『国際インテリジェンス最新事情』

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December 2014

◆北野幸伯『日本人の知らない「クレムリン・メソッド」:世界を動かす11の原理』を読み解く



◆北野幸伯『日本人の知らない「クレムリン・メソッド」:世界を動かす11の原理』を読み解く


※要旨


・モスクワ国際関係大学での教え。
私は「ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学」という大学をはじめて卒業した日本人です。
ソ連時代、この大学は「卒業生の半分は外交官に、半分はKGBに」といわれた大学だ。


・この特殊な大学では、教授も学生も「国益とは何か?」を毎日のように討論していた。
また「国益を達成するためには何をすべきか?」を、
学生である私たちは徹底的に叩き込まれた。


・一国の影響力と国力を測る基準は「品格」ではない。
それは「金力」(経済力)と「腕力」(軍事力)である。


・世界の歴史は「覇権争奪」の繰り返しである。


・国益とは「金儲け」と「安全の確保」である。


・あらゆる国家にとって、経済成長(金儲け)こそが最重要課題である。
世界は、あらゆる国の「国益=金儲け」の利害関係で動いている。
外交は、内政の延長である。


・「エネルギー」は「平和」より重要である。
エネルギーなしには国家も個人も生き残れない。
「エネルギー源の確保」は、「金儲け」であり、「安全確保」でもある。


・世界のすべての情報は「操作」されている。
世界にはさまざまな「情報ピラミッド」があり、常に「作為的な情報」が流されている。


・世界の出来事は、国の戦略によって仕組まれている。


・戦争とは、「情報戦」「経済戦」「実戦」の3つである。


・生き残りのためには、まず情報戦争で勝つべし。


・第二次世界大戦で負けた理由を、徹底的に分析し、いまに活かす。
そして、今度はできれば、実際の戦争をせずに勝つ。
それこそが日本を守るために命を捨てて戦って先人にくれた対する「真の弔い」である。


・私たち自身がこの国の主権者として、世界の大局を理解し、
日本を正しい方向に導いていく力を身につけなければならない。
「日本の自立」は「私の自立」からはじまる。


・礼儀正しく、プロ意識が強く、なんでも極めてしまう職人気質の日本人は、
大昔から賞賛の的であった。
しかし一方で、「抽象度が高い話が苦手」という短所も確かにある。


・みなさんはこの本の内容を学ばれることで、「世界的視野」「大局観」
「歴史観」「自分と相手の利害」「プロパガンダを見抜く力」などを身につけることができる。
それに「物事を極める」日本人の長所が加わることで、
日本は自立国家に向かうことができる。


※コメント
独自の教育と特殊な視点をもった北野氏の分析力は目に見張るものがある。
彼がどうやって国際情勢を見ているのか、そのやり方と秘密があまずことなく公開されている。
とても面白く、これからの世界を生きていく中で役立つ一冊である。
具体例も豊富で、明日から使えるノウハウと理論ばかりである。




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◆山崎啓明『インテリジェンス1941―日米開戦への道、知られざる国際情報戦』を読み解く



◆山崎啓明『インテリジェンス1941―日米開戦への道、知られざる国際情報戦』を読み解く



※要旨


・ロンドン郊外にあるイギリス国立公文書館。
二重三重のロックに守られた機密文書室は、特別な許可を得ない限り、
中に立ち入ることが厳しく禁じられている。
そこは、かつて七つの海と5つの大陸を制覇した大英帝国が、
世界中で収集した、ありとあらゆる「秘密」が詰まった特異な空間である。


・「トップシークレット、ウルトラ」
血のような赤いアルファベットで刻まれたタイトルが、最高機密にランクされた文書の証だった。
ウルトラ文書は、首相や外務大臣、情報機関の長官をはじめ、
ごく限られた人物しか閲覧が許されていなかった。
そこには、第二次世界大戦の帰趨を左右しかねない決定的な極秘情報が綴られていたからだ。


・かつて諜報戦争は、「グレート・ゲーム」と呼ばれていた。
それは、命がけのゲームだった。


・1940年10月、ワシントン中央駅にひとりの日本人が降り立った。
横山一郎海軍大佐、40歳。
仕立てのよい3つ揃いの背広をスマートに着こなし、
豊かな黒髪をポマードでなでつけたその姿は、軍人のイメージとはほど遠い。
しかし、この男こそが、日本海軍のアメリカ諜報網を指揮するスパイマスターだった。


・横山は、若き日、アメリカの名門エール大学に留学した経験があった。
流暢な英語を話し、ユーモアを交えたスピーチで場を沸かせるのが得意だった。
物腰はあくまで柔らかく、身のこなしも洗練されていて、社交術にもたけていた。


・社交もまた、スパイマスターにとっては、アメリカ社会に溶け込み、
情報源を築くための手段のひとつだった。
華やかな日々の裏側で、非合法なスパイ活動を指揮し、
心を許した相手から極秘情報を奪うことも辞さない。
非情さと冷徹さを必要とするのが、武官の仕事だった。


・最大最強の仮想敵国だったアメリカの内情を探り、対抗戦略を練り上げるため、
日本海軍は常に最高の人材を、ワシントンの武官室にあてていた。
そのことは、日米開戦にかかわる海軍首脳部がことごとく、
アメリカの駐在武官を経験していることからも明らかである。
嶋田繁太郎、永野修身、山本五十六、野村吉三郎。
いずれもが、ワシントンで情報将校として研鑽を積み、戦略のなんたるかを学んだあと、
出世の階段を駆け上がって、日本の行く末を決する地位を得た。


・イントレピットの本名は、サー・ウィリアム・スティーブンソンという。
1897年、カナダで生まれた。
スティーブンソンは、いくつもの顔と肩書をもっていた。
あるときは、機械や通信技術に精通したエンジニア。
あるときはラジオの製造や航空機ビジネスで巨万の富を築いた実業家。
サーの称号をもつ紳士の裏の顔は、
チャーチル直属のもっとも有能で、もっとも危険なスパイマスターだった。


