『国際インテリジェンス最新事情』

国内外でのインテリジェンスに関する最新情報、分析をお届けします。 スパイ、謀略、国際政治、ビジネス情報戦、情報史、など盛り沢山の内容となっております。

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August 2008

●新聞記者に学ぶ「情報のさばき方」



朝日新聞編集局長の外岡秀俊氏の『情報のさばき方か〜新聞記者の実戦ヒント〜』は、情報力を高めるために参考になる。実際、新聞記者がどのように情報収集しているのか、見ることができるので、面白い。外岡氏が記者生活30年で鍛えた情報力を紹介したい。
ちなみに元外交官の佐藤優氏もこの本を推薦している。



『情報のさばき方か〜新聞記者の実戦ヒント〜』の要旨

・情報力の基本はインデックス情報

・「どこに行けば、誰に聞けば確かな情報を得られるのか」という情報がインデックス情報

・膨大な情報を管理するコツは、情報管理の方法をできるだけ簡単にすること

・情報は現場や現物にあたり、判断にあたっては常に現場におろして考える

・情報発信者の意図やメディアのからくりを知り、バイアスを取り除く

・重要な情報力の基本は自分の位置情報である

・情報はある程度知っている人にしか話されない

・軍事情報を学ぶ要諦は、地理と歴史を学ぶこと

・ICレコーダーより、メモが大事

・人に会って話を聞くには、事前準備が欠かせない

・インタビューを受ける人が作家であれば、聞き手が自分の作品を読んだうえで質問しているかどうかは、ただちに見抜く

・人は、聞き手が知っている程度に応じて話をする

・複数の人に同じ質問をする

・一次情報にあたるとは大切



商社の営業マン時代、地理の重要性を認識した。
それは東京都内の地下鉄と地図を知らないと営業活動ができない。
日本のある程度の地理が頭に入っていないと地方出張の計画が立てられないということ。これは海外出張にも当てはまる。
どこに空港があり、電車でどこからどこまで何分かかかるか、予測が付かないとアポイントが取れない。
私はよく学生時代、日本中を結構旅行したのが役立った。
また、授業中は先生の話を聞かず、地図帳ばかり見るほど、地理が好きだった。
友達に鉄道マニアがいてよく話を聞かされていたので、鉄道にも詳しかった。
若いときによく遊んだことが社会に出て、こんなところに役立つのかと目から鱗が落ちた気分であった。

●情報敗戦〜太平洋戦史に見る組織と情報戦略〜

谷光太郎氏の『情報敗戦〜太平洋戦史に見る組織と情報戦略〜』は、日本軍とアメリカ軍の情報戦略を比較し、論じているので参考になる。
今日は、終戦記念日であるため、あの戦争での情報戦について発信したい。




『情報敗戦〜太平洋戦史に見る組織と情報戦略〜』の要旨



・トップが情報の価値を知り、情報に執念を燃やさない限り、貴重な良質な情報の入手は困難になる


・アメリカ海軍のニミッツ提督は戦時中、一貫して情報参謀のレートン中佐を手許に置き,戦局の節目でレートン情報参謀の情報分析に耳を傾けた


・アングロサクソンには政治家、外交官、軍人を問わず,情報を基礎に政策を考えるという思考態度が強い


・公開情報だけで9割は予測可能


・情報収集作業の第一は公刊資料だ


・トルーマン大統領は、「米国の秘密情報の95%は新聞その他の刊行物に発表されている」といった


・情報活動の根本は自発的な好奇心である


・「情報の仕事は教えてもらうのではなく、使命を感じて自分で学び、覚えていくのだ」(情報参謀 堀栄三少佐)


・伝聞情報ではなく自分の目で確認せよ


・都合の悪い情報にこそ真実がある


・情報は自分の力で手に入れよ


・名将と言われる人々はいずれも情報を重視した


・明治の陸軍は非常な努力を払って,清国やロシアの研究に励んで、豊富な情報量と質の高い情報分析を行っていた


・「最も重要な情報は、一般公開されている資料の中にある」(ウイリアム・ドノバン CIA創設者)


・イギリスが大英帝国として隆盛を極めた原因の一つに、質の高い情報機関の存在があった


・重要な情報はトップに直接伝える



※コメント


日本軍の幹部の方々もそれ相応のインテリジェンスの持ち主だったと思う。
またすべて、アメリカ軍が優位に立っていたとは思わない。
ただ、どの分野にも上には上がいるものである。どんなときも謙虚にならないといけない。

マッカーサー元帥は、占領軍総司令官として、吉田茂首相と会ったときこう話したという。

「自分は青年士官の頃、日露戦争に観戦武官として従軍し、大山巌や児玉源太郎、乃木希典をはじめ多くの将軍に会った。彼らにはそれぞれ人物に風格があった。40年ぶりに来日して、日本の将軍たちに会ったが、とても同じ民族であると思えなかった。」

知識も当然必要だが、人間としてどうあるべきか、精進したいと思う。



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●稀代の情報官僚・伊東巳代治のメディア戦略

最近、元外交官・原田武夫氏の著書を乱読している。
独自の視点と経験に基づく文章は、圧巻である。


初代総理大臣・伊藤博文の情報ブレーンだった伊東巳代治の紹介本が興味をそそる。



書名はズバリ、『「日本叩き」を封殺せよ〜情報官僚・伊東巳代治のメディア戦略〜』


要旨は下記の通り


・伊東巳代治は、内閣書記官長として、機密費を駆使しながら政界の裏舞台で活躍した

・効果的な広報を行うためには、誰よりも早く的確な情報を集めることが重要

・稀代の情報官僚・伊東巳代治の足跡を辿ることで、日本の対外宣伝・情報戦略のあるべき姿が見える

・伊東巳代治は、少年の頃から敏捷さと記憶力の良さをもっていた

・巳代治の英語力はずば抜けていた

・巳代治は終生、「新聞・メディアを知り尽くした男」と評価を受けた

・巳代治は、全国の新聞10数紙を毎日読み必要な箇所をチェックさせていた

・ロイターは大英帝国の「耳」「口」として、その世界支配を手助けした通信社である

・対外宣伝(パブリック・ディプロマシー)とは何か、知ることが大事

・情報機関の世界では、「情報の95%は、公開情報を見れば得ることができる」

・「情報」は個人レベル、現場レベルでも収集できる

・マーケットの世界では、「儲け話はひそひそ声で」が基本



※コメント

伊東巳代治は凄まじい体力の持ち主だったという。
これをやると決めたら、3日間の徹夜は当たり前。
法律、語学、会計、文書作成能力にも長けていて、まさにスーパー官僚であった。
つくづく昔の人はスゴイと思うが、我々も彼の話を聞いているとまだまだできるぞ、という気持ちになる。



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