◆武雄市長、樋渡啓祐『反省しない。すぐやる、攻める、そして組む』を読み解く


樋渡氏は、さまざまな批判を受けながら、武雄市図書館の運営を民間に受託。
新装オープンさせ話題となる。
その他、斬新な政策で世間にインスピレーションを与えている。


※要旨


・スピードは最大の付加価値。
思い立ったら、まず行動。


・ニュースで話題をかっさらう。
政策の発表のタイミングをどうするかが、ポイントだ。
タイミングが良ければ大きなニュースとなって労せず宣伝効果が生まれる。


・図書館のリニューアルオープン、僕は4月1日にこだわった。
4月1日は年度替りの最初の日で意外とニュースがない。
この日リニューアルオープンすれば他にニュースがない分、大きなニュースとなる。
こうしたタイミングをどうするか、無頓着な人が多いが、
ビジネスを勧める上では無頓着な分だけ大きく損をしている。


・「過去の成功例は死体」であり、
ここにこだわりすぎるとスピードを落とすことになりかねないからだ。


・完成力より修正力。
走りながら変えていく。


・勝率ゼロでなければ1勝9敗でいい。


・チーム武雄がやっているのは、まず走ること。
走りながら修正していって、それでもダメなら他のことをやる。
僕はこの流れを、
「完成力より修正力」
と呼んでいる。


・反省しない、分析もしない。
「これだけ失敗して」とよく言われるが、僕は失敗を反省しない。
分析もしない。
そんなものしたところで、暗くなるだけだ。
それよりは新しいことをやったほうがいい。


・失敗は変革の必要経費。


・やり続けることで生まれる連帯感。


・自分が欲しいから、作る。


・人の話は聞かないが、自分から相談する。


・口ぐせは、TTP(徹底的にパクる)。
「人の話は聞かない」「完成力より修正力」と並んで、
僕が信条としているのがTTPである。


・こだわらない。
「かくあるべし」という「道」にこだわりすぎると、
それは利用者のニーズを大きく外してしまうことになりかねない。
たとえば、武雄市図書館では音楽を流している。


・進化させることが大切。


・ズレたら修正、失敗したら謝る。


・自分から、動く。
映画「佐賀のがばいばあちゃん」のロケ誘致のときも、
職員はあまり乗り気でなく、やりたがらなかった。
そこで、スピードを重視して、僕がすぐ動く。
そして、市役所の中で雰囲気が変わり職員が手伝ってくれたスライドショーが、
ロケ誘致の決め手となるのだから、何が幸いするか、わからない。


・意気込みは伝染する。


・もし管理職など職場のリーダーとなった場合は、
ときには自腹でなにかをやってみてはどうか。
得意先を接待する、部下におごる、仕事に関係ありそうな本を買う、何でもいい。


・意志決定者が動くと話は早い。


・目標を一つにすれば連帯感が生まれる。
やればできるという体験が意識を変える。


・ホウレンソウを「あまり徹底しすぎるとダメな組織になる」と気付いた。
そうならないための「都合の悪いことはすぐに報告しろ」である。
これは「何かあったら僕が責任を取る」と表裏一体だ。


・佐賀県庁、国会議員秘書を経験して武雄市役所に転職した山田氏はこう言っている。
「組織になじむためには佐賀県庁ではこうしてきた、
国会ではこういう政策をやってきた、という話をしてもダメ。
たんなる自慢話になってしまいます。
そういう話はできるだけしないようにして、お茶くみ、
職場で取る新聞の綴じ込み作業などの雑用は率先してやるようにしていました」
そしてだんだんと仲間と認められるようになった。


・「意識改革はやっていてもあえて言わないようにしている。
そのほうが結果的にうまく行きやすい」
(山田氏の元ボス、逢坂誠二)


・イヤなことは記号化する。
批判、怒りを「記号」に置き換える。


・死が迫り来る戦争に行くわけではない。
「批判=記号置き換え論」を教わったのは、内閣府の沖縄問題担当だったとき。
仕事の一つが、基地移設問題だった。


・移設問題を担当していて、精神がボロボロだった。
カウンターパートのアメリカ海兵隊将校に、
「もうダメだ、倒れそうだし、正直、死にたい」
といった。

相手の将校は怒りをあらわにしてこう言った。
「ケイスケ、お前はどんなに批判されても死なないからいいじゃないか。
俺たち海兵隊は出動命令が出れば、48時間以内に死ぬ可能性が、
他の陸海空軍の連中よりはるかに高いんだぜ」


・この将校が真っ赤な顔から穏やかな表情に戻りながら教えてくれたのが、
「批判=記号置き換え論」だ。
「死が迫り来る戦争に行くわけじゃないいだ。
だったら、つらいことは記号に置き換えておけば気楽でいいじゃないか」


※コメント
さまざまな逆風を経験した樋渡氏の言葉には重みがある。
民間でも参考になる部分が多い。
スピード感や樋渡氏のメソッドは、役所だけでなく日本全体に必要なものかもしれない。


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