◆坂根正弘『限りないダントツ経営への挑戦、強みを磨き弱みを改革 』を読み解く


坂根氏は元・小松製作所CEO。現在、相談役。


※要旨


・コマツは、弱点を改革する一方、強みに磨きをかける改革も断行した。
その一つが「ダントツ商品」の開発である。
固定費は削減しても研究開発費だけは削減せず、
競合他社が数年かかっても追随できないような、
環境、安全、IT,経済性などで特長を持つ圧倒的に強い製品を開発し、
差別化をはかる戦略である。


・経営者の通信簿は決算書だといわれる。


・コマツは、土を掘ったり、整地したりする油圧ショベルやブルドーザー、
土砂などを運搬するダンプトラックなどの建設・鉱山機械のほか、
フォークリストなどの産業車両、大型プレスなどの産業機械などを
生産・販売する会社である。


・土木・建設の歴史は、人類の歴史とともに古い。
世の中が平和で経済が発展していれば土木・建設工事の数は多くなり、
それに用いる建設機械の需要も伸びていく。


・残念なことに日本の建設機械メーカーには共通した弱点がある。
それは欧米企業と比べて収益性がかなり低いことである。
米国にはキャタピラー社という売上、収益ともに一頭地を抜く巨大企業が存在する。


・経営の構造改革の柱の一つは、「コマツの強みを磨く」である。
コマツの強みを改めて見直した結果、最大の強みはやはり伝来の技術力にあり、
その土壌に開発と生産の連携の緻密さがあるという結論を得た。


・日産のカルロス・ゴーンさんに聞いてみた。
「日産の復活は、現場の課長クラス、ミドル層が優秀だったからこそできたのではないですか?」

彼はこう答えた。
「確かにその通りですが、日本の企業の場合はトップダウンが足りないと思います」
日本の企業では、トップリーダーが「全体最適を考え、方向性を示す、
という自分の仕事をしていないということだ。


・コマツの真髄は品質経営。


・私の仕事に対する考え方を大いに啓発してくれたものに、
2度にわたるアメリカ駐在経験がある。
第一回目は、1981年から4年間にわたってサンフランシスコの「小松アメリカ」
にサービス部長として赴任した。
ちょうど40歳になった年である。


・米国流トップダウンの強みと弱み。
私は財務的な成果よりも、おりにふれて米国流マネジメントを学べたことが、
個人的には最大の財産だと思っている。


・米国流のマネジメントの特徴は何といってもトップダウンにある。
アメリカ企業のトップには、絶えず方向性を明確に示すシナリオが求められる。
それが示されるからこそ、アメリカの企業はスピーディなビジネス展開ができるのである。
私もKDC社長として絶えず決断を求められる日々が続いた。
全責任を負うトップの重圧感は、経験してみないとわからない。


・アメリカ企業は、トップダウンで明確なシナリオを提示し、
引っ張っていけばかなりのスピードでものごとを推進できる。
しかし、トップダウンをもってしてもできないことがある。
それはいわゆるQCD(品質・コスト・納期)の改善である。


・QCDは、ボトムアップが働かないと改善できないのである。
それがアメリカの弱点だったのかと、このとき改めて痛感した。


・私は学生時代にあまり勉強しなかったせいで、会社に入ると周囲の人たちがみんな勉強家に見えた。
遅れを取り戻すためには、何か問題にぶつかるたびに猛勉強するしかないと思った。
すると不思議なもので、実際に問題に直面したときにする勉強は、早く身につくのである。


※コメント
経営についてもさまざまな手法がある。
理論と現実の実務が一致したとき、もの凄い力を発揮する。
まさに知行合一であろう。



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