◆佐原雅史『知財戦略の教科書:工夫と知識はお金に換えられる』を読み解く


※要旨


・以下のものは、会社の貴重な財産だ。

一、却下された企画書。
一、使用済みの資料。
一、退社した人の顧客リスト。
一、小さなクレーム。
一、ダメ出しされたアイデア、など。


・21世紀は知的財産戦略(知財戦略)を持つことによって、
多くの企業が飛躍できる可能性を秘めている。
極めて重要になってきたのが、組織とその中で働く人の
「知識」「知恵」「経験」といった情報を戦略に昇華させること。


・みなさんの会社では、顧客リスト、クレーム集、アンケート結果、図面などの有益情報を、
きちんとストックしているだろうか。
これらは、重要な知識資料と考えることが可能。


・知識資料を再利用できる会社は、知識資料をストック(蓄積)できている。
製品の製造方法、製造ノウハウ、過去のトラブル事例集などの有益情報も、重要な知識資料と考えることが可能。


・知財戦略とは「知識資料をお金に換えること」。


・まずはスタッフが収集したり、発想したり、作成したりした再利用価値のあるすべての情報を、
知識資料と認識する。
顧客リスト、名刺リスト、クレーム情報、市場調査、実験・試験データ、
開発ノート、アイデアメモ、設計図、商品パンフレット、企画提案書など、
これらはすべて「知識資料」。


・まず自社の知識資料タイプを分析しよう。
それは3つに分けられる。
「販売先資料型」「アイデア資料型」「マニュアル資料型」。


・商社は、膨大なお客様に関する情報、すなわち販売先資料を保有している。
メーカーは、新商品アイデアを多数保有しているので「アイデア資料型」。
飲食店などのサービス業であれば、多数の業務マニュアルを保有しているので、
「マニュアル資料型」。


・アイデア資料を購入する知財戦略も大切。


・「知財戦略」とは、知識資料に関する3つの「S」を実行すること。
具体的には知識資料の「蓄積(ストック)」、知識資料を利用した「換金(セールス)」と、
知識資料の「守り(セーフ)」を実行すること。


・すべての会社には膨大な財産がある。


・営業部門がカギを握る。
営業部門の知識資料の蓄積の対象は、販売先資料。
自社で商品やサービスを提供することなく、他社と連携することで、
仲介手数料によって収益を上げていくことも、知識資料の商品化、販売戦略の一つ。


・社長一人で実践できる知財戦略を解説しよう。
社長の知財戦略は「少なくとも毎年1回、重要顧客に表敬訪問すること」。
その表敬訪問で、販売先資料とアイデア資料を社長の頭の中に蓄積することが大切。


・知財戦略のポイントは、部門の枠を超えて知識資料を蓄積し、互いに利用しあうこと。
つまり、知識資料を部門を超えて再利用するための社内共有化である。


・知識資料の共有化は、一言で述べると「人」を中心に据えた経営のこと。
経営は、人、モノ、金とよく言うが、人の行動に対しては、
結構、粗末に扱っている会社も多い。


・知識資料とは、人間から生み出される情報。
それを整理整頓して蓄積し、大切に取り扱って、
皆で共有していくことで、従業員は自分の作業にやりがいを感じることができる。


※コメント
情報は人についてくる。
人事異動などによって情報も動く。
それを認識するだけで、人事のよりよい発想にもつながる。


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