◆中西輝政『日本人が知らない世界と日本の見方』を読み解く
※要旨
・新聞の大きな効用は、一番大事なニュースを一面トップで大きな見出しで取り上げてる点。
新聞は、やはり読んでください。
・大事なのは、やはり語学。
最低限、英語のメディアには触れてください。
・国際政治学はまだ「錬金術のレベル」。
・現実主義の起源はルネサンス。
外交関係でいえば、イタリアの政治思想家マキャベリの登場が、近代現実主義の始まり。
・最高のマキャベリズムとは。
現実主義の極致は「理想主義に見せかける」こと。
18世紀のドイツの専制啓蒙君主フリードリヒ大王を評した言葉に、
「最高のマキャベリズムとは何か。それはマキャベリズムを否定することだ」
というものがある。
・自己犠牲を受け入れるのが国際政治のリアリスト。
・20世紀の有名なイギリスの外交官にハロルド・ニコルソンという人がいる。
著書『外交』のなかに嘘について次のようなくだりが出てくる。
「外交とは、正直で嘘をつかないことが一番効果を発揮すると、イギリス人は考える。
外交において嘘をつけば、一時的に有利になることが多い。
しかし有利になるからといって、いつも嘘をついていれば信用がなくなる。
長期的には信用を失うことによって喪失する利益のほうが、嘘をついて得る利益よりもはるかに大きい。
それが外交というもので、だから外交において嘘をついてはいけない」
・最も効果があるのは「つねに真実を語る人」がついた嘘。
・ノルマンディ上陸作戦に貢献したBBC.
ところでニコルソンは、別の本の中でこうもいっている。
「嘘を滅多につかない人が決定的な瞬間に一回だけ嘘をつけば、それはものすごい効果がある」と。
これこそ英国の諜報活動やプロパガンダの真骨頂で、
たとえばBBC放送は、第二次世界大戦もほとんど真実を放送していた。
そのためドイツ人も含め、正確な戦争のニュースを知るため、世界中の人はいつもBBCを聞いていた。
ところが決定的な瞬間、ここで負ければ戦争そのものがイギリスの敗戦に終わるといった場面で、
BBCはあえて嘘をついた。
それがノルマンディ上陸作戦だ。
・嘘というのは、滅多につかない人が「決定的瞬間」についたら、
歴史の運命を変えるほどの効果を持つ。
・「見た目より知性」が最大の魅力。
・ラテン文化というのは、論理が一貫しているということ。
ラテン文化はギリシャ文化に直結していて、論理の一貫性を重んじる。
イデア、アイデア、思想、概念など、人間の頭の中で考える世界が、
本当のリアルの世界で、目の前にある事象、具体的存在というのは何の価値も持たない。
・「近代とは何か」というとき、私にいわせれば「米英覇権の時代」ということ。
アングロサクソンのスタンダードが世界的なスタンダードとなり、価値観となる。
政治、軍事のみならず、文明や秩序、生産経済の基本システム、金融・貿易による世界支配、
知識、学問、ほとんどすべてにわたり、彼らが物質的および精神的リーダーシップをとり続けてきた。
・そのため近代を考えるとき、アメリカ、イギリスという2つの覇権大国の歴史をしっかり踏まえたうえで、
フランス、ドイツ、ロシア、日本、中国、アジア、中東などについて勉強していかねばなりません。
・今後もし、世界金融のシステムに大変化が起これば、国際秩序や世界政治の構造は急速に変わる。
これはやはり、軍事力との関係かもしれない。
米欧諸国の財政と軍事力は世界秩序に直結している。
アメリカとイギリスの共通点は、どちらも英語を話すというところではなく、
世界の海軍力つまりシーパワーを一貫して支配している点。
世界の金融も一貫して支配している。
この200年、一度も他に奪われたことはない。
※コメント
国際政治を学ぶために、この中西氏の本は参考になる。
何を学べばいいのか、どこに視点を置いたらいいのか。
学生も社会人も活用していきたい考え方だ。
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