・第二次世界大戦の勃発後、チャーチルの命を受け、アメリカに渡ったイントレピットは、
ニューヨークに拠点を構え、秘密組織BSCを創設。
多数のスパイを抱えたBSCは、MI5やMI6といった情報機関のアメリカ支局として機能した。


・イントレピットが渡米した1940年当時、諜報大国イギリスの情報活動は、危機に瀕していた。
ヨーロッパの拠点は、ナチスドイツの攻勢によって、壊滅状態に陥っていた。
イントレピットは、ひとりの男に白羽の矢を立てる。
「ワイルド・ビル」こと、ウィリアム・ドノバン。
のちに、CIAの母体となる情報機関の生みの親となる男である。
ドノバンは、あだ名の通り、獰猛な野獣のような男だった。


・ドノバンには、強力なコネと諜報指揮官としての経験もあった。
コロンビア大学のロースクールで、ルーズベルトと同級生だったのである。
大統領となったルーズベルトは、ドノバンをスパイマスターに抜擢し、
内戦の渦中にあったスペインへと派遣した。


・イントレピットはロビイストとしても非凡な才能を発揮した。
米陸海軍からホワイトハウスまで、英米の諜報機関の連携がいかに重要で、
ドノバンをおいてその職責を果たす人材がいないということを訴えてまわった。


・1940年6月、ルーズベルトは、ドノバンを情報調整官に任命する。
以後、その権力は拡大の一途をたどり、
1942年には、スパイ工作やプロパガンダを一手に引き受ける戦略事務局(OSS)を創設。
のちのCIAにつながる。


・ヒトラーが総統大本営「狼の巣」を建設し、ソ連攻撃の準備を着々と進めていたころ。
ドイツの動きをいちはやく察知したスパイが日本にいた。
暗号名「ラムゼイ」。
本名リヒャルト・ゾルゲ。
東京を基点として強大な情報網を築き上げ、日本史上最大のスパイ事件「ゾルゲ事件」を
起こしたソ連の秘密諜報工作員である。


・ゾルゲは南コーカサス(現在のアゼルバイジャン)で、
ドイツ人石油技師の父とロシア人の母の間に生まれた。
ベルリン大学やハンブルク大学で学んだ後、国際共産主義の理想に共鳴し、
コミンテルン本部の諜報機関を経て、ソ連軍参謀本部の諜報総局に移籍した。


・ファシズムと戦うため、ゾルゲが武器としたのは、情報だった。
その情報収集力は、比類ないものだった。
高性能の無線機を使って、ソ連に送られた暗号電報の数は、800通以上にのぼる。
そこには、日本の最高機密であるはずの御前会議の情報までが含まれる。
しかも、ただ情報を集めるだけではない。


・機密情報というのは、本来、断片的なものである。
ピースが常に足りないパズルのようなものだ。
だからこそ、的確な分析と深い洞察があって、初めて武器となる。


・ドイツの高級紙「フランクフルター・ツァイトゥンク」の特派員だったゾルゲは、
一流の日本研究者でもあった。
家には、1000冊を超える日本関連書籍があったという。
そこには、「古事記」や「源氏物語」などの古典文学まで含まれていた。
ゾルゲ諜報団がキャッチした情報は、日本の政治経済の仕組みから、
日本の思考様式までを研究し尽くしたゾルゲによって吟味され、欠損部分が補われ、
日本が今後とるであろう政策を的確にあぶりだすことになった。


・チャーチルは、葉巻の煙をくゆらせながら、地図に目をやり、
世界情勢について思考を巡らせ、国民を鼓舞する演説の原稿を執筆するのを日課としていた。
チャーチルは、後にノーベル文学賞を受賞するほどの文才の持ち主であり、演説の名手だった。


・絶体絶命の窮地に追い詰められていたチャーチルが、
起死回生をかけたのが「秘密情報」だった。
地下の閣議室でチャーチルが座っていた席の前には、赤い箱が置かれていた。
鍵のかかった箱の中には、外務省直属の暗号解読機関ブレッチリー・パークから
届けられた最重要の機密文書が収められていた。
この箱こそが、大英帝国にとっての最後の希望だった。


・1941年6月4日、チャーチルの赤い箱に、決定的な情報が投げ込まれた。
それはドイツに駐在していた日本の大島大使が外務省に送った極秘の暗号電報の解読記録だった。
大島は、ドイツのリッベントロップ外相から、
「独ソ戦がもはや避けられない状況にある」ことを直々に聞き出したというのだ。
わずか数語に過ぎない解読文。
しかし、世界情勢を一変させる価値を秘めた情報だった。


・チャーチルの対応は、迅速だった。
ブレッチリー・パークから情報が寄せられた後、ホワイトホールで、
「合同情報委員会(JIC)」の秘密会議が開かれた。
そこに集まったのは、海外での秘密工作を担当するMI6、
敵のスパイ摘発を任務とするMI5など、
大英帝国のインテリジェンスの根幹をつかさどる組織の最高幹部たち。
そして、内閣府や、外務省や内務省などの責任者たちである。


・情報は、ただ集めるだけでは意味がない。
重要なのは、時に相反する雑多な情報から真の情報を選り分けること。
断片的な情報のピースを組み合わせ、空白部分を推理し、隠された敵の戦略を読み取ること。
分析があって初めて、情報は意味と価値をもつ。
そうした機能をうけもつ合同情報委員会は、諜報大国イギリスの心臓部であるとともに、
インテリジェンス戦争において圧倒的な優位をもたらす源泉だった。


※コメント
この本のテーマは魅力的なテーマであると同時に、執筆者の表現力も唸らせる。
チャットした歴史的な出来事を洗練された文章で魅力を高めている。
やはり書く人によって、歴史は面白くもなり、また逆もしかりだ。
テレビのドキュメンタリーをつくる人は、短い時間でよい言葉を選び出すの上手だ。


