◆猪瀬直樹『決断する力』を読み解く
いま、話題の猪瀬知事。
どのような決断をするか注目したい。
※要旨
・東日本大震災の際、千葉県市原市にある石油コンビナートが炎上した。
東京都消防庁の防災部長を呼んで、消火艇を出動させた。
本来なら千葉県から総務省に要請が出され、そこから東京都に連絡される仕組みだ。
防災部長と相談して、そのプロセスを飛ばした。
石原都知事には事後報告で「先に行っちゃいましたよ」と伝えた。
たぶん森田健作・千葉県知事から後で出動要請の電話があるはずだから、
それを見越して先に行かせたということだ。
石原さんは「そうか。それでいい」と一言。
一時間後、森田知事から電話がかかってきた。
・何が大事なのか。
いま最優先で取り組むべきことは何か。
危機の最中に何よりも重要なのは、ルールを守ることよりも、即断即決の実行力だ。
・危機は一瞬で過ぎるものではない。
刻々と変わる状況に合わせて、つぎつぎと手を打たなければ、
機会はどんどん失われ、場合によっては手遅れになる。
そのためにはできるだけ正確な状況をつかむこと、
集まってきた情報をもとにその場で決断を下すこと、
そして結論を速やかに関係者と共有すること、の3点である。
・現場の情報を一箇所に集め、そこで決断して、関係者に伝達する。
現場は現場で動いているから、情報の流れを整理して、
必要な人に必要な情報が行き渡る様にする。
・刻々と変化する状況では、情報の流れを滞らせないことが重要だ。
現場の情報を吸い上げ、必要な人に伝達する。
ソーシャルネットワークの得意分野だ。
・立ち止まっている時間はない。
走りながら考える。
危機の瞬間は、完璧さを求めてはいけない。
限られた情報をもとにまずは走り出す。
状況に変化があれば、後から修正を加えていく。
・スピードこそ命。
迅速な意思決定せよ。
仕事ができるとは、仕事が速い、という意味。
決断はスピード。
実行もスピード。
それが人の信用の基準。
わかる人には、わかる合言葉。
・組織の中から情報を吸い上げるだけでなく、外からも直接情報を入手する。
当事者同士でやりとりすれば、ダイナミックな動きも可能になる。
・東京都副知事としての僕には、当初、机と椅子と部屋しかなかった。
ラインを持っていない。
会社で言うと「部下も事業部も持たない副社長」のようなもの。
僕の仕事は日本政府との折衝(戦い)と、「その他知事の特命事項に関すること」の2つだけ。
ところが「その他」とあるのがミソで、石原知事の特命事項として、
その他さまざまなプロジェクトを立ち上げればいいのである。
・「変人」の混ざり具合が重要。
周囲の反対を押し切りやらなければならないことがある。
震災は国難であり、国民としてどう課題を共有して乗り切るか、
リーダーが決断しなければならない。
リスクのない対処法などないのだから。
こういうときは、変人じゃないと乗り切れない。
・週末は体力をつくる。
これ、あたりまえの備え。
もうひとつ週末にしかできないこと、本や資料を読み込む集中力。
ある意味、平日より土日のほうが仕事密度が高い。
仕事は、発想力があるかないか。
・日常使っているネットワークこそ役に立つ。
最後の切り札は周到に用意する。
しかし、普段使っているものほど、緊急時にも役に立つ。
平時だからこそネットワークの強化・複線化に取り組むべき。
・緻密なシュミレーションで、想定外をなくす。
印象ではなく客観的なデータ、意見ではなくファクト(事実)が正しい現状認識を生む。
データと事実の積み重ね。
これに勝るものはない。
※コメント
猪瀬氏の発信力は強力だ。
本やネットを駆使した彼の情報発信は、官僚組織にとって脅威だ。
官僚組織にも言い分はあろうが、普段から猪瀬氏のようにソーシャルメディアを使って、
国民との対話をしていると、何かあったときに強大な支援体制になってくる。
言葉の大切さ、発信する大切さを学べる。
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