◆齋藤孝『声に出して読みたい日本語』を読み解く
※要旨
・詩は、朗誦したり暗誦したりすることこそにこそ魅力がある。
・日本語を体得するという観点からすると、子どものころに名文と出会い、それを覚え、
身体に染みこませることは、その後の人生に莫大なプラスの効果を与える。
・現代日本ほど、暗誦文化をないがしろにしている国は稀なのではないだろうか。
イギリスではシェイクスピアやバイロンが、フランスではラシーヌなどが、
学校教育でも暗誦され、国民の共通の文化となっている。
・みなが共通の古典テキストを暗誦していることによって、
ふだんのコミュニケーションにも奥行きが出てくる。
何気ない日常のやりとりのなかに、ふとシェイクスピアが引用されたり、
ゲーテの言葉が引き合いに出されたりすることによって、
日常の会話が深い文化・伝統につながり、豊かな意味が醸しだされる。
・世代を超えた共通のテキストを持つことは、世代間の信頼関係を強める効果がある。
自分が大切に思い暗誦しているものを、
子どもや孫の世代が暗誦し身体に内在化させているとすれば、
そこに信頼感や安心感が生まれる。
それが古典のよさである。
・ふとした会話のなかに、論語や禅の言葉や俳句や和歌が差し込まれたりすることがある。
そうした瞬間に感じるのは、知的文化の伝統という以上に、身体文化の伝統だ。
・歌舞伎の醍醐味は「きめる」ところにある。
・北原白秋は、日本詩歌界のイチローである。
イチローがプロ野球の歴史を画するオールラウンド・プレイヤーなように、
白秋も近代詩人、童謡民謡の作者、歌人として日本を代表する力を安定して発揮しつづけた。
・近松門左衛門は、虚実をとりまぜ、下世話なものも美に変える日本のシェイクスピアだ。
近松の手にかかれば、悲惨な心中さえも極限的に美しい愛の世界に浄化される。
まさに愛の錬金術師。
・鴨長明は、無常観ポップスの大御所だ。
日本の中世では無常観は万人に愛され認められていた思想である。
・壮大な野心の達成と滅びの美学。
杜甫が『春望』で歌い、松尾芭蕉が『おくのほそ道』で「夏草や」と詠んだように、
古城のロマンには伝統がある。
・絵と俳句は似ている。
どちらも流れ変化していく現実を一瞬止め、本質を表現する。
蕪村の句は、現実を写生するスタイルだ。
蕪村は超一流の画家でもあり、「文人」の代表である。
・福澤諭吉は、合理主義的天才説教師である。
諭吉に説教をされて逃げ切れる者はいない。
水も漏らさぬ緻密な論理力や膨大な知識や加え、
いきなり相手の城の本丸を攻める戦略が見事だ。
・それにしても幼い頃から漢籍を素読暗誦していた諭吉が、
西洋実学の大家になったことは、興味深い。
※コメント
たしかに徹底的に素読することはなかなかやっていない。
同時に多くの偉人はこれをやっている。
とにかく子ども達、いや大人たちも素読をやり直してみよう。
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