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◆三木谷浩史『楽天流。破壊せよ、熱狂せよ』を読み解く



◆三木谷浩史『楽天流。破壊せよ、熱狂せよ』を読み解く


※要旨


・1995年に発生した阪神淡路大震災。
必死になって探した叔母夫婦と対面したのは、地元の学校に設けられた一時遺体安置所だった。
この時はじめて僕は自分もいつか必ず死ぬことを意識した。
そして、こう思った。
一度きりの人生を思いっきり生きなければならない。
いつかではなく、今すぐにやりたいことをすべきなのだ。


・僕が社内公用語に英語を選んだ理由は単に話し手の数が多いからだけではない。
すでに英語がグローバル企業の共通語となっていることだ。
複数言語を使いこなせる人たちが商談に集まると、
ほとんどの場合、英語が共通言語に選ばれる。


・どうすれば言語の壁を乗り越えられるだろうか。
解決の糸口を与えてくれたのは、海外で雇用されて、楽天本社に入ってきた外国人社員たちだ。
驚異的だったのは、インドで雇用した技術者たちが来日してから日本語を習得するまでの時間だ。
彼らは入社してわずか数ヶ月で日本語会話の能力を身につけていた。


・僕がビジネスで大事にしている理念がエンパワーメントだ。
エンパワーメントとは、自律自走できるように支援することだ。


・僕の考えるエンパワーメントは、会社のトップだけではなくすべての社員が共有し、
仕入れから小売まで隅々に行き渡っていなければならないビジネス戦略の根幹にあるコンセプトだ。
このコンセプトこそ僕らが達成すべき最大のゴールであり、
eコマース分野で競合する数多くの企業の中で、楽天が抜きん出ている強みなのだ。


・生きた情報を集める。
明治維新の頃、知識人たちが外国に行くには長く危険な航海が伴った。
なぜそれほど困難な旅をする必要があったのか。
海外の文献を読んだり、日本にいる欧米人に話を聞いたりすることは当時も可能だった。
しかし、彼らはそれだけでは不十分であることがわかっていた。
二次情報から得られる知識だけでは、絶対に欧米を理解することができないことを知っていたのだ。
なんといっても直接経験したことの衝撃や臨場感は、文献や人の話からでは得られないものだ。


・僕は仕事を通じてこれと同じことを何度も経験してきた。
いま僕は毎月2回ほど、海外出張に行っている。


・グローバル思考をつづけるには海外出張が不可欠だ。
僕は海外出張のおかげで東京のオフィスにいたままでは決して得られない経験をいくつもしてきた。
スペインに短い出張に出かけたとき、空き時間にバルセロナの市場を歩いて回ったことがある。
並べられた商品の色使い、商人や店員たちのエネルギー、客と店員のおしゃべりなど、
見るもの聞くものに大きな刺激を受けた。
どうすれば、このような素晴らしい刺激をオンラインのマーケットでも、
実現できるだろうかと考えずにはいられなかった。


・いつも計測する。
僕らは毎日のささいな活動も欠かさずに計測してきた。
現在の楽天の急成長は計測の結果だと僕は考えている。
僕らの会社の成長を支えたのは、小さな改善の繰り返しだ。
僕らは小さな改善を毎日コツコツと積み上げた。
どうしてそんなことがわかるのかといえば、僕らはいつもすべてを計測してきたからだ。


・数字からトレンドを読み取る。
売上、利益率、損益分岐点、組織的な利益、市場占有率、価格、消費者動向など、
ビジネス界には数字があふれている。
数字は事実だ。
数字は嘘をつかないし、耳に心地よく響くことを言ったりしない。
ビジネスを理解するうえで、数字ほど役立つツールはない。


・数字を正しく読み取るには、数字を現実世界に結びつける能力が必要だ。
数字から想像力を膨らませる能力と言ってもいい。
この能力がなければ、どんなに速く計算できたり、
どんなに完璧に数字を覚えられたりしても、数字をビジネスに活かすことはできない。
数字を読み取る力を鍛えたければ、統計情報の変化を追跡することからはじめるとよい。


・楽天では、多くの社員が毎日、上司に業務レポートを提出する。
そうすれば各部署でその日に上がった数字を整理できる。
その集計レポートが僕のところに送られてくる。
いつも、たった1日分で厚さ5センチメートルほどのレポートが送られてくるのだ。


・数字には会社の業績だけではなく、周囲の状況までが反映される。
これらの数字に目を通すだけで、自分のビジネスに何が起こっているか、
そして周囲の世界で何が起こっているのかを理解できる。
ビジネスの現在の状況を知り、将来を予測できるのだ。


※コメント
三木谷氏の数字に対するマメさは有名だ。
経営は細部に宿ることを熟知しているのだ。
繊細さと大胆さの両方を経営者は求められるようだ。



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◆ピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン:君はゼロから何を生み出せるか』を読み解く





◆ピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン:君はゼロから何を生み出せるか』を読み解く


※要旨


・僕たちが新しい何かを生み出すたびに、ゼロは1になる。
何かを創造する行為は、それが生まれる瞬間と同じく一度きりしかないし、
その結果、まったく新しい、誰も見たことのないものが生まれる。


・スタートアップ思考。
新しいテクノロジーを生み出すのは、だいたいベンチャー企業、つまりスタートアップだ。
政治における建国の父から、科学における王立協会、
ビジネスにおけるフェアチャイルド・セミコンダクターの「8人の反逆者」と呼ばれた創業メンバーまで、
より良い世界を作ってきたのは、使命感で結ばれた一握りの人たちだった。


・スタートアップの原則。

1.小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい。

2.出来の悪い計画でも、ないよりはいい。

3.競争の激しい市場では収益が消失する。

4.販売はプロダクトと同じくらい大切だ。


・起業家ならこう肝に銘じるべきだ。
永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、
差別化のないコモディティ・ビジネスを行ってはならない。


