◆冨山和彦『プロフェッショナル・コンサルティング』を読み解く


本書は、波頭亮氏との共著。


冨山氏は、かつて産業再生機構のCOOであった。



※要旨


・本文の原稿がほぼ出来上がってから、
この前書きを書くまでの間の2011年3月11日、
あの東日本大震災が発生した。
私がCEOを務める株式会社経営共創基盤(IGPI)は、
被災地域において3つの地方バス会社グループである、
福島交通、茨城交通、岩手県北交通を子会社として、
経営支援を行っている。


・鉄道が大きなダメージを受け、
自家用車の多くが破損またはガソリン不足に陥る中、
バスは広域激甚災害意地域における、
あるいは東京をはじめ他地域と被災地を結ぶ
重要な公共交通ライフラインである。


・わがバス会社グループは自ら被災し、
または緊急出動が続く中で、深刻な燃料不足にあえぎながら、
見事にその役割を果たしてきた。
しかし、それは同時に現場から私に至るまで、
それぞれに極めて厳しい決断の連続であった。


・そこで最後に物を言ったのは、本書で語られている、
1人ひとりの個としてのプロフェッショナルな能力である。
情勢を冷静かつ合理的に分析に判断する力。
組織集団の心情を理解し、的確なコミュニケーションを行う力。
そして危機を目の前に、情報網も寸断されている中、
現場責任者たちも、自らが最高責任者として、
全責任を背負い込みリスクを伴う決断をしなくてはならない。
最後にリーダーとしての胆力が問われたのである。


・IGPIでは常時、40件以上のプロジェクトが、
多数のクライアント、支援先企業において進行している。
震災によってその全てがそれぞれに緊急かつ困難な状況に直面した。
そこに指示待ちや、保身のための根回しや、
難しい問題の押し付け合いの余地はない。
全体としての使命を共有しつつ、
1人ひとりが目の前にある自分の役割と、
自分が為しうることに自発的に
全身全霊を傾けるのみである。
彼らは、日々困難な案件の中で自らを鍛えてきたことが、
まさに未曾有の修羅場で真価を発揮したのだ。


・日本には優秀なビジネスパーソンはいるが、
優秀な経営者人材は不足している。


・日産のカルロス・ゴーンがやった再生プランの9割は、
もう10年前からできていたと言われている。
今のJALだってそうだ。
いくら合理的な戦略やプランがあっても、
結局は、やれるかどうか。
日産の場合は、ルノーの資本が入って、
カルロス・ゴーンが進駐軍としてやって来るまで、
旧来の意思決定と組織運営から抜け出せなかった。


・グローバルで成功している企業は、
実はローカルくさい。
YKKとコマツは、日本を代表するグローバル企業だが、
どっちも北陸に本社がある。


・思うに北陸や地方から中部山脈を越えて東京に出てくるのも、
海外に出て行くのも、一緒だったのかもしれない。
一方、東京は日本の中では情報も人材も圧倒的に集中している。
その条件の良さがかえってアダとなり、
海外指向が先鋭化しなかったのかもしれない。


・リーダーは、
作為的に作らなければ生まれない。


・MBAで学べることは、
コンサルタントで必要な能力の10分の1.
会社に入って、さらに10倍学ばなければならない。


・人間的キャパシティがないと企業の裏史には近づけない。
企業にも裏と表がある。
本音と建前だ。
そこが見えてくるかどうかで、
コンサルティングの深さや広がりもずいぶん違う。


・コンサルタントとして、断片的にこっちがわかっていると、
知らずしらずに、阿吽の呼吸でそういう会話をするようになっていく。
そうすると向こうは、
「だいたいこいつ、わかっているな」
って感じで、ポロッと言ってくれたりする。


・裏史の世界っていうのは、ある種、
人間の情念の一番ドロドロした部分が関与しているケースが多い。
そういうものに対する、こちら側のセンス、感性、センシティビティとか、
そういうことがわかるだけの人間的なキャパシティとか、
成熟度があるかどうかも問われるのだ。


