◆清水亮『教養としてのプログラミング講座』を読み解く




※要旨


・プログラミングとは、ひと言でいえば、
「自分以外のものを、思い通りに動かす方法」のこと。
適切にプログラミングしたものは、
たとえば作者が消滅したとしても、作者の意図を反映し、
プログラミングした通りに動くことになる。


・筆者はプログラミングを理解していることで、
ビジネスだけではなく、人生での重要な判断や
意思決定の際にも大きく影響を受けてきた。


・振り返ってみると、おそらく職業プログラマーならずとも、
「こうすればこうなる」というプログラミングの知識を持っていることで、
より広い視野で、
より深く考えることができたのではないでしょうか。


・プログラミングを学ぶと身に付くもの。

1.論理的な物事の考え方。
2.情報を適切に分類し、活用する方法。
3.最小の手間で正確な仕事をこなすための思考法。
4.知らない人と知恵を共有する方法。


・よく探せばあなたの周りにもプログラミングはあるはず。
例えば。

運動会のプログラム。
入学式卒業式のプログラム。
結婚式の式次第。
電車やバスの時刻表。
教育に関する計画。
テレビ番組。
壮大な計画(アポロ計画など)


・こういったプログラムに共通する特徴を考えてみると。

1.順序立てられている。
2.予め作られている。
3.何らかのタイミングでとるべき行動が決められている。


・もし「プログラムとは何か」と尋ねられ、
一言で答えなければならないならば、
まずは「手順を正確に記した文章」
とでも返すのがふさわしいかもしれない。


・法令や宗教的儀式、哲学、その他人々を
コントロールするためのルールこそが、
かつては「プログラム」と呼ばれていた。


・プログラミングとは「人類の叡智」である。


・「分割統治法」はプログラミング技術の一つとして知られる。
この技術は、たとえば営業マンがエリアを決め、
片っ端から電話をかけていくという営業活動、
いわゆる「エリアセールス」として応用できる。
ピザの宅配店がそれぞれ宅配エリアを決めて営業する、
という戦略なども分割統治法の応用例ともいえる。


・「なんだ、プログラミングってその程度のことか」
と思われるかもしれない。
そう「その程度のこと」だからこそ、
プログラミングというものが持つ、
本当の力が見過ごされてきた。


・接客係と調理係をきちんと分担することで、
より調理に力を入れたメニューを提供する。
これが食堂ではとても大事なのだ。
プログラミング用語では、
こうした役割分担を「パイプライン」と呼ぶ。


・パイプラインは複雑な作業工程を細かな単純作業に分割し、
効率的に作業を処理する方法として、
プログラムの世界で頻繁に用いられる技術だ。


・プログラミングを学ぶということは、
それまで明かされてこなかった、
「考え方の極意」「計画の極意」を学ぶこと、
と言い換えることもできる。


・ルールを理解することは、
プログラミングを読み解く近道。
細かい部分までの理解は難しくとも、
基本のルールさえ分かれば全体の意味を
くみ取りやすくなる。


・プログラミングの鉄則。

1.伝え漏らすべかららず。

2.あくまで「コミュニケーション」の一様態。

3.「フールプルーフ(お馬鹿をしても平気)」を活用する。

4.「インデント」や「カラーリング」でメリハリを。



・プログラマー的な思考法の基本中の基本、
それはアルゴリズム。
アルゴリズムの意味を簡単に説明すると、
ある問題を解くための手順を、
誰でも確実にこなせるよう、
一つの形に整理したもの。


・プログラムの基礎パーツは、
「処理」「分岐」「ループ」。


・ルーチンと関数。
繰り返すだけなら、省いて表現。


・ハイパーリンク。
別の情報にワープする。


・ハッシュ+テーブル。
名簿の管理を効率的に。


・計算テーブル。
考える手間と時間を、劇的に短縮。
あらかじめ、ある計算の結果を表にしたものを
「計算テーブル」と呼ぶ。


・プログラミングは普通の文章に近づく。


・私はたまたまプログラミングとともに育ち、
たまたま人生のわずかな時間を職業プログラマーとして過ごした後、
企画者、そして経営者になったときに、
プログラミングの考え方というものがもっと幅広く、
応用範囲の広いものであることに驚かされた。


・今、経営者として私はまさに会社組織を
プログラミングしている。
私がプログラミングした組織は、
わたしがいなくてもきちんとまわっているのだ。
かつてこういう技能は、
「経営能力」だとか「仕組みを作る力」だとか、
呼ばれていた。
自分のいないところで、
「自分以外のものを自分の思い通りに動かす方法」
として身についているもの。


・プログラミング技術はもともと機械を操るために
20世紀後半から急速に発達した。
その発達の思わぬ恩恵として、
私たちが「プログラミングではない」と見なしていたものも、
その一種として捉えられるまでになった。


・確かに、21世紀に生まれた大富豪の多くは、
プログラミング能力を持っている。
このことは、決して偶然ではないと私には思われてならない。




※コメント
プログラミングの本質をずばっと教えてくれる。
さすが、プロは素人にも分かりやすく話してくれる。
天才プログラマーは凄い。
逆に、分かっていない専門家の本ほど難解なものはない。


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