◆竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける:環境・民族篇』を読み解く


『地形で解ける』シリーズ3部作の完結篇である。
独自の視点が、歴史好きの心を掴んで離さない。


※要旨


・なぜ大阪の街は「五・十日」(ごとうび)渋滞が名物なのか。
「不合理」に息づく商売の原点。(竹村公太郎)


・五十日(ごとうび)の渋滞は、大阪の名物だ。
東京も五・十日は、混む。
しかし大阪の五・十日の渋滞は、東京の比ではない。


・あるパーティで大阪商工会議所の理事と一緒になった。
私はあまり期待を持たず、その理事に五・十日の疑問を投げかけてみた。
その理事は「顔を見に行くんですよ」とあっさり答えた。
それが五・十日渋滞の解答であった。(竹村公太郎)


・そうだったのか、大阪商人は、五・十日に商売相手の顔を見に行くのか。
決済日に、相手の会社へ行く。
そのついでに、お茶をご馳走になる。
お茶を持ってくる若い女子従業員をひやかす。
その娘のお茶の淹れ方や、ファッションを誉めたりする。(竹村公太郎)


・お茶を飲みながら、商売相手とほとんど冗談だけの雑談をする。
そこでは、相手の顔色を見る。
顔の表情を見る。
相手の眼差しを見る。
皮膚の色つやを見る。
見ることを通じて、相手の健康状態や精神状態も知る。(竹村公太郎)


・五感のすべてを使って、商売相手とその会社の様子を感じ取る。
ゴルフ焼けした自分の顔を相手に見せ、自分は元気であることを知らせる。
屈託のない表情によって、自分は商売相手としてまだ信用できるというメッセージを送る。


・会うことによって、お互いの信用を確認し、信用を交換し合う。
大阪商人にとって、五・十日は「信用を交換する決済日」となっている。
大阪商工会議所の理事の「五・十日は、顔を見に行くんですよ」という答えは、
大阪商人の核心を突いていたのだ。(竹村公太郎)


・商売とは信用であり、大阪商人はその原則を今でも大切に守っている。
そのため五・十日の大阪は、大渋滞となってしまう。
それに比べて、空中を飛んでくる情報に頼る「インターネット・ビジネス」は、
なんと頼りなげで、かつ胡散臭いのだろうか。(竹村公太郎)


・以前、文芸評論家の故・谷沢永一さんと大阪で2人で飲む機会を得た。
2人とも酒でいい気持ちになったところで、
「どのようなとき、あの豊かな発想が、次から次へと生まれてくるんですか?」
と谷沢さんに聞いた。


・谷沢さんは、いともたやすく企業秘密を明かしてくれた。
「このように人と酒を飲み、楽しく話をしているとき、フッと何かが浮かんでくる。
そのキーワードをメモしておく。
1人で机に向かって何かを考え出そうとするときは、
ろくでもない雑念しか浮かばない」
と笑っておられた。


・谷沢さんのびっくりするほど単純で簡単な原理が、
水準の高い人の心を打つ文明評論に繋がっていく。
新しい知は、情報の情報のやり取りの中で生まれる。
知とは、一見関係のない情報を結びつけ、
「新しい関係」を創造していく作業なのだ。


※コメント
歴史学者ではない、建設官僚出身の歴史論はおもしろい。
土木という歴史の裏方にスポットを当てているために、視点が斬新だ。
文系と理系の最高レベルの融合が、そのユニークさの源泉だ。
もう文系や理系など取っ払って、どんどん両方勉強しよう。



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