◆小川榮太郎『国家の命運:安倍政権、奇跡のドキュメント』を読み解く


※要旨


・安倍晋三は一度、地獄を見た男である。
言うまでもなく、前回総理大臣だった時の、病気による突然の辞任だ。
前安倍内閣が10年分の仕事を一人で成し遂げたという有識者の評価は定着している。
教育基本法の60年ぶりの改正、防衛庁の省昇格、憲法改正のための国民投票法の制定、
公務員制度改革の本格的なスタート。
この挑戦が、マスコミや霞ヶ関という虎の尾を踏んだ為に、
バッシングの嵐を一身に受け、退陣に追い込まれた。


・地獄はまだ終わらない。
安倍は、辞任後、数ヶ月で体調を回復し、少しずつ活動を再開する。
東京駅で新幹線を待っていると、
「安倍かよ、どの面下げてこんなところに出てきたんだよ、向こう行けよ」
と罵声が飛ぶ。

飛行機では、
「スチュワーデスさん、あそこに安倍がいるだろ。
一緒の列に座るの嫌だから、席を替えてくれよ」
と聞こえよがしな嫌味が安倍の心を抉る。

安倍の若手秘書、初村滝一郎は、あの日々を、
一億人全員を敵に回したような弧絶感だったと述懐する。


・だが、安倍は耐えた。
安倍は耐えることができた。
安倍の中で曙光が見えたのは、辞任後に地元選挙区に初めて戻ったときだった。
地元で待っていたのは、人の列、そして温かい声援と拍手だったのだ。


・そして、隠忍自重の日々がくる。
安倍は内省を重ね続けた。
自らの失敗の原因を冷静に見つめ直し続けた。
一方、政策の勉強も、以前に増して重ね続けた。
日本の真の課題は何か。


・安倍の気品や温和な風格を、人の良い柔弱さと勘違いしてはならない。
今の安倍の穏やかで突き抜けたような明るさと自ずから表れる威厳は、
地獄の火に焼かれて生還した男の強さに他ならない。


・退陣後の5年間、安倍はひたすら自重し、落選議員の地元に頻繁に入って応援し、
選挙区でも、元首相としてはあり得ないほど、小さな会合にマメに顔を出し、
裏方、下支え、反省に徹してきた。
有識者とも議論を重ね、政策の勉強を深めてきた。


・出遅れたとはいえ、総裁選に出馬表明した安倍は、実に晴れやかだった。
事態も直ちに動き出す。
出馬表明の翌日早々、麻生太郎と高村正彦が、派閥として安倍支持を打ち出したのだ。
数は、それぞれ10人、6人と少数派閥だが、領袖が明確に安倍支持を打ち出したのは大きい。


・菅義偉によると、麻生に安倍の応援を頼んだとき、麻生は、
「安倍は日本の宝だ。それを分かっているのか。勝たせる自信があるのか」と言われたという。
菅は、
「麻生先生が応援してくだされば勝てます」と答えた。


・権力を掌握したら、祝いも感傷も抜きに、即座に仕事に取り掛かる。
それが安倍の流儀らしい。
総裁選翌日の9月27日には党役員人事を早々と決めた。


・総選挙後の安倍の初動は早かった。
組閣前、既に、安倍は事実上の総理としての仕事を矢継ぎ早に仕掛ける。
総選挙勝利の当日、早くも安倍は、甘利明に「経済財政諮問会議」と「日本経済再生本部」の
2つの組織の設計図作りを託している。


・老練な組閣人事。
第二次安倍政権の組閣は、前回と違い、奇妙なまでに正確、微細に、人事構想が報じられ続けた。
派閥の推薦を受けずに、総理が主導権を取りつつ、人事構想を逐次外に出すことで、
猟官運動を封じ、組閣の方針を議員らに暗黙の裡に伝える。
総理の意向を事前に風評の形で知らせながら、求心力をあげてゆくかつてない老獪な人心収攬術である。


・安倍政権はぎりぎりで間に合った奇跡の政権である。
安倍は、この国を救うために、地獄の底から命を賭して戻ってきた類いまれなる政治家である。


※コメント
数年前まで安倍さんの再登場を予測していた人はいたであろうか。
人の情熱というものは、山を動かし、国を動かすということを改めて実感した。
今後も、安倍政権をウォッチしていきたい。


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