◆小林吉弥『小佐野賢治の知恵を盗め。10兆円を残した男の極意』を読み解く


※要旨


・「決して神風など吹かない」
「果報は寝て待つものではない」
小佐野賢治はそれを口癖にし、自ら事業経営の姿勢とした。


・小佐野氏個人について言えば、総資産、約10兆円。


・小佐野氏の超リッチぶりは憶測に憶測を呼び、
生前の代名詞が「戦後最大の錬金術師」「政商」「黒幕」「怪物」。
実業家というより虚業家ぶりを宣伝された。


・しかし、そのような憶測は、少なからず偏見と矛盾を孕んでいる。
小佐野氏が戦後最大の錬金術師であったことは確かである。
無資本、徒手空拳でののし上り、常に無を有に変えてきた。
どんなボロ会社もひとたび彼の手にかかると一変、
優良会社に生まれ変わってしまうのだ。
天才事業家であったことは間違いない。


・小佐野流経営の根底に、常に見え隠れしたのが、
「人間への目配り」であった。
人間掌握術に長けていたのである。


・商売を成功させるには政治に首を突っ込まない。
「小佐野は恩人を3人挙げているが、やはり最大の友人として、
田中角栄をはずすわけにいかないだろうな。
田中政権づくりに小佐野は30億円をつぎ込み、
政権誕生の台所を一人でまかなったともいわれている」(財界長老の話)


・「田中との関係を、世間では、総理になった男を利用するための付き合いだった、
などと言うが、実はその田中に対しても、小佐野はクールだった、
というのが本当のところではないかと思う。
終生、和して同ぜず、不即不離を貫いた格好だった。
田中を総理に、とあれほど入れ込んだ動機も、
世間が考えるほどベタベタしたものではなかった。
いざとなれば、これと見込んだ人物に、バーターや見返りなんてケチなことを言わずに、
30億円のプレゼントくらいポンとやる男だったよ」(同じく財界長老の話)


・つねに付加価値を読む。
驚異のデータ収容量を誇る超頭脳。
田中角栄が人を魅了する最大の武器は、超頭脳の記憶力による。


・田中の超頭脳を証言するエピソードは、他にもゴロゴロしている。
「歌は持ち歌1000曲で、これはプロの流しに匹敵する。
しかも、流行歌なら歌詞の3番まできっちり頭に入っている」(田中派担当記者)


・「地元新潟3区の道路、橋、トンネル、ダムがいつ出来て、
その予算はいくらついていたか、をすべて覚えている」(越山会幹部)


・情報網をどう整備、拡充するか。
仕事を拡げて異分野の人材を把む。


・ケチの手元に良質の情報は集まらない。


・地元に融けこみ、利益を還元する。
人材も仕入れもすべて現地で調達する。


・大金持ちになるには「資産4分割方式」。
現金、有価証券、不動産、そして海外資産が基本。


・金銭伝票は経営実態の情報源。
「私はどんな小額の金銭伝票でも、一枚一枚すべて見ますよ。
これほど経営の実情がよくわかるものはないから」
小佐野賢治のシビアな金銭伝票を表す語録の一つである。(小林吉弥)


・小佐野は買収した会社でも決して社員のクビは切らないが、
必ず経理担当役員を国際興業から監視役として派遣する。
そして、とにかくアリの這い入るスキもないほどシビアな金銭管理感覚で現場に臨んだ。


※コメント
小佐野氏の人生も波瀾万丈でおもしろい。
大きく稼ぐ人物のモデルとして参考になる。
彼が何よりも人への気配りを重視したことは注目に値する。


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