◆丹波實『わが外交人生』を読み解く


※要旨


・筆者は実は米国とのかかわりも深く、米国で3回生活した。
第1回目は外務省の研修員として1962年から65年までフォーダム大学、
それに続いてハーバード大学で、ソ連学とロシア語を勉強し、
第二回は1976年から77年までワシントンの日本大使館の政務担当の一等書記官として勤務。
第三回目は、1986年から87年までボストン総領事として勤務した。


・1991年から国連局長を拝命し、主としてPKO法案の成立に極めて深くかかわった。


・1992年から条約局長、94年からサウジアラビア大使となった。


・1997年から政務担当外務審議官を拝命した。


・1989年に条約局参事官、審議官となった。
この年は世界史的な大事件が続いた一年だった。
ところが筆者は忙しくなかった。
筆者を取り囲む世界が大きく動いているのに筆者がかかわるところは少なくなかった。
『荘子』に「無用の大用」という言葉がある。
「無用ということを知ってはじめて有用の意味がわかる」ということだ。
その意味がよくわかったような気がした時期であった。
とはいえ時間を無駄にはできない。
余裕のできた時間は将来のため、勉強した。


・沖縄返還協定交渉は、タイトロープを渡るような大変に厳しい交渉で、
2年以上にわたって電車で帰宅できることはほとんどなかった。
「この時期を乗り切ったら、このあとの一生はもう怖いものはないと思え」
と、当時の上司である条約課の有馬龍夫首席事務官がよくわれわれを叱咤していた。
今、振り返ってみて、まさしくそのとおりであった。


・仕事関係では、『キッシンジャー回顧録』『ケナン回顧録』は外交官の必読書だと思う。


・サウジアラビアで仕事をするときには外交官でも民間人でも地位や職種は関係ない。
要諦は「焦らず、慌てず、諦めず」だ。


※コメント
外交方針にもさまざまな方法がある。
対立点もある。
両方を吟味して、方針決定したい。



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