・ペイパルを売却した後の2004年、以前に法務事務官への就職を手助けしてくれた
ロースクール時代の友人に偶然出くわした。
彼はニヤリと笑ってこう言った。
「ピーター、事務官にならなくて良かったな」

もし最高裁の法務事務官になっていたら、
おそらく証言を録音したり他人の事業案件の草案を書いたりして一生を過ごしていただろう。
新しい何かを創り出すことはなかったはずだ。
どれほど違っていたかはなんとも言えないけれど、その機会損失は莫大なものになっていただろう。


・短期成長をすべてに優先させれば、自問すべき最も重要な問いを見逃してしまう。
「このビジネスは10年後も存続しているか」というものだ。
数字はその答えを教えてくれない。
むしろ、そのビジネスの定性的な特徴を客観的に考えてみる必要がある。


・独占企業はそれぞれに違っているけれど、たいてい次の特徴のいくつかを併せ持っている。
プロプライエタリ・テクノロジー、ネットワーク効果、規模の経済、そしてブランドだ。


・10倍優れたものを作るには、まったく新しい何かを発明するのが一番だ。
それまでまったく何もなかったところで価値あるものを作れば、
価値の増加は理論的に無限大となる。


・矛盾するようだけれど、ネットワーク効果を狙う企業は、
かならず小さな市場から始めなければならない。
フャイスブックはハーバードの学生だけの間で始まった。
マーク・ザッカーバーグの最初の目的は同級生全員を加入させることで、
全世界の人口を狙ったわけではなかった。


・ラストムーバーになる。
本当に大切なのは将来キャッシュフローを生み出すことであって、
君が最初の参入者になっても、ライバルがやってきてその座を奪われたら意味がない。
最後の参入者になる方がはるかにいい。
つまり、特定の市場でいちばん最後に大きく発展して、
その後何年、何十年と独占利益を享受する方がいいということだ。
そのためには、小さなニッチを支配し、そこから大胆な長期目標に向けて規模を拡大しなければならない。


・起業は、君が確実にコントロールできる、何よりも大きな試みだ。
起業は人生の手綱を握るだけでなく、小さくでも大切な世界の一部を支配することができる。


・僕がいつもそればかり言っているので、
友人たちはこれを冗談ぽく「ティールの法則」と呼ぶようになった。
「創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない」という法則だ。
何事も始まりの瞬間は特別だ。


・238年前のアメリカ建国の瞬間もそうだった。
憲法制定会議の最初の数ヶ月間、根本的な問題の検討は、起草者たちに任された。
中央政府はどこまで力を持つべきか?
議会への代表者をどう配分すべきか?
その夏フィラデルフィアで決まった妥協案をどう見るにしろ、
そこで決まったことはそれ以降ほとんど変わっていない。


・創業者の第一の仕事は、いちばんはじめにやるべきことを正しく行うことだ。
土台に欠陥があっては、偉大な企業を築くことはできない。


・僕が作った最初のチームはシリコンバレーで「ペイパル・マフィア」として知られるようになった。
メンバーの多くがテクノロジー企業の立ち上げに参画したり投資したりして成功してきたからだ。
僕たちは2002年にペイパルを15億ドルでイーベイに売却した。
それからイーロン・マスクはスペースXを立ち上げ、テスラマーターズの共同創業者となった。
リード・ホフマンはリンクトインを共同で創業。
スティーブ・チェン、チャド・ハーリー、ジョード・カリムらは一緒にユーテューブを立ち上げた。


・健康保険のような基本をカバーしたら、あとは他社にできないことを約束すべきだ。
それは、素晴らしい仲間と独自の問題に取り組める、替えのきかない仕事のチャンスだ。
使命とチームについての正しい答えがあれば、1999年のグーグルになることができる。


・すべての起業家は、自身の市場でラストムーバーとなるような戦略を立てるべきだ。
まずはじめに、こう自問しなければならない。
「今から10年から20年先に、世界はどうなっていて、
自分のビジネスはその世界にどう適応しているだろうか?」


・創業者は、個人の栄光と賞賛はつねに屈辱と汚名と背中合わせであり、
慎重さが求められることをじかくしなければならない。
何よりも、自分の力を個人のものだと過信してはならない。
偉大な創業者は、彼ら自身の仕事に価値があるから重要なのではなく、
社員みんなから最高の力を引き出せるから重要なのだ。


・いま僕たちにできるのは、新しいものを生み出す一度限りの方法を見つけ、
ただこれまでと違う未来ではなく、よりよい未来を創ること。
つまりゼロから1を生み出すことだ。
そのための第一歩は、自分の頭で考えることだ。
古代人が初めて世界を見た時のような新鮮さと違和感を持って、
あらためて世界を見ることで、僕たちは世界を創り直し、未来にそれを残すことができる。


※コメント
ゼロから1を生み出すという単純だけれど、難しいミッションを我々はあと何回できるだろうか。
そして、そのミッションを少しずつ達成することで世界は少しずつ変わるかもしれない。
とても楽しみなミッションである。


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◆春日井邦夫『情報と謀略・上巻』を読み解く



◆春日井邦夫『情報と謀略・上巻』を読み解く


※要旨


・春日井氏は、長い年月にわたり実地観測と勉強を積み重ね、
メモをとりそれを整理する地道な生活こそ情報に生き、
情報の後方を支える一つの人生であるように思われる。


・本書のポイントは以下の通り。


1.それまで英国の政治工作に反発していた米国サイドが内心動き出したのは、
「一つは、有名な原爆の共同研究であり、他の一つは、暗号解読分野での協力であった」こと。


2.チャーチルとしてはドイツや日本がソ連と協調するのを妨げつつ、
米国をして絶妙のタイミングで対日参戦に踏み切らせることを至高の戦略としたこと。


3.日本は開戦すれば米国内の情報網をつぶされるので、
ワシントンからアルゼンチンのブエノスアイレスに情報活動の中心地を移そうとしたこと。


4.日本に50年も住み、東京帝国大学で教鞭を取っていた英国人学者を
対米戦に反対の思想を持つ日本の一等書記官に接触させて、
ついには来栖三郎大使の高度な情報まで盗聴に成功したこと。


