◆篠原匡『神山プロジェクト:未来の働き方を実験する』を読み解く
※要旨
・少子高齢化の田舎に企業が来た。
・鮎喰川の畔に広がる人口6,100人ほどの町、神山。
徳島市内から40分の距離だが、平地が少なく、
急峻な斜面にへばりつくような集落が点在している。
・かつては林業で一時代を築いたが、
木材価格の低迷とともに人口は減少の一途をたどる。
高齢化率も46%と、少子化と高齢化に悩む苦しむ中山間の典型のような地域だ。
・ところが、神山はITベンチャーの「移転ラッシュ」に沸いている。
名刺管理サービスを提供しているSansanが、
2010年にサテライトオフィス「神山ラボ」を開設したのを皮切りに、
9社のベンチャー企業が古民家を借りた。
・移住者の増加にともなって、店舗や施設のオープンも相次いでいる。
ここ数年を見ても、パン屋やカフェ、歯医者、パスタ屋、お好み焼き屋、
ビストロ、図書館などが神山Mapに登場した。
・アーティストやクリエイターなどクリエイティブな人材の移住も加速しており、
まさに新しく町が生まれ変わっている印象だ。
・若者の流出や高齢化に伴って、日本の山間僻地では過疎化が進んでいる。
「出口なし」といった状況だ。
その中で、神山は異彩を放つ。
・エンジニアやクリエイターがここに押し寄せる。
それはなぜか。
神山に固有な理由はいくつかある。
例えば、抜群のIT環境だ。
・その街並みからは想像できないが、神山は全国でも屈指の通信インフラを誇る。
徳島県知事の飯泉が情報化に熱心だったこともあり、
2000年代半ば以降、徳島県は県内全域に光ファイバー網を整備した。
・企業や移住者は、IT環境だけではなく、神山という「場」が醸し出す雰囲気に引かれたようだ。
その雰囲気の中心にいるのは、神山に本拠を置くグリーンバレーだ。
・日本の田舎をステキに変える。
グリーンバレーは、移住者支援や空き家再生、アーティストの滞在支援などを手がけるNPO法人だ。
主な活動は、上記に加え、人材育成、道路清掃など。
・彼らのミッションは、「日本の田舎をステキに変える」。
そのミッションを体現している存在といっても過言ではない。
・この本では、グリーンバレーの道程をひもとく。
「奇跡の町」とささやかれる今の神山をいかに築き上げたのか。
そのプロセスは多くの示唆を与えるに違いない。
・新しい発想やプロジェクトは異なる価値観やスキルを持つ人同士の対話を通じて、
生まれるものだ。
そのために必要なことは、クリエイティブな人材が集まる場を作ること。
その場を作り出してさえいれば、あとは自然発生的に何かが生まれる。
・ある意思を持った人が5人いれば町は変わる。
・日本の地方は人口流出と高齢化にあえいでいる。
全体の人口減少と都市化の波を考えれば、その中の多くは限界集落と化していくだろう。
それを押しとどめるものがあるとすれば、それは道路でもなく美術館でもなく、
クリエイティブな人間の集積以外にない。
人が集まる場をつくる。
それこそが、生き残りの解だ。
※コメント
シンプルなことであるが、本質を突いている一冊だ。
地方のあり方について、実践とインスピレーションを与えてくれる。
ビジネスについて新しい何かを発想できそうだ。
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