◆飯島勲『政治の急所』を読み解く
※要旨
・時の政権の経済政策で肝腎なのは、
ニュース番組の最後にいつも報じられる円・ドルの為替相場と日経平均株価。
世界中どこでも為替と株をどう守るかが時の政権の仕事である。
日本の場合もう一つ、不動産の価値を守ることを忘れてはいけない。
全国の市町村の税収の約4割は、実は固定資産税。
・選挙は公示日に終わっている。
・閣僚「身体検査」の手の内を明かそう。
調べるときは、過去の新聞記事とか、講演録とか、本人にわからないように収集して、
小泉総理だけに報告した。
政治資金収支報告なども含めて。
だが、まずは過去の言動のチェックすることが肝心。
・世界の原発の炉心の8割は日本製鋼所がその技術力で関与している。
「日本製鋼なくして世界の原発なし」だ。
・五輪対策として、私の希望としてまずやってほしいのは、
観光地の、都市を中心に電信柱の地中埋設化を徹底すること。
これによって都市のイメージが全く違ってくる。
・自民党のノウハウ。
官僚を操縦する方法については、自民党の場合は何十年の歴史とノウハウがある。
国会議員になると、まず自民党の国会対策委員会で使い走りから始めて、国会の勉強。
次に党政調会の毎朝の部会で政策の勉強。
官僚ともパイプを作っていく。
・こうして官庁に太いパイプを築くことにより、
省庁の人材を熟知し活用できるシステムができていることが、何よりの自民党の武器である。
・百鬼夜行のインテリジェンスの世界は、上っ面だけ見てもダメ。
表舞台でまことしやかな情報が躍り、大騒ぎしている時こそ、裏の裏まで冷静に観察しなきゃ。
・昔から「首相官邸には3つの山がある」という。
まず、総理大臣。
そして女房役の官房長官。
霞ヶ関のドンと呼ばれ、官僚機構を仕切る事務担当の官房副長官。
この3つの山のタテのラインの意思疎通に心を砕く。
官邸から1府12省へのトップダウンの指示、
逆に各府省からのボトムアップの報告が円滑に伝わるようにつなぐ。
・霞ヶ関のドンである事務担当の官房副長官と、
それを支える総務官を抜きに官邸の仕事は回らない。
総務官の仕事は多い。
各府省との窓口で、閣議案件を整理し、重要人事もさばく。
首相の施政方針演説などの原案も各府省と調整して取りまとめる。
・総務官は昔で言えば、殿様の御簾の奥のそのまた障子の裏に控えているような裏方中の裏方だ。
首相執務室のそばに置き、いつでもすぐ隠密裏に呼べるようにしておかなきゃダメだ。
・霞ヶ関きっての情報通をないがしろにするな。
・インテリジェンスの観点から打ち明けると、
役所で一番大事にしなきゃいけないのは次官でも局長でもない。
各課の「火元責任者」になっている庶務担当のベテラン職員。
守衛さん。
そして運転手さんだ。
なぜならこういう人たちこそが霞ヶ関きっての情報通だからだ。
・各府省に「運転手会」という親睦組織がある。
大臣車の運転手が一番格が高く、さらにその上にいる大ボスが「車庫長」だ。
・1府12省に首相官邸も合わせて14人で集まる「霞ヶ関車庫長会」というボス会議もある。
ここに集まる情報は全霞ヶ関の貴重な共有財産だ。
・小泉内閣の5年5ヶ月。
私が何より強調したいのは、
「首相を支える秘書官と特命担当の参事官のチームワークの大切さ」だ。
首相官邸にあって、首相の間近で日常的に首相を支える秘書官と参事官のチームワークこそが、
小泉内閣を支える重要な柱だったと今でも思っている。
・我がチームはお互いの情報をできる限り横で共有するように動いていた。
「傍受了解」
なんて合言葉もあった。
たとえば、私がどこかの官僚に電話で指示していたら、
その会話を聞いた他のメンバーが、「傍受了解」といって、改めて説明する必要もなく、
勝手に動いていた。
組織の要諦はやはり人、そして人と人とのつながり、チームワークだ。
・政策遂行の組み立て。
物事には「歳時記」ってものがある。
今できること、半年でできること、数年かかること、10年スパンで考えること。
・物事はすべて連関している。
それこそ政治家としての生命を懸けてやりたい大目標があるなら、
それを実現するために足元で何を片付けておくか、
今どんな仕掛け、仕込みをして来るべき時に臨むのか、
といった時系列の戦略も考えなければならない。
※コメント
やはり、飯島氏の話は、裏の裏まで聞けておもしろい。
そして政治以外の分野にも応用できることがたくさんある。
いろいろ真似したい。
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