・現場の経験を積めばリアリティが身につく。
靴の裏をすり減らす経験は、
頭でものを考える時の柱や梁となって
思考の全体像を支えてくれる。


・現実を知るために現場に話を聞きに行く。
そうするといろんなことが見えてくる。


・小さくとも一気通貫のビジネスを経験する。
人に対する洞察力を磨く。
靴をすり減らすタイプの経験を十分にしていないと、
事業とか経営のリアリティなんて、わからない。


・3ヶ月に1つずつ、年4つ、
マスターを取るくらいの勉強が必要。
くどいようですが、
まずは、とにかく勉強してほしい。


・勉強は、若いうちの筋力トレーニングだ。
とにかく今の日本のインテリは、
大人が勉強しなさ過ぎだ。


・どれくらい真に受けてもらえるかわからないけど、
コンサルティングファームでエースになろうと思ったら、
あるいは将来「300人」の中に入ろうと思ったら、
3ヶ月に1個ずつマスター(修士号)を
取るぐらいの気持ちがほしい。
実際、修士論文ぐらいのことを書いて。


・1年で3、4本のマスター。
4、5年やると、Wマスターどころか、
10マスター、20マスターぐらいの勉強量になる。
これくらいやって、コンサルタントとして一人前かな、
って感じの基礎体力と体格になる。


・英国や米国で、政策立案のトップレベルや
コンサルタントのトップレベル、
あるいはインテリ会社のトップレベルの人たちって、
学歴はほとんどがWマスターか、博士号である。
そのぐらい勉強をしている、若いとき、20代のとき。
実際にマスターを取るか別にして、
そのぐらいの勉強量の蓄積があって、その上でみんな議論している。


・業界誌2年分を読み込めば、
業界の仕組みと構造が見えてくる。


・私がやっていたのは業界新聞、業界誌を
2年分を読むことだった。
新しいクライアントが決まると。
月刊誌2年分、24冊。
1ページから最終ページまで全部読む。


・そうすると、ターミノロジー(専門用語)だったり、
業界の基礎的な仕組みだったりについて
だいたい基礎知識ができる。
業界誌は1年間のあいだにはだいたいの重要テーマを取り上げているから、
一通りのことがわかってくる。
1週間か10日で集中的にダーって読んじゃう。


・ファクトを追いかけることとは、
リアリティをきちんと調べること。


・商工ローンに興味を持つクライアントのために、
実際にお金を借りてみた。
ある会社はもう、何百件って訴訟をやっていたので、
学生をアルバイトでかき集めて、訴訟を全部記録して、
全部自分で読みました。
膨大にあったんですけど、そうすると、
もうだいたいどういうやり口で、商工ローンが、
最後儲けるかって全部分かるんですよ。


・若いときにリグを100本打っていれば、
いずれ3本で済むようになる。
100本打って、外れる99本を経験することもノウハウになる。
100本打つというのは、調べるとか、
情報を取って知識を得るのと同時に、
仮説のロジックを立てるトレーニングになる。


・やっぱり全部の業界をやってきたことは、
自分にとってすごく良い財産になっている。
あと、全部の会社機能を知ることもすごく価値がある。
人事、総務、経理、財務、マーケティング、
生産、R&D(研究開発)。
多くの業界と多くの会社機能の経験が縦と横に、
まさに経験の体系として積みあがると、
幾何級数的に的確なソリューションを生み出す生産性に上がる。


・若い人の優位性は、
より一次情報に近い現場の情報にアクセスしていること。
ファクトにこだわり続けること。
あとは徹底的に論理的思考力を鍛えること。


・一生懸命、調べれば調べるほど、
そのときに思ったことは自分で鮮明に覚えている。
その後の展開もやっぱりそれなりに、
あるものは実際に当事者とかかわり続けて、
違うものを見つけることもある。
また、新聞からそういう情報が入ってくることもある。


・2020年、2030年に、
会社はどうあるべきかを経営者は考えているか。
経営者にとってもっとも重要な仕事とは、
10年後、20年後にウチの会社は、
どうあべきかを考えること。



※コメント
コンサルティングというのは、
泥臭い仕事も必要であることを知った。
人間のドロドロした問題を解決する能力を身につけることで、
ビジネスマンは成長するようだ。


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