◆茂木誠『経済は世界史から学べ』を読み解く
※要旨
・本書は、経済をより深く理解するために、
歴史、つまり「物事の成り立ちから学ぶ」というアプローチをとったものだ。
・小国の集まりだったドイツは経済的に一体化していき、
プロイセン王国を中心に統一された。
・ちょうど冷戦が終わり、ソ連が崩壊した時期、
クリントン政権のゲーツCIA長官は、
「CIAの業務の4割、予算の3分の2を経済分野に充てる」と発言。
ソ連という最大の敵を失ったCIAは、情報収集と工作活動のメインターゲットに日本を選んだ。
・金融の歴史は、迫害された者の歴史でもある。
「いつでも逃げられる仕事」、それが金融業だった。
・農業と金融の意外な接点。
「持ち逃げできる資産」を蓄える必要があった。
・金融業者として活躍した民族として、
フェニキア人、ソグド人、アルメニア人、ユダヤ人、客家(ハッカ)がいる。
いずれも、強大な異民族の支配を長く受けた少数民族だ。
そのため課税対象になりやすい固定資産ではなく、持ち逃げできる金融資産を蓄え、
これを異民族に貸して、利子をとることで利益を上げた。
・現代にも影響力を持つアルメニア人。
アルメニア人は、トルコ東部、黒海とカスピ海の間に住む少数民族だ。
西欧諸国やアメリカでは、アルメニア人が一定の政治力を持っており、
無視できない存在である。
・客家は、移住先では山間部の貧しい地域に住むことを強いられたため、
農業ではなく商業金融活動に活路を見出し、「中国のユダヤ人」とも呼ばれている。
海外に移住した中国商人、華僑の多くは客家の出身。
・ピラミットを作った本当の意味。
ナイル河畔に立ち並ぶ巨大なピラミッドや神殿建設にも大量の人民が動員される。
これは王権の強大さを誇ると同時に、もう一つの大きな役割があった。
氾濫の期間、農作業ができない人民に仕事を与える失業対策、
治安対策としての公共事業でもあったことが、発掘調査により明らかになった。
・徴税権を手にした者が、天下をとる。
徴税権は権力そのもの。
・議会政治も経済学も財政問題から生まれた。
・リスクヘッジの名手、ロスチャイルド家に学ぶ。
ナポレオン戦争のときも、ロスチャイルド家は英仏に二股をかけて資産を守り、
ワーテルローの戦いでの英軍勝利の情報を握るや、
英国債を買いまくって莫大な利益を得ている。
※コメント
世界史は楽しい。
時の流れによってその出来事の評価が変わる。
そういうことは突き詰めていくと、興味が尽きない。
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