5.英国海軍航空隊がイタリアのタラント湾で成功した雷撃戦術を用いて、
真珠湾攻撃を日本海軍が考え始めたと英国は米国FBIに通報したこと。


6.
情報機関の基本原則として、
A.大統領の直接指揮、
B.秘密資金の使用、
C.既存の情報機関とは別の海外情報の収集、
D.宣伝活動と破壊工作の機能、
があげられること。


7.いかなる国家も外国の情報機関の自国での非合法活動については寛容ではあり得ないこと。


8.フーバーのFBIは、依然平時の警察官の伝統に従って、
スパイを逮捕すればよいという大きな間違いを犯したこと。



・我が国の情報活動は欧米列強に比較して、
どのような成果をあげ、どのような敗北を喫したのであろうか。
「情報戦の真相を理解し、二度と情報戦で負けてはならない」

これが本書執筆の動機である。


・日本にとって第二次大戦の最大の教訓は、
再び「情報」で後れを取って国を危うくしてはならないということである。


・おそらく第二次大戦中、
「諜報上の最大の成功は、1939年英国人によってなされたものだろう。
この年に彼らは、エニグマとして知られているナチスの最高レベルの暗号機械を一台入手し、
戦争の終結まで、ヒトラーと将軍間の連絡の大部分を連合国が傍受できるようにした」
「1941年までに、アメリカ諜報員は日本最高レベルの軍事および外交の暗号を解読し、
ついで日本大使館で使われていた複雑な暗号解読機の作製に成功した」

これはリーダーズダイジェストが明らかにしている英米両国の
情報戦勝利の簡潔な要約である。


・OSS(戦略事務局)の創設にあたり、ドノバンは、
「ワイルド・ビル」のニックネームにふさわしい「蛮勇」を振るった。
特に要員の確保には、金と手段を選ばぬ強引さが発揮され、
陸海軍、学界、経済界、法曹界から、めぼしい人材を引き抜いた。


・事務手続きを無視したドノバンの論理は、
OSSに求められる情報収集の任務が失敗すれば、
戦争には勝てない。
勝つことこそ第一であり、帳簿や事務手続きは二の次ではないか、ということであった。


・1933年、リヒャルド・ゾルゲはモスクワを出発、ベルリンに向かう。
彼は「フランクフルター・ツァイトゥンク」その他、新聞・雑誌の編集部と接触して、
寄稿家になることに成功した。
またナチスのゲオポリティークの理論家カール・ハウスホーファーを訪れ、
駐日独大使、駐米日本大使宛の紹介状を入手した。


・ゾルゲは麻布に家を借りた。
自分の動静がすべての外国人居住者と同様、
日本の外事警察の視察の対象であることを知っていた彼は、
それに対処する2つの方法を取った。


・一つは、日本研究に没頭することである。
彼は毎日のようにドイツ大使館やドイツ東アジア協会の図書室で読書し、
資料を求めて古本屋を歩き回った。
彼の家は本と資料と地図と牽引カード箱でいっぱいになった。
歴史、文化、政治、経済の研究に熱中するとともに、
日本各地の旅行を続けた。


・第二は、こうした彼の日本研究によって知り得た日本の知識を、
ドイツ大使館との協力に役立てることであった。
彼がドイツ大使館で有用な、かけがえのない人材であることが分かれば分かるほど、
日本側に疑われることが少なくなり、
またナチスの監視組織からも睨まれなくなることを知っていたのである。


・まもなくゾルゲは、ドイツ国防軍のオイゲン・オット陸軍中佐と出会う。
日本研究を進めていたオットにとって、「偶然」出会ったゾルゲの深い日本知識と情報は、
天の恵みに見えた。
オットはやがて陸軍大佐に昇進、駐日ドイツ大使館陸軍武官、駐日ドイツ大使となっていく。



※コメント
「情報戦で二度と負けてはならない」
我々日本人が一生背負って生きていかなければならない、フレーズかもしれない。
わたしたちは、本当にあの大戦から学んでいるのだろうか。
終戦から70年余り経つが、この言葉は繰り返し自分に問いたい。


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◆春日井邦夫『情報と謀略:下巻』を読み解く



◆春日井邦夫『情報と謀略:下巻』を読み解く



※要旨


・すでに日露戦争における明石工作で、情報戦の重要さを実感したはずの政府も軍も、
その大勝に安んじてか、その組織的発展について、ほとんど意を用いなかった。
秘密戦について陸軍首脳部が認識を新たにするのは、第一次世界大戦、
特にその結果生じたロシア革命に対するシベリア出兵以後のことである。


・第一次大戦は史上初の国家総力戦であったが、
情報と謀略が真に国家の命運を分けることを実証した戦いでもあった。
とりわけ、諜報、防諜、謀略、暗号、宣伝など、
秘密戦への知恵と準備が勝敗を決定する大きな要素であることが明らかになった。


・日本陸軍の「特務機関」は、シベリア出兵を契機に創設され、
大陸での情報収集の拠点となったのである。



・1938年7月には、かつて満州事変に奉天特務機関長として活躍し、
「満州のロレンス」といわれた土肥原賢二中将が、
諸謀略の中央直轄機関長として派遣されることとなった。


・土肥原中将は上海に「土肥原機関」を設立し、
当時の金で1000万円以上という厖大な機密費を与えられて謀略工作に専念したのであった。


・東京裁判での土肥原被告の沈黙。
土肥原賢二大将は戦後「東京裁判」で、その多くの対中謀略工作に従事した経歴を問われ、
絞首刑となった。
その略歴は次の通りであった。


