だと伝えられてきたのである。


・武士道では、
「武士は常にその魂を直霊にしておかねばならない」
と説く。
武士には、義に死するという栄誉だけがあって、不義に生きるという辱めはあり得ない。
それゆえ、戦いにおける「道義」を何よりも重視するのである。


・世界に平和を築くために、日本がなすべきことは何か。
それは、日本自身が世界で最も平和で安定した国になることである。
どこの国にも侮られない「強い力と正しい心」に支えられ、良好な治安を維持し、
国際社会に対して「正義」を主張し、いわれなき非難や中傷には正々堂々と反論して、
国家としての名誉を守れる国、そして疲弊した国や困窮した国に温かい援助の手を差し伸べる、
道義に厚い国になれば、国際社会は必ず安定する。
「強い力」とはまず軍事力であり、ついで経済力である。


・日本がサムライの国に立ち返り、アメリカが日本から「サムライスピリッツ」を学び、
日米同盟が世界平和創出の基軸となることを目指すべきである。


※コメント
家村氏のこの本は、世界の戦いの歴史を総復習できて大変おもしろい。
武士道は世界に通じるものがある。
それをもっと多くの国々に紹介できれば、日本が世界の架け橋になるであろう。
今後も武士道の研究を進めたい。


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