◆山田真由(東大首席弁護士)『エリートの仕事は「小手先の技術」でできている』を読み解く




※要旨


・東大首席、財務官僚、そして弁護士としての10年間、
それはエリートと呼ばれる諸先輩方の仕事を観察する機会でもあった。
彼らの仕事は、もちろん一流だ。
しかし、彼らと机を並べて毎日過ごす中で、その仕事のすべてが、
誰にも真似できない独創性にあふれているかというと、
決してそうではないことに気付いた。


・むしろ逆に日々の仕事の大半は、メールのやり取り、資料の作成、打ち合わせといった、
いわば「ルーティンワーク」から成り立っているのではないか、そう思った。


・「小手先の技術」という言葉は、皮肉や卑下ではない。
「ちょっとした技能」「ちょっとした機転」「ちょっとした技術」。
これらを積み上げていくことがやがて大きな成果を生み、財務省でも、法律事務所でも、
どこだって通用する「エリート」を作り出す。
私がこの10年間で学んだ最大の教訓。


・優秀な事務次官は、上司に「突っ込みどころ」を用意する。
完璧な仕事ではなく、協調的な仕事を目指す。



・謝罪メールは「単語登録」して、0.1秒で送る。
「心を込めて」よりも悩まずに速く。


・「お叱りメール」を数多く受け続ける私にとって、この対処法はひとつの課題だ。
そんな対処法に、ハッと気付いた瞬間があった。
海外との案件で、私の上司が、きつい内容の抗議メールを外国人弁護士に対して送ったときのこと。
相手の返答はこうだった。

「Thank you」

このひと言だけが、すぐ返ってきた。
このとき、「サンキュー」という言葉の威力を実感した。


・「以後、気をつけます」
で言い訳をシャットアウトする。


・忙しい人とって、メールの返信作業はかなり負担。
そこに相手に負担をかけないために、自分の上司に報告のメールを送る際は、
「こういう方針で進めようと思いますが、コメントがあればお知らせください」
という書き方をする。
そうすれば、上司側はコメントがなければ、返信の必要はない。


・仕事の速さは、着手の早さで決まる。
仕事自体の「速さ」もさることながら、着手の「早さ」も同じくらい、
いやそれ以上に重要だと言うのが、私の持論だ。


・一番簡単な仕事からスタートする。
こうして超簡単な作業からはじめることで、気分を乗せて、軽快にスタートダッシュをかける。


・まずは3つ、速さを重視して仕事を仕上げる。
「仕事が速い」はイメージ戦略。


・メールは上から返信。
即レスができないと、プラスαのメールの内容を求められるので注意。
メールを返信するとき、わたしはいつもメールボックスに並ぶ上から、
つまり新しいものから順番に処理する。


・「即レス」だけが、速いという鮮明なイメージを植えつけられる。
また「即レス」が一番簡単。


・ごちゃごちゃ書かずに「承知しました」を連打せよ。
いろいろな内容はあるが、返事の内容を要約すれば「承知しました」のひと言に尽きる。
だから、まず端的に「承知しました」と即レス。


・似たような予定は、「繰り返し」を仕組み化する。
長期スパンでのルーティン。
「髪を切る、会議、ジム通い」


・堂々とコピペせよ。
「テキストボックス」の並べ方に頭を使うな。


・上司のアドバイスは即実行。
1ヶ月続けてダメならやめる。


・いざというときの「窓口リスト」をつくっておく。
人に聞く場合は「同期の専門家」を頼れ。


・こうしたネットワークを維持するためのコツは、自分が聞かれたときに惜しみなく与えること。
時間も量も惜しんではいけない。
例え少しぐらい忙しくても、ほかの仕事を脇に置いて、同期の質問に答える。
ブレインストーミングに付き合う。
これが自分の質問に気持ちよく答えてもらう最大の秘訣。


・「わかりません」と言うために、予習や勉強をしておく。
人は、本当にわからないことに「わかりません」と言えない。


・財務省時代、「わかりません」の極意を知った瞬間があった。
財務省のなかでも特に重要な案件は、事務次官に決裁を仰ぐ。
次官への説明は、かなり緊張を強いられる。
あるとき、事務次官からの質問に対して、
ある財務省のエースの方が「わかりません」とあっけらかんと答えた。

上司にそのことを報告したら、こう言われた。
「山口、覚えておけ。『分かりません』と答えられるのは、優秀な人だけだ」


・「わかりませんと言えるレベルを目指す」
もしあなたが、自信を持って「わかりません」と答えることができたら、
それはその分野に精通しはじめたという、ひとつの証。


・隣の席の人に「鼻差」で勝てばいい。
5分だけ早く出社する。
ひとつだけ多くの仕事を処理する。
その積み重ねが、大差を生む。


・財務省で経験した地獄の「更問」づくり。
財務省での100点は、生易しいものではない。
大臣の想定問答集は、さらなら突っ込みに備える。
これを「更問」という。


・わたしの上司は、
「たとえ1000問の更問をつくり、999問が無駄になったとしても、
そのうち1問でも役に立てばよい」と、はっきりおっしゃっていた。


・80点で納品。
相手からのフィードバックで100点にもっていく。


・会議は「ボール占有率」より「ゴール」。
人は聞くより話すのが好きを忘れるな。
財務省でも法律事務所でも、仕事ができる人こそ、聞き手にとって理解しやすい話し方をしている。
そのために、聞き手の感覚、つまり常識に敏感になる必要がある。


・財務省では、最後の最後に出世する人=優等生では決してないようだ。
事務処理能力の高さは当然の前提として、
最後に問われる資質は人間的な魅力、つまり代替不能な個性のこと。


・財務省の事務次官は、政治家やOBを相手に交渉する。
利害対立もある。
政治家の面子もある。
いかなる場合であっても、「キミがそう言うならしかたがない」
と最終的に相手に言ってもらえるような人間的魅力。
これが事務次官の資質だと聞き、なるほどと思った。


※コメント
なるほど、小さな積み重ねが大切なようだ。
ちりも積もれば山となる。
原点に返って仕事のやり方を見直したい。


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