1928年、中国政府の招聘で、奉天督軍顧問。

1931年、関東軍司令部付で奉天特務機関長となり、溥儀脱出工作を担当。

1937年、第14師団長。

1938年、参謀本部付で3度目の土肥原機関を指揮。

1939年、第5軍司令官。

1940年、軍事参議官。

1941年、陸軍大将、航空総監。

1943年、東部軍司令官。

1944年、第七方面軍司令官(シンガポール)。

1945年、教育総監、第十二方面軍司令官兼第一総軍司令官(東京)を歴任。



・東京裁判で土肥原被告は、ついに個人反証の証人台に立たず、沈黙を守った。
国府検事団は膨大な証拠を用意して追及を準備したが肩透かしとなり、
3日間の審理は波乱もなく終了。
判決は、共同謀議、中国・アメリカ・イギリス・オランダに対する侵略戦争の実行、
張鼓峰事件・ノモンハン事件における侵略戦争の実行、残虐行為の命令授権、
許可について有罪とされ、絞首刑が宣告執行された。


・土肥原被告は「宣告の終わった瞬間、一切の不安がなくなり、急に朗らかになった」
と述懐したが、情報将校として何事も語らずに、黙々と死に就いたのである。


・もともと戦争指導の基本方針がぐらついているなかで、
謀略工作など上手くいくはずもなかった。
何のために戦うのか、よくわからないままに戦火拡大し、
終結の見通しがなく、やむなく「謀略」で和平を探るという事態こそ、
最も戒められるべきところである。


・仲小路独特の情報収集法。
「日本的世界原理」の理論的提唱者が仲小路彰であった。
その情報収集法の第一は、マスメディアの丹念な収集と分析にあった。
当時最大のメディアだった新聞について仲小路は、「現代史の基礎資料」として重視し、
複数紙を併読して情報の偏りを防いでいた。
加えて同盟通信社による海外情報が、知人からもたらされていた。


・第二は、定期刊行物、出版物の幅広い多読と速読による分類と集積があった。
これは仲小路の独壇場であった。
その伝説化された速読の様子を小島は語っている。
あるとき議論をしながら仲小路が膝の上に一冊の本を開き、パラパラとページをめくり、
一時間ほどで読み終え、別れ際に貸してくれたことがあったという。


・第三にラジオ放送があった。
音声伝達の新しい媒体として重視され、
特に音楽に天才を持つ仲小路にとって重要な媒体であった。


第四に映像である。
仲小路は20世紀最大の芸術としての映画の意義を最もよく理解し、愛した一人であった。


※コメント
いつの時代での情報の本質はかわらない。
逆に昔の歴史から情報とはなんぞやと、気づかされることが多い。
ビジネスでも外交でも、その本質を忘れないようにしていきたい。



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◆島田亨『本質眼:楽天イーグルス、黒字化への軌跡』を読み解く



◆島田亨『本質眼:楽天イーグルス、黒字化への軌跡』を読み解く


※要旨


・2004年10月5日、東京・西麻布。
友人のオールアバウト社長の江幡さんと遅い夕食を取っていた私の携帯が鳴った。
液晶に表示された名前を見た私は、内心驚いた。
「三木谷浩史」

携帯に出た私の耳に入ってきた三木谷氏の第一声は、こうだった。
「島田さん、野球やりませんか?」


・「野球」なんて言葉とは、程遠い半生。
その私に、三木谷氏はなにを望むのだろうか。
それから2週間後、2時間にわたる話し合いを持ち、私が楽天の球団経営をすることになった。


・なぜ楽天イーグルスは初年度から2億4000万円の黒字を計上するに至ったのか。
それは、私がプロ野球経営もベンチャービジネスと本質的には同じはずだ、
という基本に忠実だったからだと思う。
誰かに尋ねられたら、私はこう答えるでしょう。
「経済界の常識は、野球界にも通用するはず。
大切なのは物事の本質を見抜こうとする意志、いわば『本質眼』なのだ」



・初年度、楽天野球団が経営を黒字化できた最大の要因は、
『プロ野球ビジネスで大切なことは、球場の使用権・営業権を持つこと』
ということを三木谷氏がよく理解しており、
実際にそれを100%得られたことだろう。


・政治の世界と野球界は似ている。


・高校2年生のとき、父が蒸発した。
そしてその時、私は起業を決意した。
具体的に何をしたい、というのではなく、何か自分でやりたい。
いや、「やりたい」というより、「やらなきゃ」という、
強迫観念に近いものであったのかもしれない。


・睡眠時間はたった2時間の学生生活。
1983年、私は東海大学に入学。
私の目標はただ1つ、自分で生きていくために力を付けるということ。
経済的に厳しかった私は、「特待生になって学費免除」を目指した。


・学業もでき、体力を温存できる、深夜のゲームセンターで働くことにした。
毎朝8時半の登校。
これがすべての基本。
そして大学の授業は、寝ずにしっかり聞くことが重要。
私の生活スケジュールのなかに予習復習はおろか、試験勉強する時間すらない。


・大学が終わると家に帰り、入浴。
バイトは月曜から土曜の、夜9時にスタート、夜通しの勤務で、朝の6時に終了。
そこから電車で1時間40分、寝ながら学校へ向かった。
電車の中が、貴重な睡眠時間だ。


・3年生からリクルートのバイトをはじめた。
編集補助、広告制作からはじめ、人手が足りなかったのでしょう、
4年生の冬頃には営業に回され、新規の営業を任されるようになった。
営業の武器は、分厚い、会社の帝国データのみ。
とにかく片っ端から電話して、「社長、お願いします」と言い続ける。


・「就職の一番の目的は、事業を起こすための仲間を探すこと」
としていた。
そして、そのままリクルートに就職した。
「人の4倍働く」をモットーにして働いた。
「人の倍働いて、なおかつ密度を倍濃くする。掛け算で4倍になるよう働こう」
そう決めた私は、時間の密度を濃くする方法を必死で考えた。
結局、量で勝負するしかなかった。


・同期の、のちにインテリジェンスを創業するメンバーの1人となる、前田徹也と飲みにいった。
そこで、起業の話が出てきて、一人の人物を紹介された。
端正な顔立ちに、始終柔らかい物腰。
只者じゃないな、と直感した。
「初めまして、リクルートコスモスの宇野康秀です」

