◆中野剛志『真説・企業論:ビジネススクールが教えない経営学』を読み解く
※要旨
・アメリカのハイテクベンチャー企業を育てたのは、
もっぱら政府の強力な軍事産業育成政策である。
・シリコンバレーは、軍事産業の集積地である。
・アメリカ政府は、軍事産業育成の一環として、
ハイテクベンチャーに対して
公的な資金の供給を行ってきた。
・ITは、インターネットをはじめとして、
軍事産業から生まれたものである。
・ベンチャーキャピタルという
ビジネスモデルは、軍に由来する。
・イノベーションは、共同体的な組織や
長期的に持続する人間関係から生まれる。
・個人を活かすのは、
共同体的な組織や長期的に持続する人間関係である。
・イノベーションの推進力となるのは、
営利目的を超えた組織固有の価値観である。
・イノベーションを推進する最大最強の組織は、「国家」である。
・老舗を目標に会社を経営すれば、
目先の利益に安易にとらわれることなく、
長期的な視点に立って、従業員を大切にし、
顧客との信頼関係を大事にするようになり、
ひいては、イノベーションを起こすことにも成功する。
・アイデアや技術といった情報というものは、
その背後に膨大なつながりをもった情報群が控えている。
・付加価値の高い、目に見えないノウハウを生み出し、
保持し、そして移転するといった作業には、
人間と人間の関係、あるいは組織による
長い時間をかけた濃密なコミットメントが必要。
・ノウハウというものは、
顔と顔を突き合わせて、じっくり教え、
実際にやって見せて、あるいはやらせてみて、
それでやっと伝授できるのだ。
・そのような目に見えないノウハウまで
含んだアイデアを取り入れようとする
人間関係や組織は、おのずと
クローズドなものになっていく。
・アメリカ最強の投資銀行である
ゴールドマンサックスは、
長期の人材育成を重視しており、
2000年代前までは、上級幹部は
社内の生え抜きに限定する慣行があった。
・ゴールドマンサックスは、外部との長期の関係も重視する。
取引先にどのような人材がいるか、
あるいは一緒に仕事をする弁護士事務所や会計事務所に
どんな人材がいるのか。
その目利きをするためには、
長期的に関係を継続しなければならない。
・シリコンバレーでも、
歴史的に形成された濃密な人的ネットワークが
張り巡らされている。
また起業家、資本家、大企業、
そして政府はコネや人脈で強く結びついている。
・ITベンチャーが集積し、ITのイノベーションが
起きる場所がシリコンバレーという
特定の地域に限定されているのは、
シリコンバレーの人的ネットワークが
ある程度クローズドだからだ。
※コメント
経済と経営に関する、
さまざまな見方を教えてくれる。
おもしろい世界だ。
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★中野剛志氏、プロフィールと動画『グローバリズム後の世界』
http://directlink.jp/tracking/af/693532/yhbvtMq8/
政治評論家・国際政治アナリスト
1971年神奈川県生まれ。
1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、旧通商産業省に入省。
2000年より、スコットランドのエディンバラ大学大学院に留学し、
政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年には博士号を取得した。
山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』、
『TPP亡国論』、『富国と強兵-地政経済学序説-』、
『真説・企業論』等著書多数。専門は政治経済思想。元京都大学大学院准教授。
「異能の官僚」の異名を持つ。
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