◆小暮真久『20円で世界をつなぐ仕事。社会起業・実戦ガイド』を読み解く


※要旨


・よく誤解を受けるが、社会事業、社会起業というものは利益を追求しないわけではない。
「利益を上げなければ事業活動が継続できない」という点は、一般の事業と同じ。
違うのは上げた利益の使い道。
一般事業の利益は株主に還元されるが、社会事業の利益は、再び社会を変えるための活動に使われる。


・社会事業は仕事である以上、厳しく結果を求められるし、その結果に対する責任も生じる。
利益を上げ続けるためには緻密な戦略も練らなければならない。
営業やマーケティング、ファイナンスなどの知識やスキルも要求される。


・NPO法人「TFT(テーブル・フォー・ツー)」の事務局長というのが、現在の僕の肩書き。


・TFTがやっていることを簡単に説明したい。
社員食堂を持つ企業や団体と提携して、通常より低カロリーで栄養バランスのとれた特別メニューを提供してもらう。
そして、そのメニューの価格は20円を上乗せして設定する。
その20円は寄付金としてTFTを通じてアフリカに送られ、現地の子ども達の給食費にあてられる。


・20円は、TFTが支援しているアフリカの子どもたちが学校で食べる給食1食分の値段。
普通にランチを食べることがそのまま社会貢献になるので、
面と向かって寄付だ募金だ、と言われると思わず構えてしまう人も、抵抗なく参加することができる。


・企業の社員食堂にカロリーを抑えたヘルシーメニューを加えてもらい、
その代金のうちの20円が発展途上国の子どもたちの給食一食分として寄付される。
そのことで、貧困とメタボという二つの社会課題を同時に解決することを目指す。
これが、テーブル・フォー・ツー(TFT)のコンセプト。


・何もないけど、営業からはじめよう。


・最初に入った会社、マッキンゼーで叩き込まれた究極の問題解決法は、
どこの場所においても応用できる非常に優れたものだった。
その一方、マッキンゼーにいた7年間ずっと、どこか違和感が拭えなかったことも事実。
マッキンゼーの価値観は、「論理がすべて」というもの。
「その人ならではの感性や直感」といったものは、ほとんど評価されなかった。


・その後、転職活動で、映画業界の松竹の面接を受けた。
そして、その面接がこれまた強烈なものだった。
会社での面接は形ばかりで、そのあとにインターネットや歌舞伎関連の新規事業の担当部長である、
井上貴之さんに飲みに連れていかれた。
気付いたら朝の5時になっていた。
時間を忘れるくらいこの井上さん、話がめちゃくちゃ面白いのです。


・その日別れてから、仕事の説明をまるで受けていない、ということに気付きました。
それで「この前は仕事の内容を伺うのを忘れてしまったので、もう一度時間をください」
と井上さんに連絡すると、今度は蕎麦屋に呼ばれてまた朝まで飲み明かしです。
そして、またもや仕事の話はまったくなかった。
結局、松竹に入社した。


・相手を見極め、長く続くよい関係を築く。


・社会事業をやっていく上で、国会や地方議会の議員の方々とよい関係を保つことも重要。
お互いに程よい距離感を保つことは重要だが、全国レベルでの活動告知や大掛かりな連携、
官公庁や自治体でのTFT導入などの面においては、議員の方々との情報交換や協力依頼は欠かせない。


・TFTでイベントを実施したときのこと。
国会議員の方々にも参加して頂けないかと思い、かねてからTFTを応援してくれていた議員の方々を訪ねた。
その議員の方から「議員に参加してほしいのであれば議員会館のすべての部屋を回って、
一人ひとりに案内状を手渡しするといいよ」とアドバイスされた。
このように議員の方々は「直接顔を合わせる」ことを重視し、小さなことでも「ちょっと来て説明してよ」と言われる。
やはり、じかに会って話すことは大事。


・TFTが提携関係を結んでいるアメリカの大手NPO「ミレニアム・プロミス」はマンハッタンの一等地にオフィスを構えている。
それを「経費のムダ」と言う人はいない。
社会変革や寄付集めへの影響力がある人たちへのアクセスやPRのしやすさを考えると立地がよいことは大きなメリットになる。


・ことさら「日本」を強調するのは、アフリカの支援先の人々や貧困問題の専門家と話をしていると、
日本への期待がとても大きいことを感じるから。
その理由は日本人や日本企業が持つ技術力にある。
アフリカの支援先の国で走っている車の大半は日本車。
故障が少なく燃費がよいため、道路や修理環境が整っていないアフリカでは、絶対的な人気がある。


・「大きなつながり」ができるまでのプロセス。

1.組織の壁を越えて専門家がつながる。

2.「しくみ」ができる。

3.想いに共感して一般の人が参加する。

4.「価値」が生まれる。

5.地球規模の課題解決が進む。



・変革は決して焦ってはいけない。
1ミリずつゆっくりと、望ましい方向に変えていかねばならない。
そのために必要なのが、多くの人の小さな力を、継続的に集めていくしくみ。
そして、そういうしくみがたくさんできればできるほど、社会が変わる速度は速くなっていく。
世の中にたくさんの社会起業家が現れ、彼らがつくるしくみが社会を変える。
そう、社会起業家は、現代の革命家である。


※コメント
アフリカでも蚊帳を提供したり、農業技術の提供など、日本の貢献は多々ある。
それらをもっと増やし、うまく継続的に循環できるしくみをつくっていきたい。


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