その人物こそ、インテリジェンス創業メンバーであり、
現在、株式会社USENの会長を務める宇野康秀だった。


・1989年6月、株式会社インテリジェンス創業。
それは、4人の出会いから約3ヶ月後のことだった。


・宇野さんは、ディテールも実は強いのだが、
どちらかというと「こうやったら儲かるんじゃないかな」と言った、
コンセプトをぱっと出す、天才的なアイデアマンだ。


・それをちゃんと紙に落とし込み、企画レベルにまでするのがうまいのが鎌田さんだった。


・いつか、インテリジェンスの創業メンバーの4人で話したことがあった。
「もし、これからも一緒に仕事をして、死ぬまでの信頼関係ができるような仲間であろうとするなら、
インテリジェンスという会社にしがみつくのはやめよう。
それが、一番大事なことだよね」


・楽天野球団は、かねてから3つの目標を経営に掲げている。
「健全経営」「強いチーム作り」「地域密着」。



※コメント
島田氏の波瀾万丈の人生をみていると、まだまだビジネスの世界で努力できると感じる。
若くしてベンチャービジネスを立ち上げた彼の経験は、今後も世界で活躍するだろう。
またそういった一騎当千の彼を活用している三木谷さんも凄い。


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◆七田眞『波動経営力:顧客と社員の心をつかむ』を読み解く


ありがとうございました!
皆様のたくさんのご推薦により、
「まぐまぐ大賞2014・ニュース情報源部門」の第3位に輝くことができました。
今後とも、皆様に有益な情報を配信していきたいと思います。



http://www.mag2.com/events/mag2year/2014/free/new.html




◆七田眞『波動経営力:顧客と社員の心をつかむ』を読み解く


※要旨


・会社の波動をよくするための条件は、次の3つ。

1.朝礼。

2.音楽(それもモーツァルト)をかけること。

3.瞑想。



・経営者は波動に気づかなければならない。


・見えない経営から良い波動が出てくる。
見えない経営というのは、以下のことを重視する。


1.会社の経営理念。
2.お客様への思い。
3.善意と感謝。
4.社員の使命感。
5.人への奉仕。
6.人への思いやり。
7.プロ意識。


・良い波動の経営理念を全社員に徹底させる。


・脳細胞に超感覚の情報機構がある。


・最高位の脳機構は間脳にある。


・経営者は右脳の直観力を鍛えよ。
経営判断に不可欠となる直観力。


・瞑想してイメージすればそれが実現する。
ある実業家はいっている。
「私の成功の理由は、毎朝5分の瞑想のお陰だ。
成功、健康、富、活力、創造的アイディアは毎朝5分瞑想をし続けていると、
嫌でも発現するようになる。
毎日の反復的瞑想によって潜在意識の深みに潜んでいる能力が活用されるようになる」


・音楽熟成によって会社の波動がよくなる。


・モーツァルトがなぜ右脳に良いのか。
フランスのアルフレッド・トマティスという人が、古今東西、西洋の音楽、
アラビアの音楽、東洋の音楽などすべて音楽を研究し尽くして、
結局モーツァルトの音楽が一番良いという研究成果を出した。


・より良い人間関係の中により良い自分がある。
スポーツの世界でも効果のある瞑想。


・ある人が、
「クラシックを聴かせたり習わせたりすると右脳が開く。
そうすればフィルムに撮ったように本のページをイメージで覚えるのだ」
という本を読んだ。


・あらゆる物を活性化させる音楽の波動。
商品が音楽熟成によって良い波動を出す。


・第一級の情報はテレビや新聞ではなく本にある。


・第一級の情報をより早く受け取るということを続けていれば、
その成果が経営のなかに付加されていき、会社の事業に独自性が増していくに違いない。
他の会社とは違ったオンリーワンの存在になることができる。


・世界の潮流をつかむには月50冊読むべし。


・事業は人を幸せにするために行うもの。
ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブとひたすら与え続けることに徹する。
そうすると、良い波動で返ってくる。
社運や人間の運も開けてくる。
運の源泉は徳であり人に尽くそうという心だ。
言い換えれば、人に尽くすことによって運が良くなっていく。
事業は人を幸せにすることだと考えると、うまくいくようになる。


・右脳経営で皆が栄える社会になる。


・人に奉仕しよう。
人に尽くそう。
自分たちの会社の能力を高めよう。
これが右脳経営の経営理念だ。


・毎日、全社員による瞑想トレーニングを5分から10分取り入れると、
それが全社に広がっていき、社員のバラバラな思いが一つになり、
全社員の心が統一される。


※コメント
七田氏の精神的な経営理論は、ユニークだ。
できるところは取り入れていきたい。
日本の会社がよくなっていくような気がする。


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◆小谷賢『インテリジェンス、国家・組織は情報をいかに扱うべきか』を読み解く


◆小谷賢『インテリジェンス、国家・組織は情報をいかに扱うべきか』を読み解く



※要旨


・明治時代には幕末の動乱を生き残った政治家がインテリジェンスの重要性をよく理解していたのである。
日露戦争時に日本のインテリジェンスの中心的人物であった福島安正は孫子を師と仰ぎ、
日本の勝利に情報面から大いに貢献した。
また同時期にロシアで活躍した明石元二郎は、その後、陸軍中野学校の模範となっただけでなく、
今でも日本屈指のスパイマスターとして国際的に評価が高い。



・戦前の陸軍中野学校では国体学を徹底して教育したことで、
明確な日本の国家像を持ったインテリジェンス・オフィサーが育てられた。
インテリジェンスは、国家や国益と不可分のものなのである。


・現代のスパイはケース・オフィサーとも称され、
公式な場やパーティでの情報交換が主な情報収集手段となる。
より機微な情報収集は赴任先で雇う情報提供者に任せることが多い。



