◆福西七重『リクルートの女性力:会社の空気は女で決まる』を読み解く


福西さんは、リクルート社内報「かもめ」の元編集長。
長年、創業者の江副さんと一緒に仕事をした。


※要旨


・昔からリクルートにとっても、女性はすざまじいポテンシャルを秘めた「宝の山」だった。
これは忘れてならない事実。
創業したてのリクルートは、ブランド力、資金力、人的資源、
どれをとっても企業としての体力はまだまだひ弱な会社だった。


・だからこそ、創業者の江副浩正さんは、実力があるのに一般企業に入れない
「女性という眠れる資源」を最大限に活用しようとした。


・江副さんは人材こそ会社の一番の財産であると確信していた。
「採用にはカネと時間を徹底的にかける」
これが決して揺るがない方針だった。


・会社の空気とは、会社のマインド。
働くことへの熱意、ロイヤリティ、連帯感。


・26年間、リクルート社内報「月刊かもめ」の編集長を務めた私は、
スター社員も、縁の下の力持ち社員も、どんな営業部員もやる気にさせてしまう
庶務のアルバイトも、つぶさに見てきた。


・新人も経営トップも会社の情報を共有せよ。


・1971年誕生した「かもめ」創刊号のなかで、
江副さんは3つの編集方針を書いた。

1.経営方針を社員に伝達する。
2.社員同士の横のコミュニケーションを高める。
3.社員の学習の場とする。


・創業当時、携帯電話も電子メールもない時代、オフィスで留守を預かる友野さんのもとには、
クライアントからの電話がひっきりなしにかかってきた。
彼女は、取引先全員の名前を暗記した。
大学を出たばかりの青年がはじめたベンチャー企業であったが、
電話をかけると受け答えが実に感じがよく、会社に大貢献した。


・この伝説を聞いて、私は社内一の情報通になるという「機会」を創りだし、
1000人以上の社員データを丸暗記した。


・女性アシスタントが、「モチベーションの鍵」である。
庶務・営業事務といった後方支援部隊こそ、会社の空気をつくり出す源。
社員をよく見ている彼女たちを第二の管理職とすれば、組織とマネジメントが変わる。


・女性の「わかってほしい感」を満たす。
「がんばっている姿を理解して欲しい」と願う女性の特性を知り、
ほめることはすべてのマネージャーにとって重要。


・「ほめることこそ、社員のモチベーションを高める最も有効な手段」
これが江副さんの哲学であり、動機付けがとても上手な人だった。
リクルートに資産が何もなかったころには、
「人間が財産。あとは紙と鉛筆があれば仕事はできる」
と言っていたほど。


・日頃から「あなたががんばっていることは、ちゃんとわかっているよ」
というサインを出すことは、とくに女性に対して大切。


・「ありがとう」という感謝の言葉はもちろん、
誕生日にプレゼントをさりげなく手渡す、食事やお酒をごちそうするという行為で、
営業部員は庶務を「大切にしている、感謝しているというサイン」
を日々出している。


・女性は「私を見て」という意識が男性より強い。


・苦労の末、平尾さんが導き出した「女性に嫌われる男性上司の5か条」
このうち1つでもあてはまったら、女性はついてこない。

1.きたない。
2.せこい。
3.弱い。
4.面白くない。
5.かわいくない。


・女性は明確な目標と大量の仕事で成長する。


・女性は相手の地位や年齢にかかわらず、人間としてものが言える。


・「ムダなこと」を沢山するから力がつく。
リクルートでは新人に「過剰なほど大量の仕事」をさせる。
ときには手におえなさそうな大きな案件も任せられる。
そこから責任感や当事者意識が生まれる。


・リクルートの80年代は、徹夜も厭わず、真面目で緻密な「コツコツ営業」。
90年代、新規事業開拓された新たな分野に、ひるまず飛び込む「特攻隊営業」。
21世紀に入ると、アイデアと知恵で勝負する「コンサル営業」が登場する。


・「戦線離脱」がビジネスヒントとなる。
『赤ちゃんのためにすぐ使う本』の創刊アイデアは、育児休暇のジレンマから誕生。
出産に限らず、病気や介護のための小休止は、何かが見つかるチャンス。


・人材輩出は、会社の最高のブランディングとなる。
優秀な人材が転職・起業・独立するのは、会社の持ち味が別の場所で生きるということ。
会社に「スター誕生」を応援する空気があれば、企業イメージはアップし、
「卒業生」の人脈は貴重な財産となる。
独立した人は、辞めても会社との縁をつなげることが大切。


・フェイス・ツー・フェイスでコミュニケーションすることによって、
幅広い情報を集め、その中から新しいアイデアを生み出すのがリクルートの伝統だ。


・のちに東京ガールズコレクションプロデューサーとなる永谷さんの「かもめ人物紹介」は面白い。

「昨年1995年4月入社。仕事もビックだが日常生活もビック。
お昼は必ず『大盛り』『おかわり』。昨年末のできごと。駅に着き切符を買おうとした。
が、財布に100円しかない。営業先に引き返し、『社長、お金貸してください』
『これもついでに持って行きなさい』と社長はお歳暮にもらった缶詰までおみやげにくれたそうだ」


・大塚さんがリクルートで得たものは、次の3つ。

1.ニーズを把握して商品に落とし込む能力。
2.商品の価値設計や財務計画を立て、管理する「経営的視点」
3.筋トレのような泥臭い営業で鍛えた「足腰の強さ」と「フットワーク」。


※コメント
リクルートの凄さの一端を知ることができる一冊だ。
あらためて、そのバイタリティの面白さに気付かされる。


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