◆小川泰平『刑事ドラマあるあるは、ウソ?ホント?』を読み解く


※要旨


・ここ数年、刑事ドラマは非常にリアリティを増してきている。
ストーリーもさることながら、刑事役の役者さんたちのセリフや所作もびっくりするくらい、
現実に近いし、刑事の隠語もバンバン飛び交っている。


・反面、リアルすぎるからこそ、現場一筋に30年勤め上げた元刑事の私からすると、
細かい部分での現実との違いに目がいってしまったりする。


・私が観てきた話題の刑事ドラマを、さまざまな角度から検証してみた。
いったいどのドラマのどんな場面に違和感を覚えたのか。
あるいは、どのドラマのどういったシーンが元刑事も感心するほどリアルだったのか。


・本書を読んでいただければ、ちょっとした「警察うんちく」を知ることができ、
刑事ドラマをより興味深くご覧になっていただけるはずです。


・ヘアキャップ着用は必須。
事件現場での「正装」について。


・実際の殺人現場に果たしてダイイングメッセージはあるか。
残念ながら答えは「ノー」。
これは『臨場』の倉石(内野聖陽)も言っている。
ダイイングメッセージらしきものを目の前にしているにもかかわらず、
「長いこと鑑識をやっているが、死体がそんなシャレたもん残した試しはない」と。


・もっともリアルな鑑識係は『臨場』の名もなき男たち。


・昨今の刑事ドラマにおいて、鑑識係は欠かせない存在になっている。


・鑑識作業は経験で上達するのはもちろんだが、
センスや器用さも大切な要素。


・刑事には目立ちたがり屋が多いが、鑑識係には裏方が好きという人も少なくない。
実際、刑事が表彰されることがあっても、鑑識係員が表彰されることは非常に少ないのが現実。
彼らは「人のために」仕事をしている。


・目立つ存在ではないけれど、犯人検挙の陰には必ず鑑識の仕事がある。
だからこそドラマでクローズアップされるのは、警察仲間としてうれしい。


・「本部と所轄は仲が悪い」
→そんなわけがない。


・実際には本部と所轄の仲が悪いなんてことはない。
帳場が立てば一体となり捜査に当たるのだから、くだらない諍いなんてもってのほか。
それ以前にしょっちゅう行き来しているので、交流も結構ある。


・「所轄同士の縄張り争い」
→実は協力し合い、手柄は山分け。


・公安の刑事は尾行がうまい。
私のいた捜査三課に公安出身の班長がいたが、まあピカイチにうまかった。


・尾行の極意とは相手に気づかれず、見失わないことも大事だが、
まずはどこにいてもその場に溶け込むこと。


・捜査に「相棒」は必須。


・「ベタ」と言うなかれ。
現実でもある脅し役となだめ役。


・怒鳴ったり、机を叩いたり。
それで落ちる犯人はまずいない。


・ドラマの事件は1時間で解決。
本物の事件は逮捕からが勝負。


・刑事の服装はTPOで使い分け。
スーツはデパートのオーダーメイド。


・行きつけの飲み屋は、
美人の女将がいる店ではなく大衆居酒屋。


・右京さん、おみやさん、古畑任三郎・・・。
「変わり者」はリアル刑事にもいる。


※コメント
刑事ドラマの本当のところを見事に解説してくれている小川氏の待望の一冊である。
ドラマと現実をわかりやすく比較して、警察のポイントをつかむことができる。
また最後のほうには、警察隠語リストがあり、ファンにとっては喉からヨダレが出るほどうれしい情報だ。
ぜひ、これを片手に刑事ドラマを120%楽しんでもらいたいと思います。


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