・国家において、集約された情報は、インテリジェンス組織の情報分析官によって分析されることになる。
情報分析官が扱う事象は、外交、安全保障、諸外国の政治・経済情勢、エネルギー問題など多岐にわたり、
政策決定者はこれらの分野に関する短期的、長期的な見通しに関するインテリジェンスを求めることが多い。


・情報機関の長は日頃から定期的なブリーフィングによって、
政策サイドとの間に信頼関係を築いておく必要がある。
イスラエルのモサドは首相や閣僚からの信頼を基盤としている組織であるし、
日本の内閣情報官も毎週首相や官房長官に対してブリーフィングを実施している。
意外かもしれないが、日本の首相と情報官は他国に比べても比較的緊密な関係を維持しているのである。


・情報組織のトップに求められる資質は、
リーダーが誰であろうと円滑な関係を築き挙げられるようなコミュニケーション能力の高さである。


・情報外交やインテリジェンス外交という言葉もあるが、
これは外交にインテリジェンスを反映させ、困難な状況を打開する、という意味合いがある。
軍事力や経済力のようなハードパワーが外交力の源泉となるように、
質の高いインテリジェンスを持つことも大きな意味合いを持つことは言うまでもない。


・一般論として、表の外交交渉で行きにくい事案では、
インテリジェンスを通じた調整が行われることも珍しくない。
情報機関の任務として、いざというときのために外国機関とのバックチャンネル(裏ルート)を
構築しておくことも重要である。



・日本も国際的なインテリジェンス協力の枠組みに参加していくことを目標としなければならない。
さらに重要なのは日本のインテリジェンスの質を高め、各国が欲しがるような情報を常に持っておくことである。


・日本のインテリジェンスの問題点は情報が「共有されない、上がらない、漏れる」ということである。
そこで一番の問題としては、「インテリジェンス・サイクルが上手く機能していない」ということ。


・根本的な解決策としては、インテリジェンスの質そのものを高めていく必要性がある。
そのためには、情報収集の強化、オールソース・アナリシスによる分析手法の確立、
情報共有・集約の必要性、などが考えられる。


・インテリジェンスの改革は、国民の理解を得て行われなければならない。
そのためにはインテリジェンスに関する知識が涵養されていくことが望ましい。
そのリテラシーは政府首脳や官僚などインテリジェンスを利用する側にも広く共有されるべきである。
公務員試験などの科目に、インテリジェンスや情報保全に関する試験科目が加われば、この流れはさらに加速される。



※コメント
小谷賢氏の専門は、インテリジェンス研究、イギリス政治外交史である。
学者さんでありながら、ざっくばらんでわかり易い、おすすめである。
吉田松陰ではないが、情報を多く持っていても、行動しなければ意味はない。
それは、ビジネスでも外交でも、インテリジェンスでも当てはまる。
頭でっかちにならず、決断、実行を繰り返したい。


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◆安田正『一流役員が実践している仕事の哲学』を読み解く



◆安田正『一流役員が実践している仕事の哲学』を読み解く


※要旨


・メールが来たとき、平社員は5分考えた挙句、あと回しにする。
役員は、3分以内に返信する。
会社の役員クラスの方たちに共通していることを挙げるとすれば、
それはメールのレスポンスが速い。
驚くほど速いことが特徴。


・出社時間。
平社員は、始業5分前。
役員は、遅くとも1時間前には来ている。
ビジネスにおける1秒の重みを役員の人たちは知っている。
「1秒の遅刻がビジネスチャンスを失わせる」その怖さを知っている。


・会食時間を設定する時。
役員は、きっかり18時から。


・心ある人は時間の損失を最も悲しむ。
(ダンデ)


・ごちそうしてもらった次の日、
役員は、100%朝7時にお礼メールが来る。


・出世した人たちは、次のようなほんの小さな積み重ねを非常に大切にする。

1.お礼のメールを出す。(手紙の礼状も含む)
これは接待に限らず、面談、人脈を使った紹介、物の紹介、贈り物などなど、
全てのことにおいてです。
必ずお礼のメールを出す。

2.まめに報告連絡相談(ホウレンソウ)をしたり、情報交換のための連絡も頻繁にする。

3.メールや電話も即レスポンス。


4.頼まれたことで簡単にできることは、すぐその場で済ませてしまう。


・自分が当たり前だと思うところに強みがある。


・どんなものを食べているか言ってみたまえ。
君がどんな人間であるかを言い当ててみせよう。
(ブリア・サヴァラン)


・役員は、たいてい長いネクタイをしている。
ビジネスパーソンにとって服装とはビジネスという戦いのための鎧であり、
出世している方たちはそれを重視している。
「人は見かけで判断されているから」と考えているからこそ、服にお金をかけているのです。


・革靴を履くとき、役員は、必ずひもを結び直して履く。
一流の凛とした所作があなたを印象付ける。


・手みやげを平社員は、道すがら買う。
役員は、包装紙を決める。


・決して言い訳をするな。
決して愚痴をこぼすな。
(ディズレーリ)


・三流は、体調不良で休む。
一流は、健康オタクである。


・お風呂に入るとき。
一流は、朝風呂を浴びる。
役員の方々にかなりの割合で共通している習慣といえば、「朝風呂に入っている」ということ。
「朝風呂に入ると出世する」
こんなジンクスもある。


・所作。
三流は、テーブルマナーを知らない。
一流は、自然に完璧な振る舞いができる。


・家庭。
三流は、尻に敷かれまくっている。
一流は、あえて尻に敷かれている。


・デスクを見てみると、
出世している人の机は、新品のように美しい。


・役員まで行く人は、仕事と同じくらい趣味を極めようとする。


・伸びない人は、過去の栄光にしがみつく。
伸び続ける人は、伝説を更新し続ける。


※コメント
仕事の要諦はいろいろある。
若い頃からこういうことを学んでおくと非常に役に立つ。
年をとってからも、こういったことを復習して常に精進することも大切である。


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