◆池井戸潤『オレたちバブル入行組』を読み解く


この本は人気ドラマ『半沢直樹』の原作の一つである。


※要旨


・銀行用語で「裸」といえば、信用貸しのこと。
つまり、担保のない融資のことをいう。
もし相手が倒産したら損になる。


・実は倒産の定義というのはいまひとつはっきりしない。
そもそもこれは法律用語ではないので、『法律学小辞典』などにも「倒産」という項目はない。


・そもそも不渡りとは、企業が発行した手形が、当座預金の残高不足で決済できないことをいう。
ちなみに、当座預金というのは、主に会社が代金決済のために開設する口座で、
振り出した小切手や手形は、この口座の残高から差し引かれる。
便利だが、利息は一切つかないというのが特徴的だ。


・不渡り手形といえば、サービスの代金として受け取った手形を相手銀行に呈示して支払いを求めたのに、
「当座預金が決済資金不足で払えねえよ」戻ってきた手形のことだ。
ちなみに「決済」という言葉は難しい印象を与えるので平たくいうと「支払い」と同じである。


・清算貸借対照表というのは、会社の資産から、回収できない売掛金などを削除し、
正味どのくらい残っているかを検討する資料だ。
それを作成するためには、前提として、その会社の真正な貸借対照表がなければならない。


・ちなみに貸借対照表というのは、いわば会社の断面図である。
元手がいくらで、いくら借金をし、そうやって集めた金で、どんな資産を有しているのかが、
一覧表になっていると考えるとわかりやすい。


・土木建築の業界では「いつもニコニコ現金払い」がモットーであり、
売掛金はあっても手形払いはない。
世の中には様々な会社があるから中には例外もあろうが、
現金決済の会社が行き詰るのは、銀行がそっぽを向いたときだ。


・実際、カネの流れというのは、シロウトにとっても難しいがプロである銀行にしてみても、
そう簡単に解明できるものではない。
ときに何時間も数字とにらめっこして、それでもピンとくればまた幸運なほうで、
いくら眺めてもわけがわからないこともあるのだ。


・中小企業融資に対する着眼点はそれほど多くはない。
正しい業績判断、適正な融資とそれに見合う担保。
これに尽きる。
この当たり前のことを当たり前にするために、銀行業界では金融庁があれこれと指針を作成し、
さらに銀行独自のルールがあり、書類の作成が義務づけられている。


・社長業は孤独だ。
カネ回りのいいときには周囲からちやほやされるが、いったん、窮地に立つや、
誰も救いの手をさしのべてはくれない。


・プライベート・バンキングとは、ターゲットを個人富裕層に絞った金融業務のことである。
業務の中心は、資産の運用だ。
顧客の意向に沿って、株、債券、外貨預金へと資産を配分して収益状況を管理するだけではなく、
ときに家の中の問題にまで踏み込んでサポートする。


・銀行というところは、人事が全てだ。
ある場所でどれだけ評価されたか、その評価を測る物差しは人事である。
だが、その人事は常に公平とは限らない。
出世をする者が必ずしも仕事のできる人間ではないことは周知の事実だ。


※コメント
銀行業というのは、つくづく情報調査が要になる業界だと思い知った。
取引先の企業の財務状況は書類だけではわからない。
実際に、その会社に赴いて、話を聞き、生の声を集めないといけない。


★池井戸潤『オレたちバブル入行組』の詳細、amazon購入はこちら↓

http://amzn.to/13uUYhN

◆まぐまぐメルマガ『国際インテリジェンス機密ファイル』ご紹介。
ご登録はこちらです↓

http://www.mag2.com/m/0000258752.html

世界のインテリジェンスに関する公開・非公開情報をお伝えします。これを読めば貴方も一流のスパイになれるかもしれません。