インテリジェンス専門雑誌「ワールド・インテリジェンス」は、諜報に関する多くの情報が集まっている。
公安調査庁の元・調査官で対ロシアのスペシャリスト、榊久雄氏のインタビュー記事は勉強になったので要旨を紹介したい。



「対ロシア諜報戦〜昭和40年代 公安調査庁”ソ連班”の活動とは〜」要旨


・昭和40年代のソ連班の幹部には、陸軍中野学校、ハルピン学院、東亜同文書院、建国大学出身者がゾロゾロいた
彼らの語学力、情報分析は桁違いに優秀であった

・情報提供協力者に伊藤忠商事の瀬島龍三氏の懐刀であった岡島和生氏がいた
彼の情報も人脈もとにかく凄い

・当時、重宝していたのは、ソ連側要員の個人情報

・諜報機関というのは、書いてある情報よりも、口頭で聞いた情報が評価される

・情報マンにとって必要なのは、自分のスキルを高めること
語学、体力、教養すべて
イギリスなどの情報部員は基本的にすべての分野を勉強してきている
ヒューミントで情報を取るには「器」が必要

・優れた情報マンになるためには、なるべく現場を踏むことが大事
できれば、自分で現地へ行く
行けない場合は、行った人に会う
とにかく多くの人と会って話を聞く



以上

※コメント

日本の情報機関も商社経由の情報を大事にしているという。
官邸の内閣情報調査室にも商社班があり、リアルタイムで情報収集している。
最近では、資源高の影響で商社の力も強くなってきている。
商社もただ、右から左でモノを流すだけではなく、その間に知恵と付加価値をつけて商売をしている。

筆者も商社マン時代、先輩から我々は、クライアントの役に立つ情報を持っていないと相手になれない、
情報こそが、我々の生命線だと教えられた。